英国式cozy life

英国式cozy life

古き良き伝統を大事にするイギリス人の暮らし・生き方は、既存住宅をリノベーションしながら住み継ごうとする日本人にとって、参考になる点が多々あるはず。イギリス人の妻を持ち、ロンドンに住むことになったエディターが、意外といい加減(?)な英国での生活をつづります。

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2016年10月29日更新

インテリア(雑貨)

イギリスでハロウィンがあまり盛り上がらない理由

『英国式cozy life』の第2回。日本では年々盛り上がりを見せるハロウィンですが、イギリス人は10月31日をどのように過ごしているのでしょうか。


ハロウィンの起源

ここ数年、日本ではハロウィンがかなり盛り上がっていますね。経済効果でもバレンタインデーを抜いたようで、いまや秋の名物行事になったといってもいいかも知れません。そんなハロウィンですが、ここイギリスではどうなのでしょうか。

そもそもハロウィンは、諸説あるものの古代ケルト人の宗教的な行事が起源といわれています。ケルトといえばなんとなくヨーロッパの北のほうのイメージが浮かびますが、調べると歴史的にも地理的にも、とりわけアイルランドやイングランドとゆかりが深いようです。というわけで、10月31日はイギリスでもやっぱり特別な日――、と言いたいところですが、そうでもないのが実情です。

イギリスのハロウィン事情は……

イギリスのハロウィン事情は……

「そんなのもあったね」という感覚

実際、イギリス人の妻や、友人にこちらのハロウィン事情についていろいろ聞いてみたのですが、反応はよくありません。「そういえばそんな時期ね」といった具合で、あまり意識していないんですね。これは子供を持つ家庭でも同じ傾向で(私の周りだけかもしれないですが)、特別な料理を作ったりすることもなく普段通り過ごすのだとか。もちろん、一部にはジャック・オー・ランタンぐらいは親子で彫るかな、という意見もありました。

また、いわゆる子供が仮装をしてお菓子をねだりに近所を回る「トリック・オア・トリート」(”Trick or Treat”)については、怖くてそんなことさせられないという考え方が多数派。見知らぬ人のところに子供たちだけで出歩かせるなんてもってのほか、というのが残念ながら常識のようです。

子ども向けのハロウィン・キットも、あるにはある

子ども向けのハロウィン・キットも、あるにはある

英国のカボチャ・ディスプレイ

いきなり興ざめな実態をつらつらと書いてしまいました……。とはいえ、日本のようにキャンペーンがそこかしこで行われているわけではないものの、街なかを歩けばもちろんハロウィンを意識したディスプレイを見かけることはあります。

例えば、写真のようにちょっとお洒落な青果店では、店頭一面に大小かたちもさまざまなカボチャが並べられていました。さすがに雰囲気があります。

ロンドンの街角の青果店

ロンドンの街角の青果店

スーパーに行くと投げ売り状態でCarving(彫り物)用のカボチャが陳列してありました。値段は2ポンド~3ポンドほど(2016年10月時点でおよそ300円前後)。あまり多くはないものの、カゴに入れている人たちはちらほらといて、99%が子供連れ。それがこの国のハロウィン事情をわかりやすく物語っているように思えました。

ロンドンの庶民的スーパー。ハロウィン・コーナーはおよそこんな感じ

ロンドンの庶民的スーパー。ハロウィン・コーナーはおよそこんな感じ

ハロウィンが盛り上がりに欠ける理由

イギリスではなぜハロウィンがいまひとつ盛り上がらないのでしょうか。これは何人かのイギリス人に話を聞いただけの勝手な分析ではあるのですが、ひとつには「クリスマスの影響があるのでは」という意見がありました。

確かに、イギリス人はクリスマスにたくさんのお金を使います。家族や友人にプレゼントやカードを送り合うのが習わしで、感覚的には日本でいうところのお正月に近い。「2ヵ月も先なのに?」と驚かれるかもしれませんが、実際、大手のデパートは10月からクリスマス用の展示に様変わりし、気分もだんだんとクリスマスモードになっていきます。その意味ではハロウィンは結構どうでもいいのかもしれません。

ロンドンの老舗百貨店「LIBERTY」(リバティ)。すでにクリスマス商戦は始まっている

ロンドンの老舗百貨店「LIBERTY」(リバティ)。すでにクリスマス商戦は始まっている

それから、別の理由がもうひとつ。実はイギリスには、11月5日に「ガイ・フォークス・ナイト」というこの国ならではの行事(風習)があります。その日は、かんしゃく玉を鳴らしたり、夜には花火を打ち上げたりするお祭り騒ぎで、個人的にはこちらのほうがはるかに楽しい。ハロウィンからたった5日後ですから、そのせいで少しハロウィンがかすんで見えるのかも、というのが私と妻の見解です。毎週騒いでばかりもいられない――ほかの家族にとってもそうした心理がはたらいているのではないでしょうか。

いずれにせよハロウィンはどちらかといえばアメリカのものといった印象。イギリスらしさを考えるとやはり「ガイ・フォークス・ナイト」に軍配を上げたくなってしまいます。この「ガイ・フォークス・ナイト」についてはまた後日レポートする予定です。


この記事を書いた人

YUICHI ISHINOさん

ロンドンに暮らす編集者/Webプロデューサー。各媒体を通して現地の旬の情報を発信しています。英国人の妻に、朝は紅茶を作らされる毎日です。

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