2024/08/31更新0like956view

著者:岩間光佐子

窓ガラスの種類と特徴を知って、快適・安心・安全な住まいを考えよう

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この記事を書いた人

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

私たちの住まいの窓に用いられるガラスには、さまざまな機能を持つタイプがあります。
自然や室内環境によって、その場所に合った窓選びが大切です。
ここでは、主なガラスの種類と特徴、プランニングの前に知っておきたい基礎知識をまとめました。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

窓はサッシとガラスで構成される

一般ガラスと機能ガラス

一般ガラスの種類と特徴

機能ガラスの種類と特徴

ガラス選びのポイント

窓はサッシとガラスで構成される

窓は、一般的にサッシとガラスで構成されています。サッシは、窓を建物(躯体)に取り付けるための上枠・下枠・たて枠で構成された窓枠と、ガラスを枠にはめ込むための框(かまち)のこと。框にガラスをはめ込んだ可動部分は障子と呼ばれています。

サッシの素材としては、アルミサッシや断熱性を高めた複合サッシ、樹脂サッシや木製サッシなどがあり、それぞれ性能は異なります。サッシの種類と特徴は下記の記事を参考にしてください。

(参考記事|SUVACO)
窓サッシ素材の種類と特徴・プランニングのポイント


また、ガラスにも性能や機能を高めたいくつかの種類がそろっています。サッシ同様、用いるガラスによって窓の性能は異なり、住まいの性能や住み心地などにも大きく影響します。

一般ガラスと機能ガラス

住宅で用いられるガラスは「一般ガラス」と「機能ガラス」に大きく分けることができます。

「一般ガラス」には、「フロート板ガラス」「網入板ガラス」「型(板)ガラス」などがあります。

「機能ガラス」は、その名の通り、機能を持たせたガラスのこと。「複層ガラス」、「強化ガラス」、「合わせガラス」といったガラスが挙げられます。

一般ガラスの種類と特徴

フロート板ガラス・透明ガラス・単板ガラス

一般的な平板のガラス。平面が平滑で歪みのない透明なガラスで、透視性や採光性に優れているのが特徴です。窓や建具、鏡などに用いられているものです。

型板ガラス

ガラスの片面に型模様をつけた不透明なタイプ。お馴染みなのは「くもりガラス」。柔らかな光を取り入れつつ、プライバシーを守ることが可能。視線が気になる水回り(浴室・洗面・トイレ)、室内の間仕切り扉などに使用されるケースもみられます。

すり板ガラス

透明な板ガラスの片面に珪砂などですり加工をした不透明なガラスのことで、型板ガラスを同じようにプライバシーを確保することができます。

網入板ガラス

金属の網を封入したガラス。ガラスが破損しても破片が飛び散らないのが特徴。炎に強く、火災の際の延焼や延焼を防ぐ効果があるため、法規上必要となる防火用途向けに使用されるタイプです。破片の飛散や脱落はしにくいですが、防犯性能が期待できるものではありません。

機能ガラスの種類と特徴

複層ガラス

スペーサーと呼ばれる部材を用いて、2枚または3枚の板ガラスの間に中空層を持たせたもの。中空層に乾燥した空気やガスを挟み込むことで断熱性能を高めています。新しく建てられる家では主流。断熱性が高いことで、冷暖房の消費を抑えることが可能、省エネ効果も期待できます。また、冬場の寒さ対策や結露しにくいのも特徴です。

Low-E複層ガラス

一般的な複層ガラスの性能をより高めたものが、ガラスの間に特殊な金属膜(Low-E膜)をコーティングした「Low-E複層ガラス」です。遮熱性を高めたタイプと断熱性を高めたタイプがあるので、環境や窓の方角、間取りによって使い分けると効果的でしょう。
※Low-E/Low‐Emissivity(低放射)

■遮熱性を高めたタイプ/遮熱複層ガラス
室外側にLow-Eガラスを使用したガラス。夏場の日射を遮り、冬場は室内の暖房熱を反射し逃がさないため、冷暖房の負荷を抑えることが可能。西日のあたる部屋や紫外線による色あせの防止などに。
■断熱性を高めたタイプ/高断熱複層ガラス
室内側にLow-Eガラスを用いたタイプ。太陽の熱を取り入れつつ、暖房エネルギーを逃がしにくいため、断熱性、保温性に優れています。結露の発生も抑えるため、寒さが厳しい環境に向いています。

強化ガラス(安全ガラス)

普通のガラスと比較して耐風圧強度のあるガラス。「フロート板ガラス」を高熱処理、急激に冷やしてつくられ、熱に強く、万が一割れても破片は粒状になることから、安全で大怪我をする心配が軽減されます。窓だけでなく、ガラス入りのデザインの玄関扉や室内扉などにも用いられています。防犯面での性能は期待できません。

合わせガラス (防犯ガラス・防災ガラス・防音ガラス)

2枚以上のガラスの間に、強靭なフィルムの中間膜をはさんで加熱・圧着させたガラスのこと。風圧に強く、中間膜によって割れても飛び散ることがほとんどないのが特徴です。中間膜の厚さや性能によって、下記のような特徴を持つタイプみられます。

防犯ガラスは、厚く強靭な中間膜とすることで、突き破るのに時間がかかり防犯性に優れています。防災ガラスは、特殊な中間膜によって防災対策に効果を発揮するタイプ。防音ガラスは、遮音効果のある中間膜を用いて防音性能の高めたガラスです。

そのほか

「複層ガラス」「遮熱複層ガラス」「高断熱複層ガラス」の2枚どちらかのガラスに、「合わせガラス」や「強化ガラス」を用いて多機能な複層ガラスとするケースもあります。より性能を高めたトリプルガラスもみられます。

デザイン性を高めたもの

ガラスの表面にエッチング加工を施したエッチングガラスは、すりガラスより上品でやわらかな光沢のあるもの。エッチングのパターンによって、多様なデザインがみられます。また、ガラスの表面に和紙調フィルムを強く密着させた装飾ガラスもあります。和紙の表情と温もりをあわせ持つもので、障子や採光窓として利用されることも。

ガラス選びのポイント

快適な住まいをつくるためには、窓ガラスの性能だけではなく、サッシとの組み合わせはもちろん、敷地環境や家全体の構造、間取りプランなどトータルで検討することが重要です。

実際の家づくりの中での窓計画は、多くの場合、設計担当者からの提案を確認していく、ということになるでしょう。サッシやガラスの種類だけでなく、配置や大きさ、開閉方法などこだわりがある場合は、事前に伝えておくことも大切です。

プランニング全体を把握しつつ、それぞれの場所でどのようなガラスを用いているのか、具体的にどんな性能や機能を持つガラスなのか、それらを用いるメリットデメリットなど、しっかりと説明を受けることが重要でしょう。
窓サッシメーカーのショールームでは、ガラスやサッシの性能を確認できる実験コーナーなどを設けているところもあります。ガラスによってどのような違いがあるのか、実際に体感してみることをおすすめします。

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