2022/12/14更新0like1279view

著者:岩間光佐子

ガレージハウスをプランニングする際のポイントは?愛車を住居空間の一部に取り入れるメリット・注意点etc.

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

住宅での駐車スペースのつくり方にはいくつかのタイプがありますが、車にこだわる方に人気なのがビルトインガレージ、インナーガレージとも呼ばれるプラン。ガレージハウスとも呼ばれるケースもあります。ここでは、ガレージハウスとする場合のプランニングのポイントをまとめました。

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ガレージハウスとは?

ガレージ(車庫)とは、自動車を格納するため建築物のことを指します。敷地に余裕がある場合では、独立したガレージをプランニングするケースもみられますが、都市部など一般的な住宅の場合、建物に組み込んだり、建物の一部を利用するプランも多いでしょう。狭小地の3階建て住宅であれば、1階部分を駐車スペースをとし、2・3階に居室を設けるケースもみられます。

建物にガレージを組み込んだり一部を利用するプランにもいくつかのタイプが考えられます。たとえば、壁などを設けずオープンなプランが「ピロティタイプ」。シャッターやドアを設置したクローズドタイプは、「ビルトイン(インナー)ガレージ」とも呼ばれています。

ガレージハウスとは、主にこの「ビルトイン(インナー)ガレージ」を設けた住まいのこと。また、日常の暮らしの空間の一部に駐車スペースを設けたり、作業や収納スペースを確保するなど趣味として積極的に車を楽しむ工夫のある住まいを指しますが、ひとくちにガレージハウスと言っても多様なプランが考えられます。

ガレージハウスのメリット

ビルトインガレージを設けたガレージハウスのメリットは、まず、雨や風、ほこりなどに車をさらすことがないので、良好な状態で車を維持することができること。洗車の回数も減らすことができるでしょう。また、屋外の駐車スペースに比べて防犯的にも安心です。

ガレージハウスの場合、多くは駐車スペースと室内との行き来がしやすい工夫がなされており、雨の日や荷物の多い日などでも使い勝手がいいのも特徴。幼いお子さんや高齢のご家族がいらっしゃる場合などでも安心して乗降できます。
趣味スペースとして、車の修理やメンテナンスなどをするための空間としたプランも多くみられます。リビングや書斎など、くつろぎの場から愛車を眺められるようなプランにすれば、いつでも車を身近に感じることができるでしょう。
山縣洋「NS 8台の車と5つの庭を眺める平屋の家」

ガレージハウスのプランニングの注意点

どのような駐車スペースをプランニングするとしても、まず、前面道路との位置関係や道路の幅などを確認し、検討することが基本。車の台数や車のサイズ、ドアの開閉スペースなどに適した広さや高さを確保することも重要でしょう。

建物に組み込んだガレージの場合は、特に室内空間とのつながりが重要です。出入り口をどこに設けるのか、どの部屋とつながるのが使いやすいのか、間取りプランと同時に検討するようにしましょう。

また、車だけでなく、自転車やバイクなどを置く場合、ベビーカーや車椅子を利用する場合など、ゆとりある空間を確保しておきたいものです。

注意したいのは、ガレージハウスの場合、車の出入りのために1階部分に大きな開口部を設ける必要があること。建物の強度に影響しますので、工法や構造など、設計担当者等に事前に確認をしておきましょう。また、クローズドタイプの場合は、換気や音などに関しても配慮を。専門的な知識が必要なので、設計担当者には早めに希望を伝えることが大切です。
森本 初雄「タイルと土とアートと暮らす家」

ガレージハウスに必要な設備・建材

シャッター

ガレージに設けるシャッターは上下に稼働するタイプと横引きのタイプがありますが、馴染みがあるのは上下タイプでしょう。上下シャッターには、スラット(連結している薄く細長い板)が天井に沿って収納される「オーバースライダー方式」、スラットを収納するボックスが上部についている「巻き上げ式」、一枚の扉が跳ね上がるように収納される「スイングアップ方式」などがあります。素材には、スチールやアルミなどの金属製や木製などがみられます。

また、開閉操作にも電動方式と手動方式があるので、予算や使い方に合わせて選ぶことが大切です。
リアル・スタイル株式会社「M邸ー丘陵地のガレージハウスー」

照明・コンセント

夜間の使用や防犯の面からも照明は必須です。車の出し入れや乗り降り、トランクにある荷物を出し入れする時の明るさの確保など使い勝手を考慮すること。人が近づくと点灯するタイプなども使い勝手がいいでしょう。リビングから愛車を眺めるようなプランにするなら、車を照らすような演出照明を楽しんでもいいかもしれません。

また、車内用掃除機や洗浄機、工具などを用いるような作業をするのであれば、コンセントもあると便利でしょうし、電気自動車であれば充電設備も必要です。

収納・床材

駐車スペースには、予備のタイヤや工具類の収納スペースを確保しておきたいもの。造り付けの棚やラックなどを設けておくといいでしょう。

駐車スペースの床材は、メンテナンスしやすく美しさを保ちやすいことが重要。タイヤ痕などへのダメージに強い素材や仕上げであることも大切でしょう。コンクリートに樹脂塗装を施したり、タイルなどを用いるケースもみられます。耐水性や耐油性、耐摩耗性なども配慮しておきたいポイントです。

床には、不意の事故に備えて車止めを設けておくと安心です。複数台駐車する場合などは駐車位置の目印にもなるでしょう。
森本 初雄「『garden house with garage』〜ガレージ・庭・ホームシアター!趣味を最大限楽しめる住宅〜」
その他、防犯対策も考えておきたいものです。シャッターの防犯性能はもちろんですが、防犯カメラなどを設置しても。侵入者を感知すると光や音声で警告するタイプなど、住まい全体の防犯プランと合わせて検討するようにしましょう。

どのような駐車スペースを検討するとしても、現在の車や台数だけでなく、将来の買い替えなども含めて考慮することは大切なポイントです。また、来客が多い場合は、来客用スペースも必要かもしれません。将来を含めたわが家のカースタイルを十分に考慮してプランニングするようにしましょう。
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岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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