2023/04/27更新1like1771view

著者:下川 尚子

コンセントの数・配置決めで考えたことと、住んで感じた後悔ポイント

この記事を書いた人

下川 尚子さん

横浜在住のフリーライター。2011年に第一子の出産を機に独立、現在は企画・編集・執筆などWEBコンテンツの制作に幅広く携わる。2021年、28坪の注文住宅を建築。子育て世帯ならではの「家事ラクな家」を目指して家づくりを実践。趣味はお家系インスタ徘徊。家族は夫と子ども2人。

注文住宅の家づくりでは、コンセントの数や一つひとつの位置にまでこだわって指定することができます。でも、間取りや仕様の決定で忙しい中、ついついおろそかになりがちな方も多いのではないでしょうか。

コンセントの配置や数は、毎日の生活のしやすさに直結する部分。地味ですが、家づくり初心者でもイメトレをしつつ考えることでいくらでも工夫ができます。家づくりを終えて住んでみた経験から、考えておきたいポイントを紹介します!

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

よく使う電化製品の充電場所と定位置を確保する

まずやっておきたいのは、よく使う電化製品を書き出して、充電場所、定位置を決めること!「定位置」となる場所を確保したうえで、少し余裕をもってコンセントをつくっておくと、いざ住んでみて「コンセント足りない!」という事態を防げて安心です。

リビングの一角のコンセントはコードレス掃除機用に(本人撮影)

リビングの一角のコンセントはコードレス掃除機用に(本人撮影)

充電が必要な電化製品の一例としては、以下のようなものがあります。

・電動自転車のバッテリー
・コードレス掃除機、ロボット掃除機
・携帯電話、タブレット
・電動歯ブラシ
・シェーバー

充電ではなく、電子レンジや空気清浄機など、「定位置」でいつも使う電化製品もあるでしょう。いつもそこに差さっているものには何があって、余剰でどれくらいの口数があるとOKか、じっくり考えてみてくださいね。

これは私たちもやってみたのですが、「意外と多いな……!」と思った記憶があります。

毎日使う電化製品はスムーズに使えるか考える

毎日使う電化製品がスムーズに使えるか、動線的に問題がないか考えるのも大切。これは先に紹介したように「充電が必要な電化製品」との兼ね合いも考えて、その場所で同時に使うもののコンセント数が足りているかチェックしてみるといいと思います。

たとえば、ドライヤーを使うたびに、電動歯ブラシの充電器を抜いて、差し替えて……という風になってしまうと、とっても面倒。十分な数を確保しておくと、ストレスなく使えます。

階段はコンセントの付け替えなしでコードが届くように!(本人撮影)

階段はコンセントの付け替えなしでコードが届くように!(本人撮影)

また、階段に掃除機をかけるときに、掃除機のコードが上から下まで届く位置にコンセントがあるか?も見ておきたいポイント。我が家はコードレス掃除機なので問題ないのですが、家を建てるときに数人の友人からアドバイスを受けたので、おそらく代表的な注意ポイントなのではと推察しています。

キッチンまわりは余裕をもたせる

家のなかで「電化製品を使うことが多い場所」は特に重点的にチェックをしておくのがおすすめです。

例えば、キッチンまわり。今は足りていても、ホームベーカリー、コーヒーメーカーなど、「レギュラー家電」が今後増える可能性もあるため、余裕をもってコンセントをつくるのがおすすめです。キッチン、カップボード、パントリー、それぞれで置くもの・使うものがあり、各所で考える必要があります。

コンセントの高さも重要なポイント(本人撮影)

コンセントの高さも重要なポイント(本人撮影)

小ワザとしては、コンセントの高さにもぜひ注目してみてください! 上の写真は我が家のものですが、当初、コンセントの位置は「下端がカップボードから10cm」となっていたのを、4cmに変更しました。10cmの場合、炊飯器やケトルの上に微妙にコンセントが見えてしまいます。「隠したいコードやコンセントがうまく隠れるか?」にも注目してみると、見た目のスッキリ感も担保できると思います。

PCやテレビまわりも余裕をもたせる

キッチンと同様に、PC作業をするスペースやテレビまわりもコンセントが不足しがち&コードだらけになりがちな場所なので、重点的に考えてみるのがおすすめです。最近ではリモートワークやオンライン学習も定着しつつあるので、数・場所ともにじっくり検討を!

配線が乱雑になりがちなデスクまわり居室の一角に設ける場合は特に注意(本人撮影)

配線が乱雑になりがちなデスクまわり居室の一角に設ける場合は特に注意(本人撮影)

我が家の場合、私のPC作業スペースは一階のカウンター、夫の作業スペースは二階のミニ書斎。コンセントはかなり余裕を持ってつくったつもりですが、個人携帯と会社の携帯、持ち運び用の充電器、イヤフォン、PC、タブレット……と充電するものは多く、意外とギリギリです。

また、私の作業スペースはリビングからも見える場所ですが、コード類がわりと目立ってしまうのがちょっと後悔ポイント。「位置を工夫し、目隠しを設けても良かったかな?」と思っています。

ソファまわり、ベッドまわりは何かとコンセントを使うことが多い

長く時間を過ごす場所では、何かと電源が必要になるもの。例えば、ソファまわり、ベッドまわりは、サイドテーブルを置くかどうか、高さは適切かも合わせて考えておくと良いでしょう。

意外と盲点なのが、せっかく設置しても家具で隠れてしまい、使えなくなる場合があること! チェストやソファ、テレビ台、ベッドなどの位置は、なるべく詳細にイメトレしておくに越したことはありません。その上で高さや位置をしっかり考えておくと、使い勝手の良いコンセントが作れると思います。

家具の置き場所、大きさによってコンセントが使えなくなることも(本人撮影)

家具の置き場所、大きさによってコンセントが使えなくなることも(本人撮影)

ちなみにこちら、我が家のソファ。この裏でコンセントがひとつ使えなくなっており、ちょっぴり後悔ポイントです……。

ダイニングにもコンセントがあると便利

ダイニングテーブルも、ホットプレートやIH調理器具、携帯の充電など何かとコンセントが欲しくなるところ。ダイニングでスムーズに使いやすいのはどこの位置か、動くときにコードがひっかからないのはどこか、考えてみてください。

ダイニングは、足元の壁にコンセントをつくりました(本人撮影)

ダイニングは、足元の壁にコンセントをつくりました(本人撮影)

足元の壁につくる、床に埋め込み式のコンセントをつくる、テーブルの高さにそろえてつくるなど、いくつか方法があります。

子ども部屋は家具の配置を考えておく

子ども部屋は、将来置く家具が想像しやすい部屋。具体的には、ベッドと机を置くかどうか、置くならどこにするかを家づくりの段階で決めておくのがおすすめ。2パターンほど配置を考えて、どちらになっても大丈夫、としておくと安心だと思います。

下の写真は我が家の子ども部屋ですが、「あれ?なんでコンセントこうなんだっけ?」と思ったのが正直なところ(笑)。適当に決めてしまっていたのですが、コードの存在感が……!

狭い空間はコンセントの配置によってレイアウトの自由度がなくなるので要注意(本人撮影)

狭い空間はコンセントの配置によってレイアウトの自由度がなくなるので要注意(本人撮影)

携帯、学校のタブレット、自宅のタブレット、デスクのライト、ベッドのライトなど、小学生でもわりとコンセントを使います。子ども部屋は「なんとなく」決めてしまいがちなので(我が家だけ?)、ぜひもう一歩、しっかり考えてみてください。

インターネット機器のコンセントは収納の中がおすすめ

インターネット機器は、その機材もコードの存在感も気になるもの。これらは、コンセントごと収納の中に置き場所を作ってしまうのがおすすめです。

我が家のインターネット機器類とコンセントは、寝室のクローゼットが定位置です(本人撮影)

我が家のインターネット機器類とコンセントは、寝室のクローゼットが定位置です(本人撮影)

我が家は寝室のクローゼットの中につくったのですが、問題なく家じゅうでWi-Fiが利用できます(広いお宅だと、場所によっては中継器などが必要かもしれません)。

インターネット機器に限らず、電化製品はどうしても生活感が出がちなアイテム。収納の中に収めるのは部屋をスッキリきれいに保つには有効な方法で、おすすめです。

エアコンのコンセントは目立たない天井付けがおすすめ

コンセントは口数や配置なども大事ですが、「見た目」にこだわりたい場所もあります。たとえば、エアコンのコンセントは高い位置にあり、どうしても視線が行きやすい場所。我が家の場合、このエアコンのコンセントは設計士さんの提案で、天井付けにしてもらいました。

コードもスッキリ。天井に設置したエアコン用のコンセント(本人撮影)

コードもスッキリ。天井に設置したエアコン用のコンセント(本人撮影)

見る角度によってはエアコンに遮られる位置で、コードもあまり見えずにスッキリ。ぐっと目立たなくなったのがうれしいところで、おすすめの付け方です。

アクセントクロスとコンセントの相性を考える

コンセントの「見た目」を考えるうえで、押さえておきたいのがアクセントクロスの存在。白いクロスに白いコンセントはあまり目立ちませんが、アクセントクロスの面にコンセントが来ると、うまく色を合わせない限りどうしても目立ってしまいます。

コンセントのデザインもいろいろ。インテリアや空間に馴染むコンセント選びを(本人撮影)

コンセントのデザインもいろいろ。インテリアや空間に馴染むコンセント選びを(本人撮影)

特にアクセントクロス面にコンセントをつくる場合は、高さ、位置などよく確認しておくのがおすすめです。

コンセントのシミュレーションは「すればするほどいい」

家を建ててみて思うのは、コンセントをどこにつくるか、何をどこで充電し、どうやって使うか……といったシミュレーションは「すればするほどいい」ということ。

というのも、コンセントは、家づくり初心者でもじっくり考えることで最適な配置が見えやすいものだから。持っている電化製品、引越しを機に導入したい家電などを一覧にして、ひとつひとつ考えてみるのがおすすめです。

コンセントをひとつ増やすのは、建てる前なら数千円ほど。でも、建てた後に追加するのは電気工事を伴うため、簡単ではありません。個人的には「建てるときにどうするか迷ったら設置しておく」という感覚でもいいかな、と思います!

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横浜在住のフリーライター。2011年に第一子の出産を機に独立、現在は企画・編集・執筆などWEBコンテンツの制作に幅広く携わる。2021年、28坪の注文住宅を建築。子育て世帯ならではの「家事ラクな家」を目指して家づくりを実践。趣味はお家系インスタ徘徊。家族は夫と子ども2人。

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