2023/04/06更新0like1643view

著者:下川 尚子

迷って採用したリビングの吹き抜け階段。住んでみて感じたメリット・デメリット

この記事を書いた人

下川 尚子さん

横浜在住のフリーライター。2011年に第一子の出産を機に独立、現在は企画・編集・執筆などWEBコンテンツの制作に幅広く携わる。2021年、28坪の注文住宅を建築。子育て世帯ならではの「家事ラクな家」を目指して家づくりを実践。趣味はお家系インスタ徘徊。家族は夫と子ども2人。

家づくりをするならリビング階段にしたい、できれば吹き抜けも採用したい!というのは初期から考えていたこと。その一方で、音が響く、光熱費がかかる、料理のにおいが2階まで届いてしまう……など、吹き抜けのデメリットも多く聞くため、迷いどころでもありました。

実際に家づくりをしてみると、リビングの吹き抜け階段にはメリット・デメリット両方あるなと思うのが正直なところ。住んでみて感じた、率直な感想をご紹介します。

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▽ 目次 (クリックでスクロールします)

リビング北側に吹き抜け階段のある我が家

こちらが我が家のリビング。リビング南側に窓があり、その反対の北側に吹き抜けの階段があります。

吹き抜けの階段を採用した1階のリビング(本人撮影)

吹き抜けの階段を採用した1階のリビング(本人撮影)

我が家が、家づくりにおいてマストで取り入れたかったのがリビング階段。もともと、住宅購入を考え始めたころマンションや新築分譲(建売)を見学していて、「家族が顔を合わせやすい間取り」がいいね、という希望があったからです。

そのため、家探しが注文住宅にシフトしたあと、間取りではリビング階段を取り入れたいことを伝え、反映してもらいました。さらにそこを吹き抜けにしたのは、少しでもリビングが広く見えるようにしたかったのと、おしゃれな空間にしたかったからという理由です。

住んで感じたメリット:好きなデザインで愛せる空間になった

さて、実際に住んでみて感じたメリットとして一番大きいのは、リビングが好きなデザインの愛せる空間になったこと。

我が家の吹き抜けは階段部分だけ。範囲としては小さいのですが、空間に広がりと変化ができて、LDKの実際の広さ(18.5畳)よりも広く感じます。また、階段は横の壁をなくす「ひな壇階段」にして、オプションでアイアンの手すりを採用。視線が抜けるようになるため、リビングが広く&おしゃれに見える効果があると思います。
視線が抜けるアイアンの手すりを採用した階段(本人撮影)

視線が抜けるアイアンの手すりを採用した階段(本人撮影)

我が家は予算に余裕がなく、ほぼ「ハウスメーカーの標準プラン」の家なのですが、そうはいってもせっかくの注文住宅。少しはデザイン性のある場所を作りたいな、という希望があったのでこの吹き抜け階段は採用して良かったと思うポイント。友人たちにも「我が家といったらこの階段」と言ってもらえる場所になり満足しています。

住んで感じたメリット1:家全体がつながりのある空間になった

リビング階段にしたのは「家族が顔を合わせやすい間取りにしたかったから」。そして、そのリビング階段を吹き抜けにしたことによって家全体につながりが生まれ、家族の気配を感じられる家になりました。

もともとマンションに暮らしていて、家族間のコミュニケーションが取りやすい(狭いともいう)環境だった我が家。戸建てになると、1階と2階が分かれ、個室もできるため、どう暮らしが変わるかな?と考えていたのですが、子どもたちとの距離感もこれまでと変わらず過ごせています。

また、意外なメリットとしては、1階と2階が近く、そして極端な温度差がないため、行き来が苦にならないこと。ちょっとした家事や用事をするにも億劫になることなく、フットワーク軽く動けます。これは面倒臭がりの私にはとても良かったこと。

住んで感じたメリット2:採光ができる

リビングに吹き抜けがあると高い位置に窓を設けることができるため、採光に役立つということも住んでみて改めて感じたメリットでした。

我が家は吹き抜け階段の北側に、大きめのFIX窓をつけました。北側といえど一日中、安定した柔らかい光が入り、リビングの明るさに一役買ってくれています。
吹き抜け階段の上部につけたFIX窓(本人撮影)

吹き抜け階段の上部につけたFIX窓(本人撮影)

我が家は北西角地で、南側の家と距離がそれほどない立地。冬は特に、南側からの日当たりはなかなか望めません。家が暗くなりがちな時期に、リビングの3面(南、西、北)から採光できるのは大きかったと思っています。

住んで感じたデメリット1:音はかなり響く!

一方で、住んでみて感じたデメリットももちろんありました。

まず、音の響きは想像以上! 特に我が家は吹き抜けの真下にテレビがあるので、テレビをつけると2階のどこにいてもテレビの音が聞こえてしまいます。そのため、寝るときは1階のテレビの音を落としてもらう、音楽はイヤフォンで聞くなど、マンション時代よりも家庭内の音には気をつかう生活かもしれません。
2階ホールから階段を望む(本人撮影)

2階ホールから階段を望む(本人撮影)

また盲点だったのは、2階ホールにあるトイレの音がリビングに聞こえてしまうこと! これも階段を上がったところにあるという位置の問題も大きいと思うのですが、シンプルにちょっと嫌な点です(笑)。

メリットとして家族の気配はどこでも感じられる一方で、私の感覚ではやや「感じすぎる」ので、このあたりは暮らし方の好みによる部分かなぁ……と思うところ(夫はあまり気にならないそうです)。

ちなみに、料理のにおいに関しては、我が家ではキッチンと階段に少し距離があるためか、そこまで気になりませんでした。

住んで感じたデメリット2:冷暖房の効き

冷暖房効率が悪くなるのは、吹き抜けの代表的なデメリット。これは単純に暖める(冷やす)体積が増えるためどうしようもない部分で、私たちも多少の効率の悪さは感じています。大きな吹き抜けのお宅では、空気を効率よく循環させるためにシーリングファンを取り入れるなどの工夫も必要になってくるかもしれません。
LDK全体の温度を管理しているエアコン(本人撮影)

LDK全体の温度を管理しているエアコン(本人撮影)

ただ、我が家の場合は多少のデメリットは感じるものの、家全体が建坪28坪とコンパクトで、吹き抜けの範囲も狭いので、それほど大きなデメリットとは思っていません。むしろ冬でも1階と2階の温度差が少なく、2階に行くのが億劫にならない良さもあるかも……と感じています。

メリット・デメリットと「自分の家に合うか」考えるのが大切

我が家は28坪の小さい家ということもあり、冷暖房効率がやや落ちても広さが感じられ、おしゃれな印象になる吹き抜けを採用しました。とはいえ、吹き抜けはデメリットも多いと聞いていたので、Instagramや家づくり関連のYouTubeなどをひたすら見たり、住宅業界に詳しい知人に聞いたりして情報収集。我が家に合っていそうかどうか、よくよく考えてから採用を決めました。
3方向の窓からの自然光で明るいLDK(本人撮影)

3方向の窓からの自然光で明るいLDK(本人撮影)

結果、音が響くというデメリットは予想以上だったのですが、それ以外はだいたい予想どおり。実際に住んでみてもお気に入りポイントで、吹き抜け階段にして良かったと思っています。

吹き抜けといっても広さや設備で変わってくる!

今回まとめた以外にも、南側を吹き抜けにすると日当たりが確保できるというメリットがあったり、耐震強度が落ちてしまうデメリットがあったりなど、さまざまなメリット・デメリットがあります。

リビング階段・吹き抜けは、その広さや何を求めるかによってメリット、デメリットは変わってきます。また、部屋の位置関係や家具の配置などでカバーできる面も。自分のケースではどうか、希望の家具を配置するとどんな懸念点がありそうかを考え、設計士さんにも相談しつつ決めると、後悔のない選択ができるんじゃないかと思います。

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