木造住宅、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、どのような違いがあるかご存知ですか? それぞれの特徴や、メリット・デメリットをわかりやすく説明します。住まいづくりを検討する際に、参考にしてみてください。
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木造住宅の特徴
木造住宅の事例集
鉄骨造(S造)住宅の特徴
鉄骨造(S造)住宅の事例集
鉄筋コンクリート造(RC造)住宅の特徴
鉄筋コンクリート造住宅の事例集
鉄骨鉄筋コンクリート造住宅の特徴
まとめ
木造住宅の特徴
木造住宅は、木材を構造体(土台、壁、柱など)に用いた住宅です。
【工法】
◆柱・梁・筋交いを使い組み立てる「軸組み工法」
◆4つの耐力壁と床・天井で構成するユニットをベースに組み立てる「木造枠組壁工法」
があります。よく聞く「2×4(ツーバイフォー)工法」は、2インチ × 4インチの枠でパネル壁をつくるもので、木造枠組壁工法のひとつです。
【メリット】
◎コスト(建築・解体共に)が安い……建築坪単価:40~70万円程度
◎吸湿性に優れ、日本の風土に適している
◎木という材質効果……香りや、ぬくもりある肌ざわりなど、癒し効果が期待できる
◎熱伝導率が低いため、断熱性に優れている
◎工期が短い……建築期間(35坪2階建ての場合):5カ月ほど
◎リフォームや増築が容易……梁、筋交いなどを残せば、間取り変更の自由度が割と高い
ユニットで造る「2×4工法」の住宅も、制約はありますが、リフォームが可能です。
【デメリット】
●耐久性が低い(法定耐用年数:22年)
●火災に弱い
●建築に高い技術が必要。職人の腕によって品質が左右する
●害虫による侵食
●風雨により劣化しやすい
●大開口・大空間を造るのが難しい
など。これらの対策として、
〇耐火材を使った外壁や内装材を使い、木造耐火住宅に対応
〇定期的なメンテナンスで家屋の浸食などを防ぐ
〇防水、防腐処理を施した材料を使う
などでデメリットを補い、快適な住まいを維持することができます。
木造住宅の事例集
木造住宅には「大開口を設けることは難しい」というデメリットがありますが、こちらのリノベーションでは構造を補強・強化。7mの大開口を実現しました。
八ヶ岳を望む絶景の眺めに惚れ込んで土地を購入したご夫妻の要望をかなえ、大開口で楽しめるよう、プランニングに工夫を重ねました。
通常は木造のデメリットとされていることも、技術や材質の進化、プランニング力によって、理想の住まいをつくることができます。
こちらは、高性能断熱材を採用した省エネルギーの木造住宅。
壁や天井は漆喰塗りで調湿、消臭効果が得られます。また、開口部の位置を緻密に計算することで、通風や採光を最大限に取り入れるよう設計されています。
外壁には光触媒機能のタイルを採用。住み始めてからのメンテナンス負担を軽減しています。
鉄骨造(S造)住宅の特徴
鉄骨造住宅は、鉄骨を構造体に用いた住宅です。S造ともいいます。
【構造】
◆厚さ6mm未満の鋼材を用いた「軽量鉄骨構造」
◆厚さ6mmを超える鋼材を用いた「重量鉄骨造」
があります。
【メリット】
◎耐震性に優れている
◎大開口・大空間の建築が可能
◎コストは木造住宅よりは高いが、鉄筋コンクリートより安価……建築坪単価:50~80万円程度
◎工期が短い……建築期間(35坪2階建ての場合):5カ月ほど
◎法定耐用年数:軽量鉄骨構造 19年/重量鉄骨構造 34年
【デメリット】
●断熱性が低い
●遮音性が低い
などが挙げられます。これらの対策として、
〇断熱材や防音材などでカバー
などがあります。
鉄骨造(S造)住宅の事例集
こちらは、築20年の軽量鉄骨住宅のリノベーション事例。
細かく仕切られていた壁や収納棚を取り払い、スチール×ガラスのパーテーションで仕切って、空間の広がりを持たせています。
インダストリアルな空間に、剥き出しのスチールの柱や筋交いが効いています。
鉄骨造地上3階地下1階建てのリノベーション事例。
鉄骨造は堅牢で広い空間づくりができるため、店舗併用住宅などにも多用されています。土間とフリースペースになっている1階部分は、将来は店舗として使うことも可能です。
鉄筋コンクリート造(RC造)住宅の特徴
鉄筋コンクリート造住宅は、鉄筋とコンクリートを使い、鉄筋の骨組みにコンクリートを流し込んで施工する住宅です。RC造ともいいます。
【構造】
◆柱と梁で組み立てる「ラーメン構造」
◆壁面を組み合わせて構成する「壁式構造」
◆型枠に鉄筋を配筋し、コンクリートを流し込んで積み上げる「組積造」
などがあります。
【メリット】
◎地震・火災に強い
◎気密性が高い
◎遮音性が高い
◎地震・火災に強い
◎耐久性がある(法定耐用年数:47年)
◎デザインの自由度が高い
◎大空間・大開口の建築が可能
など。
【デメリット】
●材料費・建築・解体ともにコストが高い……建築坪単価:60~100万円程度
●住宅が重いため、重みに耐えられる地盤が必要。地盤改良にコストがかかる
●結露しやすい。場合によりカビ対策も必要
●工期が長い……建築期間(35坪2階建ての場合):6カ月~8カ月
などが挙げられます。対応策として、
〇比較的コストが抑えられ、工期も短くなるコンクリートパネル工法(PC工法)などを検討してみる
〇土地購入の際には、あらかじめ地盤調査をしておく
〇断熱材や調湿材を取り入れたり、空気の流れを作り出すプランニングをする
などがあります。
鉄筋コンクリート造住宅の事例集
こちらの注文住宅事例は、2階建ての鉄筋コンクリート造フレーム構造(PC構造)住宅です。柱や梁が室内に出ないように設計されているため、スッキリ広々とした空間で、大開口から絶景を楽しむことができます。
大きな間取り変更を伴うリノベーションが難しいと言われる鉄筋コンクリート造。
こちらは間取りを変更した戸建てリノベーション事例です。
細かく仕切られていた間仕切りや床を取り払い、33畳の広いリビングに。
書斎の壁をアールにしたり、ダイニング上部にかかるブリッジをガラス床にするなどの緻密なプランニングで、リビングルームの広さを十分に活かせる空間となりました。
鉄筋コンクリート組積造の注文住宅事例です。
この工法で特徴的な、石積み調の重厚感ある壁。開口部が少なく、シンプルなデザインの外壁なので、スタイリッシュな意匠が引き立っています。
鉄骨鉄筋コンクリート造住宅の特徴
鉄骨鉄筋コンクリート造住宅は、鉄骨の柱の周りを鉄筋とコンクリートで固めて組み立てる、鉄骨・鉄筋・コンクリートを構造体に用いた住宅です。SRC造ともいいます。
【メリット】
◎耐震性能、気密性、遮音性に優れている
◎広い空間や間取りが取りやすい
◎強度があるため、高層集合住宅建築にも向く
などが挙げられます。
【デメリット】
●住宅の重さに耐えられる地盤が必要
●材料費・建築コストが高い
などが挙げられます。
一般的な住宅ではコスト面なども考慮して、鉄骨鉄筋コンクリート造を選択する場面は少ないかもしれません。
立地条件や予算を踏まえて鉄骨鉄筋コンクリート造住宅を検討する場合は、充分な地盤調査をしましょう。
まとめ
木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造。どれもメリットとデメリットがあります。
それぞれの特徴を活かし、デメリットをプランニング力や素材の改良などでカバーできることもわかりました。
予算、土地の形状や、用途地域の制限があるなか、理想の住まいを実現するには、プロの建築士や職人さんの経験、力が必要不可欠です。
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