2020/06/09更新2like14776view

著者:岩間光佐子

部屋を上手に間仕切りする4つの方法

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ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

最近の間取りの特徴のひとつは、広々とした空間づくり。オープンで開放的なプランは魅力ですが、日々の暮らしの中では、ある程度仕切りたい、という場合もあるものです。ここでは、空間を有効活用できる間仕切りプランの考え方をまとめました。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

間仕切る目的を明確にすることから

空間を間仕切る方法の種類

【1】格子やパーテーションを用いる

【2】開閉できる間仕切り扉を用いる

【3】室内窓を組み合わせる

【4】収納家具や造作棚などを用いる

造作はもちろん建材メーカーの商品も多様に

間仕切る目的を明確にすることから

新築やリフォームの際、多くの方が取り入れるプランにオープンな空間づくりが挙げられます。リビング・ダイニング・キッチンを広々としたひとつの空間としたり、玄関ホールや廊下などを設けず、住まい全体を壁で仕切ることのない開放的なプランとするといった間取りも増えてきています。

しかし、日々の暮らしの中で、ある程度の仕切りを設けたいというシーンもあるものです。たとえば、来客時にはDKは隠したい、冷暖房効率を考慮して夏冬は仕切って使いたい、将来的には兄弟姉妹のスペースを分けたい、また、最近では在宅勤務も増え、仕事場とくつろぎの場を間仕切りたい、というケースもあるでしょう。

用途に合わせて空間を仕切るためには、まず、間取りや空間のつくりでゾーンを分けることが考えられます。空間はひとつでもリビングとダイニングキッチンをL字型に配したり、床面に段差を設けたり、天井の高さを変えることで、空間に変化をつけ区分することは可能です。

身近な方法としては、パーテーションを設けたり、扉などの建具を取り入れることが挙げられます。各メーカーからもさまざまな建材商品がみられ、空間に合わせてプランニングすることができるでしょう。
いずれにしても、空間を間仕切りたい場合は、その目的を明確にすることが大切です。来客時などにプライベートな空間を隠すためなのか、空調計画のためなのか、目的や頻度などによって、間仕切る方法は異なります。可動間仕切りがいいのか、格子を設置する方がいいのか、完全な目隠しが必要か、など方法もプランも多様に考えられますし、適する建材も変わってくるものです。漠然と「仕切ることができると使い勝手がいいかも?」とプランニングしても、結局使いこなせないケースもみられます。目的を明確にして、住まい全体の間取りと同時に検討することが大切です。

空間を間仕切る方法の種類

間取りや空間のつくりで区分することも考えられますが、検討しやすいのは、何かしらの建材、建具などを用いて区分することでしょう。空間に合わせて造作でプランニングするだけでなく、建材メーカーからもさまざまな商品が提案されています。

【1】格子やパーテーションを用いる
【2】開閉できる間仕切り扉を用いる
【3】室内窓を組み合わせる
【4】収納家具や造作棚などを用いる

【1】格子やパーテーションを用いる

完全に隠すためというよりは、気配を感じつつスペースを区分する場合に適しています。ダイニング・キッチンとの間、玄関からリビングが見渡せる場合の緩やかな目隠し、LDKの畳コーナーや書斎コーナーなどに用いても。スペースに限りがあっても、圧迫感を感じることなく間仕切ることができるでしょう。

建材メーカーの商品には、木材やアルミ建材などを直角に交差させたり、細い角材を等間隔に縦、もしくは横にのみ並べた格子を取り入れた、モダンでどこか和の雰囲気も持つデザインがみられます。格子のみのタイプ、格子の間に樹脂板などを用いたタイプが揃い、格子のみのタイプであれば光や風を通すことが可能です。

【2】開閉できる間仕切り扉を用いる

日々の暮らしのシーンに合わせ、ある程度しっかりと間仕切りたい場合は、可動間仕切り扉を取り入れるといいでしょう。

たとえば、LとDKの間に間仕切り扉を設けておき、普段は開放してひとつの空間として、来客の際などには、扉を閉めることでプライベート空間を隠すことが可能。また、リビングに畳スペースを設けたり和室が隣接する間取りであれば、間仕切り扉を設けておくことで、客間として使用することもできます。

間仕切り扉の開閉方法は、引き戸や折れ戸。引き戸には、片引きや引き違い、引き分けなどがあり、コーナーに用いる(L字型に部屋を間仕切る)ことも考えられるでしょう。

最近では、天井までの高さのある扉とし、空間の開放感を高めたものもみられますし、光を通す面材(ガラス・パネル)を用いたデザインも。目的に合わせて、開閉方法やデザインを選ぶことが大切です。たとえば、幼いお子さんがいる場合では、間仕切り扉を閉めても、様子が分かるようなデザインとする、頻繁に来客があるのであれば、壁のような、しっかりと仕切れるタイプがいいかもしれません。

【3】室内窓を組み合わせる

最近人気の室内窓は、家の中に光や風を通すことができる室内建材です。窓の形状や開閉方法などプランニングによっても異なりますが、緩やかに空間を仕切ることが可能です。

室内窓には、採光も通風も可能な開閉できるタイプ、光のみを取り込むFIXタイプ(採光窓・採光ユニットなど)があります。枠素材はナチュラルな木製やモダンなアルミ素材などがあり、コンパクトなサイズや細長いタイプなども揃っています。単体で用いたり、いくつかを組み合わせるプランもいいでしょう。用いるガラスにも、透明なタイプや半透明のタイプ、エッチングなどの模様があるタイプなどがあるので、用途に合わせて選ぶことがポイントです。

【4】収納家具や造作棚などを用いる

リビングダイニングや子供室などで用いられるケースが多いのが、造作家具や収納家具で空間を仕切るプランです。

リビングなどであれば、本棚やラックのような造作家具を壁の代わりに設置するプランもみられます。開放的なつくりの棚であれば、空間も閉鎖的になりません。メーカーの収納建材には、リビングシステム収納などコーディネートできるアイテムもみられます。

また、子供室で取り入れられるケースがみられるのは可動式の収納家具。ひとつの部屋を幼い頃は一緒に使用し、将来的に分割したい場合に用いられているようです。壁際に設置していた家具を中央に移動させることで間仕切ることが可能。移動タイプの場合は、固定方法など安全性もチェックして選ぶことが大切です。

造作はもちろん建材メーカーの商品も多様に

間仕切りを設ける目的や空間の使い方は、家族構成やライフスタイルによって異なります。プランニングの際には、新しい住まいでの暮らし、日々の過ごし方をイメージして、適したプランや建材を取り入れることが大切です。

格子やパーテーション、間仕切り扉、室内窓などは造作でプランニングすることもありますが、建材メーカーには多様な商品バリエーションが揃っており、室内扉や収納扉、床材などとトータルでコーディネートできるタイプも見られます。特に、間仕切り扉は、可動間仕切りや間仕切り開閉壁、間仕切りスクリーン・ウォールなどさまざまな名称で多様な提案がみられます。
メーカー商品を選ぶ際には、可能であればショールームで実物を確認すること。間仕切り扉や室内扉などは実際に開閉してみることが大切です。開閉のしやすさや固定方法(ストッパー)などの確認を。間仕切り扉の場合は、床面のレールの形状や段差、幼いお子さんがいる場合には、指を挟みにくいような配慮など安全面もチェックしたいポイントです。

どのような間仕切りを設けるとしても、間取りはもちろん、ライフスタイルや家族構成、将来の変化などをイメージした上でプランニングをすること。空調計画や照明計画、防音なども含めて、設計担当者と相談しながら検討することが大切です。

この記事を書いた人

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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