2020/01/08更新0like644view佐藤ゆうか

照明計画で失敗しないためのポイント【部屋別】

思うまま、好みのままに作れる注文住宅ですが、住み始めてから「ここをもっとこうすれば良かった」と感じてしまう方も意外と多いそうです。

なかでもよく挙げられるのが、照明設備についての不満。
暮らし始めてから不便さに気付くことが多いため、特に注意が必要です。家ができあがってから後悔しないためには、どんなことに気をつけて照明計画を立てれば良いのでしょうか。本記事ではそのポイントについて、詳しく説明します。

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照明計画の基本とは?

照明は人の暮らしになくてはならないもの。
だからこそこだわっていただきたい箇所でもあるのですが、照明計画は「設計」という大枠に組み込まれるため、詳細な手順を聞ける機会は少ないかもしれません。

しかし、手順を知ることは「どのタイミングで何を検討するべきか」を理解することにつながります。照明計画において重要なのは以下の3点です。

(1)照明計画の手順を知る
(2)空間の用途に適した照明を計画する
(3)照明計画の依頼方法を知る

各項目について、以下で詳しく解説します。

(1)照明計画の手順を知る

【手順1】コンセプトを考える
照明設計の手順として、まず1番最初に行うべきはコンセプト決めです。
家そのもののイメージを検討する段階で、照明についても同時に考えることをお勧めします。

とはいえ、この段階ではぼんやりとしたイメージで十分です。
イメージの例としては、
・全体的に落ち着きのある雰囲気にしたい
・子供部屋やリビングは明るく活気がある雰囲気にしたい
・寝室はシックにしたい
・玄関周りは豪華な雰囲気にしたい
・山小屋のような静かでホッとする雰囲気にしたい
……などでしょうか。

家全体・部屋ごとの雰囲気をイメージし、自分の言葉で設計者に伝えましょう。
参考写真やスケッチなどがあれば、理解はより深まります。


【手順2】光のイメージを具体的に検討する
家の間取りが完成した段階で、ぼんやりとしていたイメージをより具体的なものにします。

方法としては、
・平面図にイメージに合った器具を配置し、光の分布を確認する方法
・CGの完成イメージに光のシミュレーションを行う方法
・手書の完成イメージスケッチを確認する方法
・ショールームで光り方を確認する方法
……などがあります。

設計者からの提案と自身の希望を擦り合わせながら、完成イメージに近づけます。


【手順3】照明器具の選定
完成イメージが見えてくると、使用する照明器具も自ずと絞られてきます。
照明カタログから選んだり照明メーカーのショールームに足を運んだりして照明器具を選定してください。ある程度決まった時点で、見積書に反映させて予算に合っているか確認しましょう。


【手順4】ディテール(詳細)の検討
埋め込み照明や間接照明を行う場合、器具の納め方などの検討が必要です。
この作業は専門的な要素が強いため設計者に一任されることが多いのですが、「とにかくこだわりたい!」という方は、光や見た目のイメージを設計者に可視化してもらうことをお勧めします。


【手順5】設置位置の検討
照明の細かい設置位置を検討します。現場に足を運び、現場監督や電気屋さんと一緒に実際の取り付け位置を確認すると安心です。この段階で照明器具が納品されているようであれば、実際に照明器具を見ながら検討すると、よりイメージが深まります。

(2)空間の用途に適した照明を計画する

照明失敗の原因として挙げられる理由は「暗い」か「イメージと違う」がほとんど。
いずれも空間の用途に合った照明を意識して計画することで防げるトラブルです。

計画の際に必要なのは設計者との情報共有です。
自分たちの暮らしにあった家作りのためにも、以下は詳細に伝えたいですね。

・家族構成(年齢、性別、趣味など)
・建物の用途(住居専用、兼職場、別荘等)

また、各部屋の使い方(部屋で行う作業や想定される過ごし方)については、1部屋ずつ明確にしておきましょう。例えばキッチンなら料理やその他の家事、リビング・ダイニングなら食事、団らん、くつろぎ、昼寝、パーティー、読書。廊下であれば、通路、装飾スペース、収納など。

必要な明るさは、年齢やその部屋での作業内容によって異なります。高齢者の場合、読書や食事の際は若者に必要な光量の2倍、廊下などを安全に使うためには5倍が必要と言われています。

家族全員が安全に暮らすためにも、照明計画は大切なのです。

(3)照明計画の手段を知る

一般住宅における照明計画のコンサルティングは、多くの場合照明メーカーが担当します。
流れとしては以下のような感じが一般的でしょうか。
・設計者が意匠図や要望やイメージを照明メーカー担当者に伝える
・自社の商品から要望や必要な明るさを確保できるプランが提案される
・平面図に選定器具をコラージュさせたプレゼンテーション図で提案される
照明知識のある方に無料で相談でき、何度も提案を受けられることは大きなメリットと言えるでしょう。

多くの場合、照明メーカーによるコンサルティングで満足いく計画が立てられますが、照明に強いこだわりがある方や特定のデザイナーに依頼したい場合は、照明デザイナーに照明計画を依頼する方法もあります。

照明デザイナーに依頼するメリットとデメリットは以下の通りです。
・光のレイアウト図やイメージパースなど多くのイメージ図で提案される
・照明器具は複数の照明メーカーから選ばれる
・オーダーメイドの器具や納まりの提案も依頼できる
・デザイン、コンサルティング料が必要になる

リビング・ダイニング・キッチンの照明計画ポイント

以下では、照明計画のポイントについて、図を交えて説明します。

■リビング
リビングは団らんの場として人が集まる場所。ということは、数多くの人が集まり、いろいろな動作が行われる空間でもあります。ダイニングも兼用したリビング・ダイニングとしての空間なら、より配慮が必要です。

[リビングの照明計画ポイント]
・中心になる照明を最初に決め、必要に応じて補助的な照明器具を配置する
・固定の照明は少なくし、スタンドやインテリアダクトを使うものなど増減できる照明を活用する
・シーンに応じた照明の切り替えができるように回路を分けておく
・調光スイッチやライトコントローラーを活用する
・ソファやテレビの配置を事前に想定したうえで照明計画を立てる


■ダイニング
ダイニングもリビングと同じく、人が集まりさまざまな作業が行われる場所です。

[ダイニングの照明計画ポイント]
・食べ物や人の顔がきれいに見える、演色性の高い照明を採用する
・ダイニングテーブルの位置にペンダントライトやスポットライトなどの局所照明を活用する
・ダイニングテーブルの位置を計画段階で想定しておく


■キッチン
料理など細かい作業が行われる場所ですので、もっとも明るさが求められる場所です。

[キッチンの照明計画ポイント]
・食材や食器の色がよく見える、演色性の高い照明を採用する
・手元を照らす作業灯を設置する
・LDKの場合は、各照明の色と雰囲気を揃える


LDKのような連続した空間の照明ポイントを、以下にまとめました。

寝室の照明計画ポイント

休息の場である寝室は、落ち着いた雰囲気づくりが大切。
だけど、しっかり休んだ翌朝にはスッキリと目覚めたいですよね。

[寝室の照明計画ポイント]
・光源が直接目に入らないよう、間接照明やブラケットライトを活用する
・夜間の移動用に、足元灯の導入も検討する
・手元スイッチや調光スイッチを検討する
・ベッドや家具の位置を計画段階で想定しておく

子供部屋、個室、書斎の照明計画ポイント

使い方によって家具配置が変わりやすい部屋なので、変化に対応できる照明計画を立てましょう。

[子供部屋、個室、書斎の照明計画ポイント]
・部屋全体を照らせるシーリングライトなどを活用する
・作業を行う机周りなどには、手元灯やスタンドライトを導入する
・パソコンの使用が想定される場合、照明配置位置に画面反射を考慮する
・就寝や作業など、シーンによって光の色を切り替えられる照明器具を活用する

収納・洗面・トイレ・廊下・階段の照明計画ポイント

■収納
ウォークインクローゼットや奥行きの深い収納などは、内部をくまなく確認できる照明を取り付けることで有効に使えます。

[収納の照明計画ポイント]
・部屋の中央にクローゼット全体を照らせる照明を設置する
・棚の奥行きがある場合、棚の下部分を確認できるよう各棚の裏に照明を設置する
・センサーライトを活用する


■洗面室
洗濯や脱衣室と兼用されることが多く化粧なども行う洗面室は、鏡の位置が重要です。

[洗面室の照明計画ポイント]
・鏡に向き合った際に顔の陰影が強くならないよう、照明の配置に注意する
・洗面ボウルを上部から照らす形の照明位置だと洗濯の予洗い時に便利。陶器の反射による部屋の雰囲気のグレードアップにも繋がる


■トイレ
近年、落ち着く空間づくりが推奨されているトイレですが、健康管理の場でもあります。

[トイレの照明計画ポイント]
・人感センサーライトを活用する
・排泄物の色を正しく確認できる照明色を選ぶ
・部屋全体を十分に照らせる照明を設置する
・手洗い器やカウンターを設ける場合は局所照明も検討する


■廊下・階段
部屋と部屋をつなぐ廊下や階段では、部屋と連続性のある照明選びを行いましょう。

[廊下・階段の照明計画ポイント]
・人感センサー付照明を活用する
・2方向から照明の操作ができる3路スイッチを採用する
・カウンターや本棚、展示スペースなどを設ける場合は局所照明も検討する
・ブラケットライトやダウンライトを活用し、スッキリとした空間づくりを心がける
・階段では足元灯を活用する

玄関・アプローチの照明計画ポイント

■玄関
人を迎え入れる場である玄関は、家の顔とも言える空間。特に気合いを入れて照明演出を行いたいですね。段差を安全に認識できる配慮も必要です。

[玄関の照明計画ポイント]
・上り框部分にメイン照明を設置し、段差、訪問者の顔、迎える人の顔が見えやすくする
・玄関収納の下部や、框下部、正面の壁などに間接照明などを設置すると華やかな空間作りが可能
・電球色を採用すると、あたたかみのある雰囲気を演出できる
・消し忘れ防止や帰宅時に手がふさがっているときに役立つセンサーライトを活用する
■アプローチ、外部
家の印象に大きく影響を与えるアプローチや外部の照明。
雰囲気の演出はもちろん、防犯性にも考慮して計画を立てましょう。

[アプローチの照明計画ポイント]
・防湿型、防雨型を採用する
・軒がある場合はダウンライトを設置する
・軒がない場合はブラケットライトを扉の開き側に設置する
・床埋め込み型のアッパーライトやスポットライトで外壁を照らすと雰囲気が高まる
・明暗センサー、人感センサー、時間センサー付ライトを活用する
・死角部分を防犯ライトで照らす
・門からアプローチまで安全に移動できる照明計画を行う
照明にこだわると日々の動作や家具の配置について改めて考えることができ、暮らしやすい家により近付きます。毎日の暮らしになくてはならない照明、ぜひこだわって計画してくださいね。
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この記事を書いた人

佐藤ゆうかさん

2級建築士。
工業高校卒業後、中小規模の建設会社に勤務。
木造住宅を中心に新築やリフォームの設計に携る。
現在は3児の育児を中心に在宅ワークに励み、いつか現役復帰を夢見ながら建設業界にしがみつく日々。

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