2022/03/17更新0like6246view

著者:岩間光佐子

開き戸?引き戸?玄関扉の種類と特徴&選び方のコツ

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

玄関扉は住まいの印象を決めるポイントのひとつ。デザインや素材の選び方によって外観のイメージも大きく変わるものです。最近では、多様なバリエーションの玄関扉が揃っています。ここでは、その種類と特徴、選び方のポイントをまとました。

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住まいの印象を左右する玄関扉。開き戸と引き戸がある

住まいの印象を左右するのが玄関まわり。プランニングやデザイン、取り入れるアイテムによって外観のイメージは大きく変わります。特に玄関扉は雰囲気を決めるポイントのひとつでしょう。

どのような玄関扉を選ぶかは、敷地条件や使い勝手、外観デザインやエクステリア全体のデザインイメージなど、さまざまな面から検討することが大切です。オリジナルの扉を造作することもありますが、バリエーションの豊富な建材商品から選択するケースが多いでしょう。

玄関扉は、開閉のスタイルによって、開き戸(ドア)と引き戸に分けることができます。以前は、開き戸は洋風、引き戸は和風、というイメージがありましたが、最近では、引き戸タイプはスライディングドアやスライドドアなどとも呼ばれ、商品バリエーションも増えてきています。

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開き戸(ドア)の種類と特徴

開き戸(ドア)は、左右どちらかを軸として開閉する扉。なじみのある、いわゆる玄関ドアです。建材商品としては、デザインや価格のバリエーションが豊富に揃い、条件に合わせて多様な商品から選ぶことができるでしょう。

開き戸の玄関扉としては、片開き戸、袖付き開き戸、両開き戸などに分けることができます。

新築やリフォームの際に多く取り入れられているのが片開き戸。オーソドックスな1枚のドアスタイルです。片開き戸に袖(小さな扉)が組み合わされたものが袖付き開き戸。袖が片側にあるタイプ、両サイドにあるタイプもあります。光を取り入れ開放感を得るために袖部分にガラスを用いたデザインなどもみられます。

また、片開き戸(親扉)と必要に応じて開閉できる袖部分(子扉)が組み合わされたタイプは親子ドアと呼ばれています。親扉と子扉の両方が開くので、広い開口部が確保できるのが特徴。引越時など大きな荷物のある場合は便利です。

その他、両開き戸(ドア)は、2枚の片開き戸が開閉するタイプ。開閉に広めのスペースが必要ですが、グレード感のある玄関が生まれるでしょう。

引き戸の種類と特徴

引き戸は、扉を横にスライドさせて開閉するタイプ。前後に扉を開閉させるスペースが必要ないのが特徴。狭小敷地であったり、玄関前がすぐに門扉やカースペース、また前面道路という場合でも取り入れやすいスタイルです。限られた空間でも広い開口部を得られること、開け放しておいても扉が邪魔にならないこと、などがメリットです。

引き戸の玄関扉としては、片引き戸、引き違い戸、両引込み戸などがあります。

最近の玄関引き戸として多く用いられているのは片引き戸。1枚の戸を左右どちらかに滑らせて開閉するスタイルです。開き戸と同様に、片袖部分にガラスなどを組み合わせ、光を玄関内に取り入れることが可能なタイプもあります。また、複数枚(2枚・3枚)の戸が連動して開閉する商品もみられます。広めの開口部を確保できるので、ベビーカーや車椅子でも利用しやすいでしょう。

その他、2枚の引き戸を左右にどちらでも、移動させ開閉することができるのが引き違い戸。昔からの日本の住まいにも用いられていたタイプです。両引込み扉は、左右の壁側に引き込んでしまうタイプ。広い開口部を得ることできるスタイルです。

素材は金属製が主流。通風可能なデザインも人気

玄関扉は、扉本体と枠(外枠)、取っ手(把手)やクローザー(ドア上部に設置されている、自動的にゆっくり閉める装置)、鍵(キーシステム)などで構成されています。オリジナルで造作する場合は、扉本体や取っ手、鍵などをそれぞれ選び組み合わせることになります。建材商品の場合は、商品(シリーズ)ごとに設定されている中から、好みや予算に合わせて選ぶことになるでしょう。

玄関扉の本体の主な素材には、金属製(鋼板、アルミ形材、ステンレスなど)や木製(米松、ナラ、チークなど)があります。多くは、コア材として断熱材などをはさんだ多層構造となっています。金属製は、耐久性・耐候性に優れ、メンテナンスも楽。デザインバリエーションも豊富に揃い、最近では、リアルな木目を再現したナチュラルなタイプも注目されています。木製の魅力は何といっても、その自然の素材感。国産の製品だけでなく輸入品にも多くみられます。ある程度、メンテナンスの手間がかかりますが、根強い人気があります。

取っ手(把手)は、開き戸の場合、開閉動作が楽に行えるレバーハンドルやバーハンドルが主流。引き戸の場合はバーハンドルが一般的でしょう。シンプルな直線的なデザイン、曲線を用いたエレガントな雰囲気のものなど多様なデザインが揃っています。建材商品の場合は、ハンドル部分にキーシステムを組み込んだデザインが増えてきています。

最近の人気のデザインは、通風や採光が可能なタイプです。明るさを確保するために、ガラス部分を設けたり、扉本体に開閉可能な小窓やスリット窓を設け、風が通り抜け、換気が可能なタイプなども注目されています。湿気が溜まりやすい場合や暗くなりがちな北向きの玄関の場合、採光通風が図れるタイプを取り入れることで、空気が淀むことなく明るい空間が生まれるでしょう。

断熱扉、防火扉など、知っておきたい玄関扉の性能

住まいの断熱性能を高め無駄なエネルギーを使用せず、快適な室内環境を保つためには、開口部に断熱材を用いることが大切です。窓だけでなく、玄関扉にも各メーカーから断熱タイプの玄関扉(断熱扉)が豊富に揃っています。

断熱扉とは、本体内部に断熱材を充填したり、枠に断熱樹脂や気密材を用いるなどして、冷気や暖気の侵入や流出を抑える工夫を施した扉のこと。通常の玄関扉よりも厚みがあります。構造によって断熱性能は異なるので、地域条件に適したタイプを選ぶことが基本です。

その他、建築基準法で指定された防火・準防火地域では、延焼の恐れのある開口部に防火戸の使用を義務付けられています。最近では、適する性能を持つ建材商品も揃ってきており、開き戸はもちろん引き戸タイプもあります。敷地条件を確認し基準に合った商品を選ぶようにしましょう。

ショールームで操作して選ぶ。短工期でリフォーム可能な商品も充実

玄関扉を選ぶ際には、カタログだけでなくショールームで実際に色味や素材感を確認したいもの。また、意外に重さがあるので、日々の動きをイメージしながら実際に開閉するなどして確認するようにしましょう。最新のキーシステムなども実際に操作し、家族みんなが使いやすいか確認することも大切です。

また、最近では、簡単な工事で取り換え可能なメーカー商品も充実してきており、商品によっては1日の工事で取り換えができるタイプもあります。開き戸だけでなく引き戸タイプも揃っていますし、条件にもよりますが、開き戸を引き戸に変更することも可能な商品もみられます。

玄関扉は、日々家族みんなが使用する重要な建材のひとつです。デザイン性や性能、使い勝手など、トータルに検討し選ぶようにしたいものです。

合同会社きど設計「丘の上の家」
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岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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