建材マニアのSUVACOアドバイザーによる訪問レポート。タイルの産地、常滑にあるINAXライブミュージアムに行ってきました!
▽ 目次 (クリックでスクロールします)
タイル産地、愛知県常滑市
世界最古のタイルも見られる【世界のタイル博物館】
あの建物もこの建物も!?外壁タイルの世界
泥だんごづくりやタイルの絵付け、モザイクアートも体験できる!
現在の企画展は…「つくるガウディ」展!!!
タイル産地、愛知県常滑市
愛知県常滑市は、約千年前から焼き物の産地。明治維新以降は下水道に使われた土管や、帝国ホテルのテラコッタ・タイルなど建築に関わる焼き物をたくさん生産してきました。
そんな産地にあるのがINAXライブミュージアム。INAXは現在LIXIL(リクシル)という会社に統合されていますが、トイレ・タイルなどの建築陶器を作っていた有名な建材メーカーです。INAXライブミュージアムは、かつて土管やタイルを焼いていた窯や、世界のタイル博物館・資料館・ものづくり工房など…焼き物や陶芸体験を通してものづくりの心を伝えるいろいろな施設があり、家族で楽しむことができる施設です。
世界最古のタイルも見られる【世界のタイル博物館】
皆さん、世界で一番古いタイルはどこの国のどんなタイルかご存知でしょうか…?
答えは、エジプトのピラミッドの中!
王様の魂が通るといわれる扉に、生命の色を表すブルーのタイルが貼られたのが始まりだそうです。
写真は竣工当時が再現された展示。吸い込まれるような青が神秘的なタイルです。
世界のタイル博物館には、約1000点を超える貴重なタイル・コレクションが展示されています。100年以上も昔に作られたものとは思えない程、今でも人気が出そうな素敵なデザインのタイルも。
あの建物もこの建物も!?外壁タイルの世界
ミュージアム内には、新宿NSビル、目黒雅叙園、神戸税関、名古屋の日本生命笹島ビル、鹿児島県庁などのタイルを焼いたトンネル窯も移築されています。
タイルを焼成するときは、この窯の長いトンネルの中を台車に載せて1分間に数センチずつゆっくりと進めていくそうです。稼働時は約1200℃になる窯の内部を見学することができます。
彫刻のような厚みを持った素焼きの外壁材も、タイルの一種。これらは建築陶器といわれ、第二次世界大戦前の百貨店建築などで見られます。INAXライブミュージアムでは建築陶器の保存や展示も行っています。
写真左は横浜松坂屋本館、右は千代田区にあった朝日生命館の建築陶器。一部でも建物の威厳や風格を感じられる凝ったものです。職人がひとつひとつ造り、焼かれたものだそう。建築陶器で装飾をされた建物は今でも街並みに彩りを与える存在ですよね。
泥だんごづくりやタイルの絵付け、モザイクアートも体験できる!
ミュージアムで一番人気のイベントは、光る泥だんごづくり。この日も満員!
こちらが完成した光る泥だんご。掌や瓶などでコロコロと磨いていくだけでこんなに綺麗な球ができるそう。まるで宝石みたいに光っています。定期的に磨けば光り続けてくれるそうです、すごい!
工房では、モザイクタイルを使ったアートパネルづくりなども体験することができます。鍋敷きや鏡、ウェルカムボードなど素敵な作品がたくさんありました。お子さんと遊びに来てもめいっぱい楽しめますね!
現在の企画展は…「つくるガウディ」展!!!
ライブミュージアムには企画展もあります。現在催されているのは、「つくるガウディ」展。
スペインに居を置き約40年ガウディ建築を実測、手書きで図面制作をしてきた日本人、田中裕也さんの図面の展示は、気の遠くなるような実測の様子と細かい描写に驚かされます。
大きな見どころは、ガウディの未完の建築「コロニア・グエル」から着想を得て建築家が設計、左官職人とタイル職人がで会期中に作っていく公開制作です。見学に行った際は、天井部分にこの企画のためにオリジナルでつくられたタイルを貼っているところでした。
案内してくださったミュージアム館長の住宮さんと、内沢さん。企画の際にはガウディに関する文献を数多く読み、企画を練っていったそうです。ガウディを「つくる」視点から紐解いた新しい展示、完成がとても楽しみです!
ガウディの企画展は2017年3月31日まで、完成した公開制作の作品は4月15日~5月30日で展示される予定だそう。泥だんごづくりや体験も合わせてぜひご家族で足を運んでみてくださいね!