2023/12/29更新0like1982view

著者:SUVACO編集部

【専門家解説付き】家族の絆を育む家 〜二世帯住宅のカタチと魅力〜「完全分離型」「一部共有型」「全部共有型」

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親世帯と子世帯が同じ家に住む二世帯住宅。
高齢となった親族を近くで見守れる安心感や育児に協力してもらいやすいなどのメリットがあり、希望される方も多いでしょう。

この記事では二世帯住宅をタイプ別で分けて、事例とともにその特徴をご紹介します。

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▽ 目次 (クリックでスクロールします)

二世帯住宅のタイプ

スープが冷めない距離:【完全分離型】二世帯住宅の事例と特徴

互いの気配がなんとなく伝わる:【一部共有型】二世帯住宅の事例と特徴

大家族での暮らしが楽しい:【全部共有型】二世帯住宅の事例と特徴

二世帯住宅をつくる際の注意点

二世帯住宅のタイプ

二世帯住宅には大きく分けて「完全分離型」「一部共有型」「全部共有型」という3つのカタチがあります。

それぞれの家族のカタチ・距離感にあわせて適切な二世帯住宅を選び、良好な生活環境を築くことが重要です。

スープが冷めない距離:【完全分離型】二世帯住宅の事例と特徴

最初にご紹介するのは玄関から各世帯の居住スペースを分けた「完全分離型」の二世帯住宅です。
同居というよりは「お隣さん」とも言える距離感で、それぞれの世帯の生活スタイルを尊重しつつ、何かあればお互いに助け合うこともできます。プランによっては家の中で世帯間を行き来できる動線を設けていることも。
一方で家の中に玄関や場合によって階段も2箇所作ることになるので、完全分離型の二世帯住宅を検討する場合にはある程度の広さが必要になります。

完全分離タイプの二世帯住宅の事例をいくつかご紹介します。

【注文住宅】 船堀の家~家族が集う大きな一枚板のテーブルリビング~桜並木を臨む二世帯住宅

はじめにご紹介するのは、1階の一部に父親の一室を設け、玄関から居住スペースを分けた二世帯住宅の事例です。
居住スペースをきっちり分けつつ、家の中で子世帯スペース(廊下)から父親の一室へ相互に直接アクセスできる動線も設けられています。

space fabric 一級建築士事務所 東 信洋さん

建築家

お父様室の玄関はアプローチを長くとり傾斜をゆるくすることでバリアフリーに。居室から直接アクセスできる縁側はご近所さんとの交流スペースになっています。

一方、2階には広いLDKとルーフバルコニーを設け、休日にはお父様やご親族が集まってお花見やバーベキューを楽しむこともできます。

世帯ごとの生活スペースを完全に分けてそれぞれの生活スタイルを大切にしつつ、年を重ねた親やご親戚と過ごす時間も同じくらい大切にされているご家族のお住まいです。

【リノベーション】 もとは工場、今は安心の二世帯住宅に

工場兼住居の4階建て重量鉄骨造ご実家を二世帯住宅にリノベーションされた事例です。
工場だった2階を母親の住まいとして改修。3、4階が子世帯の住まいになっています。

entrie(エントリエ)

リノベーション会社

工場だった2階はできるだけシンプルに構成してお母様がゆったりと寛げるようレイアウト。居室として落ち着いて暮らせるよう、窓の数を減らし、断熱改修も実施。もとが工場だったとは思えないくらい快適な空間になりました。

お子さんのいる子世帯はLDKを広くとって、キッチン・ソファスペース・小上がりの和室...とそれぞれがお気に入りの場所でくつろぎつつ、互いの気配を感じられるようになっています。
お母様の部屋にはお孫さんが遊びに行かれることも多いそうです。
それぞれの生活スタイルを尊重しつつ、何かあればすぐに駆けつけられる、安心の距離感の住まいです。

完全分離型の二世帯はこんな方にお勧め

・土地、もしくは既存の住まいに十分な余裕がある
・親世帯がまだ元気で必要な時だけお互いに助け合える距離感が心地よいと感じる

互いの気配がなんとなく伝わる:【一部共有型】二世帯住宅の事例と特徴

次にご紹介するのは玄関やリビングなど、住宅の一部を共有する二世帯住宅。
多いのは、玄関は共有で1階に親世帯、2階が子世帯という分け方です。
各世帯の生活スタイルを尊重しつつも、玄関の出入りでお互いの様子がなんとなく伝わります。玄関以外にも、リビングや中庭を共有スペースにすることも。

【注文住宅】回遊&スキップフロアの2世帯住宅|ナカニワTKハウス

中庭を囲うように建てられた住まいは、道路から共用の門をくぐって中庭へ進むと1階世帯の玄関と、玄関のみ1階でそこから階段で上がる世帯のそれとで、2つの扉がアプローチをはさんで見えてきます。

シーズ・アーキスタディオ 白崎泰弘さん・白崎治代さん

建築家

階段を上がって最初に現れる二階世帯のリビングは、階高の低いガレージの上に配置しているので、通常の3分の2程度の段数で辿り着きます。そこから4段分スキップしてダイニング、寝室へと向かい、中庭周りを1周して4段下がったリビングに戻ってきます。
1階世帯は、道路との緩衝帯として設けた前庭と、共有で使っている中庭、その二つの庭に接しているので、都市型スタイルの住宅であっても季節を十分に楽しめる住まいとなっています。

フロアが別れていても、2世帯の中心には中庭があり、その中庭が適度な距離感をつくりながらも、親族のつながりが感じられる住まいとなっています。

【注文住宅】 2=1 ~優しくつながる二世帯住宅〜

こちらは実家を二世帯住宅に建て替えた住まい。先程と同じく、玄関を共有し1階を親世帯、2階を子世帯としてプランしました。

Den設計室 一級建築士事務所 新田 浩司さん

建築家

上下階ほぼ同じ空間構成になっており、1階は親世帯(一部子世帯)、2階は子世帯の二世帯住宅です。
共用部分は、玄関と階段廻りの収納スペースのみ。
上下階をほぼ同じ間取りとすることでシンプルな構造体になること、設備配管廻りの計画も明確で、生活時間帯の違いによる音問題への配慮、設備廻りのメンテ更新性にも有利な間取りとなっています。各個室はコンパクトにしてLDK広く取りました。水まわり+収納を回遊動線にして暮らしやすさに寄与していることが大きな特徴です。

【リノベーション】二世帯をつなげる二つの中庭|新金岡の家

コンクリート造の住まいを二世帯住宅にフルリノベーション。
こちらも玄関は共有で1階は親世帯、2階は子世帯に分けました。

水谷嘉信建築設計事務所/中庭のある家 水谷嘉信さん

建築家

二世帯はそれぞれ階を分けて独立していますが、中庭を二世帯で共有できる縦空間に。それぞれの世帯にも中庭を設けて大開口でつながるようにしました。
フロアで世帯が別れていても、お互いの気配を感じられる魅力的な中庭スペースのある二世帯住宅となりました。

一部共有型の二世帯はこんな方におすすめ

・世帯ごとに生活は分けたいけれど、スペースに大きな余裕がない
・もともと二世帯の実家を改修するなど完全分離にすることが難しい
・完全分離よりも近い距離間の暮らしが希望
・生活スペースは分けたいけれど、完全分離よりもコストを下げたい

大家族での暮らしが楽しい:【全部共有型】二世帯住宅の事例と特徴

最後にご紹介するのは、全部共有型の二世帯住宅です。
玄関だけでなく、浴室やキッチン、リビングなど個室以外のほとんどを両世帯で共有する「同居」タイプの住まいです。
大人数で食事を楽しんだり、家事や育児の協力もしやすく、それぞれの負担が減るというメリットも。サブキッチンやサブ洗面を設ければ、世帯ごとの生活リズムがズレても互いに遠慮なく暮らせます。
二世帯・3世代で仲良くにぎやかな暮らしを楽しめる二世帯住宅です。

【注文住宅】Yokono ARK 『3つの中庭をもつ家』

完全同居型の二世帯住宅ですが、1階だけでも暮らしが完結できるよう工夫されています。

平林繁・環境建築研究所 平林繁さん

建築家

家族が集う居間を1階の中心に据え、正面に一番大きな中庭を配置しました。
2階建てですが、高齢世帯の暮らしが1階で完結できるよう工夫しています。
また2階にもリビングを配置し、二世帯の暮らしを楽しみつつ、それぞれの世帯で過ごす時間も持てるお住まいです。

【リノベーション】家事動線が完璧なモダンブリックスタイルの二世帯住宅

実家を二世帯住宅にリノベーション。共有のLDKとは別に親世帯専用のミニキッチンが設けられています。

リノベーションスタジオKULABO

リノベーション会社

広々LDKで親世帯・子世帯が一緒にくつろぎの時間を楽しめる全部共有型の二世帯住宅です。共有のLDKとは別に親世帯の部屋にミニキッチンを設けたり、シャワー室・洗面など、1階だけでも生活が完結できるようにしています。
1階、2階ともに家事動線も意識してプラン。もとの家の空間を最大限に有効活用した家事ラクな間取りの住まいです。

全部共有型の二世帯はこんな方におすすめ

・大家族でにぎやかに暮らしたい
・家事や育児を二世帯で協力しながら一緒に楽しみたい

二世帯住宅をつくる際の注意点

生活リズムの違い

二世帯住宅では各世帯の生活時間帯が異なることがあります。起床時間や就寝時間などが大きく違うと、生活音がお互いにストレスになってしまうことも。生活リズムの違いを把握して、共有スペースの使い方や騒音対策などを検討しておきましょう。

インフラの整理

完全分離、一部共有型の二世帯住宅の場合、それぞれの住宅設備にかかるガス・電気・水道代をどのように分けるか、メーターから分けるのか、メーターは一つにして費用を按分するのかなど事前に決めておく必要があります。
特に電気代は家にいる時間や使い方によって大きく金額が変わるため、曖昧にしておくと、後々トラブルになってしまうことも。可能であればメーターから分けることをおすすめします。

建築・リノベーション時の費用分担

建築やリノベーションにかかる費用をどちらが負担するのかも二世帯住宅をつくる上では最初に検討すべき事項です。リノベーションの場合、相続や贈与も絡んでくるため、親族とも情報を共有しておいたほうがいいかもしれません。
悩んだ場合にはファイナンシャルプランナーなど、専門家に相談してみましょう。
二世帯住宅といってもそのタイプはさまざま。家族のライフスタイルや両世帯の要望に合わせて最適なスタイルを選び、楽しく心地よい二世帯住宅をつくりましょう。

二世帯住宅の専門家選びに迷ったら?

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