2019/12/13更新1like5723view

著者:岩間光佐子

室内窓の種類と特徴&選び方の注意点

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

室内に光や風を行き渡らせ、開放感を生み出す室内窓。部屋と部屋の間、部屋と廊下との間などに設けられる開口部は、マンションリノベーションで取り入れるケースも多くみられるようになりました。ここでは、室内窓をプランニングする際に知っておきたい基礎知識をまとめました。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

室内窓とは空間と空間の間の壁に設ける開口部

室内窓(室内用窓)とは、文字通り室内に設けられた開口部のこと。部屋と部屋の間、廊下と部屋の間、また、部屋から吹き抜け空間などに向けて設けられる内装建具のひとつです。素朴なデザインの木製格子や気泡ガラスなどを用いたナチュラルなイメージのものは、「カフェ窓」などとも呼ばれることもあるようです。

建材メーカーの商品にもラインアップされていますし、ネットショップなどでも豊富に揃うため、施主支給でプランニングする場合も。ステンドガラスなどを組み込んだタイプ、アンティークを利用するケースなどもみられます。

室内窓を設けるメリットとは

間取りプランにもよりますが、一般的に室内窓を設けるメリットは、採光や通風を確保できること。開口部を設けることで空間に広がりが生まれ、開放感を得ることができます。また、家族の気配を感じることができたり、コミュニケーションが図りやすくなることも挙げられるでしょう。

その他、室内窓のデザインや配置プランによっては、インテリアのアクセントとなるケースもあります。

マンションリノベーションで多くみられる。戸建ては吹き抜けに設けても

室内窓を取り入れるケースが多くみられるのが、マンションです。マンションの場合、窓から離れた居室には、光や風を取り込みにくいケースも多くみられます。しかし、室内窓を上手にプランニングすることで、奥の部屋の明るさも確保することも可能です。

たとえば、窓側のリビングに隣接する子供室との間仕切壁に室内窓を設ければ、リビングを通して明るさを確保できるとともに、子供の様子を把握することも。窓近くに配置しにくい洗面室などにも室内窓を設けておくことで、採光だけでなく換気にも役立ちます。

また、戸建ての場合では、吹き抜け空間に室内窓を設けるケースも。2階の個室から、リビングやダイニングへつなげれば、縦方向に風が通り抜けるとともに、家族の気配を感じることができるでしょう。

室内窓には開閉可能なタイプとFIXタイプがある

内装建材商品としての室内窓(室内用窓)には、光と風を取り込むことができる開閉タイプと光のみを確保するFIXタイプがあります。

■開閉タイプ
開閉スタイルには、一般的な窓と同様に、引き違い、開き戸タイプ(両開き・片開き)、突き出しタイプ(押し出し・滑り出し)、回転窓などがあります。最近注目されているのは、突き出すスタイル。また、開けた扉が邪魔にならない引き戸タイプは、限られた空間では使い勝手のいいスタイルです。

■FIX(はめ殺し)タイプ 
開閉できないタイプは、光を取り込み気配を感じることができるもの。ひとつで用いるだけでなく、コンパクトなタイプや細長いタイプなど、いくつか並べたり、開閉タイプと組み合わせてもいいでしょう。

枠の素材は木製やアルミ。採光部分はガラスや樹脂が揃う

室内窓の枠や採光部分の素材には、いくつかの種類があります。

■枠素材
室内窓の主な枠素材は木製やアルミ製など。アイアンを用いたタイプもみられます。建材メーカーの商品は、すっきりとした印象のアルミ材が揃い、室内扉など他の建材とコーディネートが可能なシリーズ展開もみられます。

■採光部
採光部分は、ガラスだけでなく樹脂系板などを使用しているタイプがあります。ガラスは、透明タイプや気泡ガラス、チェッカーガラスなど。透明タイプであれば開放的な空間が生まれますし、半透明のタイプであれば、やわらかい光を得ることができるでしょう。

また、強度のあるガラス(熱処理ガラスなど)を揃えた商品も。用いるガラスの安全性は、使用する場所などによっては配慮しておきたいポイントです。

室内窓を取り入れる際の注意点

憧れやイメージだけで室内窓を取り入れても、プランやライフスタイルに適さなければ、有効活用できない場合もあるものです。室内窓を検討する際には、以下のようなポイントを押さえておきましょう。

■ポイント1  設置する目的を明確に
採光や通風の確保なのか、気配を感じたりコミュニケーションを図るためなのか、空間のデザインのひとつとして取り入れたいのかなど、室内窓を設置する目的を明確にすることが基本です。目的が明確になれば、おのずと開閉方法やデザインが絞られてくるでしょう。

■ポイント2  操作性や安全性にも配慮
開閉タイプの場合、操作性や安全性も確認しておきたいもの。開き戸タイプの場合であれば固定機能などのチェックも。開いた状態の扉を固定したり、好みの位置で扉を固定することができるタイプなどもあります。

■ポイント3  空間全体のコーディネートを考慮
室内窓を取り入れる際には、間取りはもちろん空間全体のデザイン性にも配慮したいものです。室内扉や床材など、室内建材とのコーディネートを意識して。素材や色などを揃えたり、インテリアのポイントとしたり、窓を設ける間仕切壁両面(両方の部屋)からの検討を忘れずに。

■ポイント4  リフォームの場合は構造壁に注意を
一戸建ての場合、室内窓を設けたくても構造壁などで設置できないケースも。リフォームの場合は特に注意が必要です。設置を予定している場合は、早めに確認を。

■ポイント5  オーダーで造作する場合は素材や色味に注意を
大きさや形状、色などさまざまな条件から、オーダーするケースもあるでしょう。造作であれば、スペースに合わせて納めることが可能です。事前に枠素材やガラス見本などで確認することがポイントです。

■ポイント6  ショールームや施工例で実物を確認する
建材メーカーの商品の場合であれば、ショールームで確認できる場合も。モデルハウスや施工例見学などでは、デザイン性や素材感、ガラスの雰囲気など、可能な限り実物で確認を。操作できるものは動かしてみることも大切です。
明るく開放的な空間を実現する室内窓。効果的なプランニングとするためには、上記のようなポイントに配慮すると同時に、将来的なライフスタイルの変化にも配慮しておきたいもの。特に子供室に室内窓を設ける場合、成長するにつれコミュニケーションの取り方、部屋に置く家具のレイアウトなどにも変化が生まれるケースもあるものです。今現在だけでなく、数年後の暮らしもイメージして検討するようにしましょう。
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ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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