家づくりに役立つメールマガジンが届いたり、アイデア集めや依頼先の検討に役立つ機能や情報が満載!
アカウントをお持ちの場合
2023/07/19更新|1like|1032view
リフォームやリノベーションを視野に入れて中古物件を探す際、物件購入の判断を左右する鍵となるのが建物自体のコンディションの把握です。そこで頼りになる手段がインスペクション(建物の現況調査)ですが、仕組みや検査内容、検査後の評価など、買い手の立場からは分かりにくい面が多く、はじめの一歩を妨げる要因にもなりかねません。
そこでこの記事では、基礎的なインスペクションの流れや、ケース別の具体的な活用方法について、SUVACOアドバイザーである会田のワンポイントと合わせて解説していきます。
Q. 建物の「インスペクション」とは何ですか?
Q. 中古物件購入時のインスペクションにはどのようなものがありますか?
Q. 物件購入前の調査は可能ですか?
Q. 具体的にはどのような調査を行うのですか?
Q. 目視調査だけでは、購入後に瑕疵が見つかりそうで不安です。
Q. 既存住宅状況調査と住宅診断など他のサービスとの違いがよく分かりません。
Q.耐震診断や性能向上診断もインスペクションですか?
Q.購入希望の物件に、どこまでのインスペクションが必要なのか分かりません。
Q.リノベーション前提なので、物件購入後に詳細な調査をまとめて行ったほうが効率的では?
インスペクションとは、「検査」「調査」「視察」などの意味をもち、建物の施工や劣化の現況調査全般を指す言葉です。
・新築完了時や入居後のメンテナンス
・中古物件の売買時
・リフォーム・リノベーション実施時
など、戸建て・マンション問わず建物のコンディションの把握が必要なタイミングで行われます。
はじめに候補にあがる最もベーシックな建物調査が「既存住宅状況調査」です。これは、宅建業者によるあっせん説明が義務づけられている調査で、中古物件市場の健全な環境整備を目指す国の政策の一環として、改正宅地建物取引業法(※1)で定められています。
調査は、国土交通省の定める「既存住宅状況調査技術者講習」を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)が「既存住宅状況調査方法基準」に基づいて行います。
会田(あいた)
可能です。売り手側でインスペクションを行なっていない物件の購入を検討する場合には、買い手側で実施を依頼することが望ましいです。ただ、調査の実施そのものが義務づけられているわけではないので、買い手が調査を希望した場合でも、売り手の承諾がないと調査を実施することができないなど障壁もあります。
また、マンションなどの共同住宅での調査を実施する場合は、共用部分も調査の対象となるため、あらかじめ管理組合の了承を得る必要があります。
会田(あいた)
既存住宅状況調査では、基礎や外壁など「建物の構造耐力上主要な部分」と、屋根や外壁など「雨水の浸入を防止する部分」に生じているひび割れや欠損、雨漏りなどの著しい劣化事象の有無を調査します。
基本的には、非破壊と目視による検査で、所要時間は3時間程度、費用は5万円〜程度(オプションや面積に応じて)となります。
SUVACO作成
調査の結果、劣化状況がみられない(問題がある場合には必要な補修を行う)、耐震基準を満たしているなど所定の要件をクリアできれば、既存住宅売買瑕疵保険(※2)への加入が可能になります(※3)。これは、既存住宅状況調査の基準を、既存住宅売買瑕疵保険の現場検査の基準と同等のものとして定めているためです。
※2
既存住宅売買瑕疵保険とは、既存住宅を売買する際に加入することができる保険で、建物の引き渡し後に、保険対象部分(住宅の構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分)について瑕疵が発見された際、修補費用等が一定期間保証される仕組みです。
※3
保険の加入には、住宅瑕疵担保責任保険法人の登録を受けた検査事業者が建物状況調査を実施していることが条件になるため、建物状況調査を実施する際に、調査実施者として住宅瑕疵担保責任保険法人の登録を受けた検査事業者の検査人を指名することで、二重に検査をおこなう必要がなくなります。
インスペクションは、以下のようなイメージで段階が進んでいきます。劣化の現状把握を目的とする既存住宅状況調査(それを含むホームインスペクション)を一次的なインスペクションとすると、修繕を前提に不具合箇所を特定する耐震診断などが二次的なインスペクション。さらに省エネやバリアフリー化などを見据えた性能向上インスペクションへと、より広く詳細に調査内容が深まっていきます。
建物に応じたインスペクションの判断基準となるのが建築時期ですが、2000年を一つの目安に考えると整理がしやすいです。
住宅の品質保証条件の一つとして、新築時に完了検査を受け「検査済証」が交付されていることが挙げられます。この完了検査は、1999年以降より民間検査機関の活用による検査実施の厳格化が進み、以後、自治体での取り締まり強化、金融機関では検査済証取得を住宅ローン利用の条件とするなどの政策を経て、検査率が向上しています。
さらに、2000年4月施行のいわゆる『品確法』では、住宅の性能を客観的に評価する共通ルールがつくられます。このように、質の良い住宅ストックの形成に向けた政策が以後本格化します。
こうしたことから、完了検査を受けた2000年以降の住宅であれば、一定の品質が担保されているものをみなし、既存住宅状況調査などの一次インスペクションのみで概ね問題ないでしょう。
会田(あいた)
会田(あいた)
会田(あいた)
SUVACOは、自分らしい家づくり・リノベーションをしたいユーザーとそれを叶えるプロ(専門家)とが出会うプラットフォームです。
住宅事例をみる
リノベーション・注文住宅の事例を見たい方はこちら
家づくりの依頼先を探す
リノベーション会社や建築家、工務店など家づくりの専門家を探したい方はこちら
会員登録を行うと、家づくりに役立つメールマガジンが届いたり、アイデア集めや依頼先の検討にお気に入り・フォロー機能が使えるようになります。