今回は「集中力と勉強」という観点から、家づくりのコツについて考えていきます。大人だって集中力を持続させるのはたいへん。ましてや子どもが勉強に集中するためには、部屋・間取りの工夫が手助けになるかもしれません。どんなプランがよいのか、ご紹介します。
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どうして集中力は続かないの?
リビング学習のすすめ
リビング学習しやすい家づくり
どうして集中力は続かないの?
今回は「集中力と勉強」という観点から、このテーマについて考えていきます。というのも、勉強するうえでは集中力は不可欠。集中できずにボーッとしたまま進めても、なかなか頭に入ってきませんよね。
ポイントは3つです。
(1)集中力は長時間持たない。
大人だって、そんなに長い時間集中できません。ましてや好奇心旺盛な子どもなら尚更。ちょっとしたことでフォーカスが外れるのは仕方のないことです。
(2)一人きりだとつい遊んでしまう。
誰しも経験あることだと思いますが、何かやろうと思ってもついつい楽なほうへ行ってしまうのが人間です。自分の部屋にこもっていざ勉強しようと思っても、漫画を読んだりテレビを見たりとなかなか集中することができません。
(3)無音効果。- 静かすぎても集中できない。
集中するためには静かなほうが良いと思われがちですが、静かすぎる環境では集中しづらいという研究結果があります。「無音効果」と呼ばれるものですが、多少の雑音があったほうが人は集中できるようです。
誰もがそうではないでしょうが、静かな図書館よりもカフェのほうが勉強できる、仕事できるという人は案外多いですよね。
リビング学習のすすめ
以上の観点から、お子さんに(とりわけ小さいお子さん)集中を期待すること、静かな勉強部屋を与え学習を期待することは得策ではありません。
そこでおすすめなのが、親子がともに過ごすリビングで行う「リビング学習」です。実際、頭の良い子を対象にしたアンケートでは、小さい頃にリビングで勉強していた子が多かったという調査結果もあるようです。
集中力という観点から言えば
・適度に人の目があり集中しやすい
・適度に雑音があり集中しやすい
・飽きても、ちょっと話をしたり息抜きをしてまた立ち戻れる
さらに、感情的な側面でも快楽と結びつきます。
・親が近くにいるという安心感
・親が気にかけてくれているという喜び
・親にがんばりを見せられるという喜び
・うまくいったときに褒められるという喜び
心が落ち着かない状態より、安心感や喜びに包まれているほうが集中力は当然高くなります。わからないことがあったらすぐに相談できるという現実的なメリットもありますね。
リビング学習しやすい家づくり
料理をしながらでも子どもの様子を見られる、話ができるという点では、たとえば対面キッチンやアイランドキッチンはピッタシです。
ダイニングテーブルの一角に「勉強コーナー」を作ったり、ダイニングテーブルとは別に小さくても良いから「勉強テーブル」を置いておけば、生活の中で自然と勉強に移行しやすくなります。
リビングにホワイトボードや黒板があれば、一緒に宿題や勉強をする、教えるということもしやすいですね。
中高生になれば、子どもは自然と部屋にこもる時間が増えていきます。リビング学習も卒業してしまうかもしれません。それはそれで自立であるという反面、部屋に閉じこもって出てこない、いわゆる密室化、個室化の問題があります。
親としては何を考えているのかわからない、何をしているのかわからない、話ができない、と心配してしまうかもしれません。
小さな頃から親子で「学ぶ」という習慣を作る、そして、なによりコミュニケーションを大切にする。「コミュニケーションが生まれる空間づくり」、「勉強のしやすいリビング」という視点、ぜひあなたの家づくりにも取り入れてみていただければと思います。