カフェ開業を決意してからはひたすら貯金の日々。やがてある程度のメドが立ち、さあいよいよ物件探し!もりもり探すぞー!!となるわけですが、実は一軒しか内見せずに即決定(笑)。昔から勢いだけはある方なんです。
まずは物件探し
私はずっと、「表現する何者か」になりたい人でした……と書くと、なにやら意識の高いスマートな人物像を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。実際はとてもアバウトでおおらか。私という人間は、この二つにつきます。
大学卒業後、OLをしながらずっと「表現」の形を探し求めてきた結果、たどり着いたのが「カフェ」でした。
木造で築50年は優に超している物件。広さは10坪。古びた小さなドアを開けると、まずはコンクリートの土間があり、奥にキッチン付きの和室の小上がりがあって、土間と小上がりの間には押入れと和式トイレ。一番奥は懐かしい感じの木枠のガラス窓があり、その向こうは塀があります。窓と塀の間は囲ってあり、雨風が入ってこないようになっています。こんな感じの間取りです。
その間取りをずっと眺めていたら、急にカフェの姿が浮かび上がってきました。
「手前はキッチンとカウンター、テーブル席、コンクリ床」「奥はソファ席、枕木床」「一番奥のガラス窓の向こうは倉庫として使えば客席がひろがる」「じゃぁ押入れはぶち抜いて客席にできそう!」
……こうして、なんとたった1軒の内見を経て、現在の場所に決めたのでした。
大改装、開始!
自分の中にイメージはあったものの、完全にただのカフェ好きの素人だった私。
予算にも限りがあります。
物件を取得するのにも結構使ってしまったし、家具や食器、家電など必要なものはたくさん。当面の運転資金
のことも考えると、OL生活でコツコツ貯めてきた貯金、大切に使わなければなりません。
そこで、不動産屋さんに紹介してもらった一人の大工さんにお願いすることに。とっても低予算だったのですが、いろいろとリサイクルの部品を使ったりしてもらい、なんとか形にすることができました。
できるだけ低予算で改装するために「そのまま残す」ということはとても大切なことです。
私の場合は奥のガラス窓と柱、入り口のガラス窓を残しました。
昔のガラスは「ゆらぎ」のおかげで景色がとてもフォトジェニックに映ります。
もう一つ大きな特徴は、「床が本物ではない」ことです。
先ほども書いたように、私の床イメージは、「手前がコンクリ、奥が枕木」でした。
しかし大変に困ったことが発生。こちらの物件は、手前のコンクリートの土間部分が緩い傾斜になっていたのです。管理会社に聞くと、水はけを良くするためだとか。今までいろいろな店舗になってきたようですが、確か焼き鳥屋さん?の時にそのようにしたとのことでした。
そこで高さを揃えるために致し方なく、組み木を組んで手前の床を底上げすることに。となると必然的にコンクリート打ちっ放しは厳しい。大工さんのアドバイスを受け、フェイクのシートを貼ることにしました。グレーの木目なので「コンクリ感」はありませんが、狙った感じの無機質なイメージは出せたかなと思っています。実際にはこんな感じになりました。
お店はもちろん靴のままお入りいただけるのですが、時々、お子さんが靴を脱いで揃えてしまったりして、とっても可愛らしいんです!それだけ、家の玄関っぽいんでしょうね。今では逆に、このような作りだからこそ「おうち感覚」で親しんでもらえる一つにポイントにもなったのかなと思っています。
ちなみに「奥のスペースに枕木を敷く」計画も頓挫しました(笑)。しかしめげない!結局どうしたかは、次回あらためてご紹介しますね。