2017/04/24更新0like11188view

著者:水沼 均

光が目に見える!光の塊ガラスブロックで壁や窓を作って、明るい住まいを楽しもう

この記事を書いた人

水沼 均さん

建築設計の学校で長年教師を務め、大勢の生徒さんと接してまいりました。年齢、経歴、そして住まいへの思いも大変多様で、他では得られない貴重な経験ができました。その経験を生かして、豊かな住まいづくりに役立つような記事をたくさん書いていきたいと思います。

ガラスブロックは魅力的な光を室内に導いてくれて、同時に断熱性や遮音性にも優れた素材です。ガラスブロックにはさまざまな用い方がありますが、まだまだ可能性をたくさん秘めた存在です。ぜひオリジナルな方法を用いて、ガラスブロックを使い倒しましょう!

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

ガラスブロックとはなにか?

ガラスブロックは文字通り、ガラスでできたブロックです。大きさは何種類かありますが、約20センチ×20センチの正方形で厚さ約10センチのものがもっとも普及しています。このブロックを積み上げるとガラスの壁を作ることができます。また壁の一部に穴を開けてガラスブロックをはめ込むと、そこから光が入ってくれます。

ブロックといっても中は空洞です。またガラスも透明なものばかりでなく、型ガラスや曇りガラス、色ガラスなども用意されています。

ガラスブロックを用いると、光が拡散されて屋内がとても明るくなります。また屋外からは透けて見えにくいので、プライバシーが保ちやすいという利点もあります。

ガラスブロックをさまざまに用いて、オリジナリティあふれた光の演出を楽しむことができます。それではどんな楽しい用い方があるか、例を見ていきましょう。

ものすごく明るい全面ガラスブロックの大壁面

下の写真は、なんと階段室の外壁全部をガラスブロックで作ってしまった例です。均質な光が部屋一面に差し込んで、中空に体が浮いているような不思議な感覚を覚えます。階段という縦の移動スペースに、ガラスブロックの光はよくマッチしますね!
前田 慎「家宅/K」

暗い場所でもちょっとのガラスブロックがあれば

ガラスブロックは小面積でも大変明るいので、暗い場所にほんの少しのガラスブロックを用いるだけでもとても効果があります。下の写真では階段室の段下にだけガラスブロックを用いて、足元を柔らかく照らし出しています。
また下の写真は、浴室に高窓のようにガラスブロックを設けた例です。わずか24個のガラスブロックが、浴室に明るさと開放感をもたらしてくれています。

ガラスブロックで光のピクチャーウィンドウを作ろう

外壁の一部をガラスブロックの壁にすると、そこだけが強く光って、まるで光の絵画を飾っているような楽しさが生まれてくれます。晴れた日と曇った日、朝と夕、夏と冬などで異なった多彩な表情の光をいつも眺めて楽しむことができます。
中辻正明「目黒区M邸」

ガラスブロックと透明窓・開閉窓とを組み合わせて、さらに快適に

ガラスブロックは光を豊かに取り入れてくれますが、開閉機能を持たせることはできません。そこで光とともに新鮮な空気も取り入れるために、ガラスブロックと開閉窓を組み合わせて用いてみましょう。

下の写真は、主寝室にガラスブロックのピクチャーウィンドウと開閉窓を両方設けた例です。ガラスブロック特有の淡く柔らかい光で部屋が満たされています。そして開閉窓を開ければいつでも心地よい風を取り入れることができます。
光のための窓、風のための窓、そして景色のための窓というように、一つの窓が一つだけの役割を持つのでぜんぜんかまわないのです。そして複数の窓を組み合わせる魅力を楽しむのが、住まいの窓の秘訣だと思います。

下の写真は、外観上特徴的なコーナーのガラスブロック壁の内側はテラスとなっていて、ガラスブロックのフィルターを通してLDKへ穏やかな光を取り込んで豊かな空間を作り出しています。

ガラスブロックで光の内窓を作る

ガラスブロックは外壁だけでなく、内窓として用いてもすてきです。下の写真では間仕切り壁のガラスブロックが、主寝室に明るさと開放感をもたらしています。そして奥を人が通るとシルエットが動き、家族の気配をいつも感じ取ることができます。
また、下の写真は戸建て住宅リフォームのキッチンです。窓に恵まれた明るい主室に面しているので、ガラスブロックの内窓を作って主室から光を取り入れています。とても明るく効果大であることがわかります。そして、ガラスブロックの手前に掛かった調理用具のシルエットも実に美しいですね!

ガラスブロックを一つだけポツッと壁に埋め込むと

ガラスブロックを単体で壁に埋め込むと、そこだけポツッと光ってとても可愛らしい雰囲気が出ます。昼間は屋外の光が屋内にポツッと入り、夜間は屋内の灯りが屋外にポツッともれ出して、住み手の気配を伝えます。

下の写真は廊下に水色のガラスブロックをポツポツッといくつか設けた例です。これがあるだけで廊下がとても楽しい場所になっていることがわかります。人間ってやっぱり光が好きなんですね。光があると楽しいですよね!
本田 昌平「hidamari」
そしてこちらの写真は、乳白のガラスブロックからの柔らかい光で充たされた化粧室。白い光に包まれた空間もまた、大変美しいですよね。
平賀 久生「海と山の見える家」

ガラスブロックの注意点

さて、楽しさいっぱいのガラスブロックですが、設ける際に注意すべきことでまず考えられるのは、ガラスブロックの厚さです。現在既製品として市販されている厚さは5センチ、8センチ、9.5センチの3種類ですので、この厚さを考慮して壁の厚さを決定する必要があります。

またサイズは正方形のもので約12センチ角から約30センチ角まで4種類ありますが、開口部の寸法はこれらのサイズの倍数に合わせて採る必要があります。
ここではガラスブロックの魅力を中心に紹介しましたが、ガラスブロックには他にも数多くの工夫がなされています。中空の内部はほぼ真空で熱を通しづらいことや、ガラス表面に加工がされていて光を床や天井に反射しやすいことなどがあります。

このようにガラスブロックは実に良くできた工業製品なのです。新居ではぜひガラスブロックの魅力に触れてみてください!
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