一つに決められない人のためのハイブリッドな選択肢をご紹介する第2弾。快適な「いいとこ取り」で、ライフスタイルをもっと自由にデザインしたい方のために、今回は、住まいづくりに役立つハイブリッドな構造や設備をご紹介します。
▽ 目次 (クリックでスクロールします)
無機質な堅牢さ+有機的な暖かみ
古き良き味わい+下ろしたての気持ち良さ
ユニットバスの安心+在来工法の自由
確かな強度+柔軟な施工性
火力のガスコンロ+安全のIH
高効率なエネルギー+エコなエネルギー
本格派の薪+手軽派のペレット
耐久性のアルミ+断熱性の樹脂
無機質な堅牢さ+有機的な暖かみ
高い耐震性や耐久性を備えたRC(鉄筋コンクリート)造。この強固なRCを地下や1階部分など建物の基盤となる構造に採用し、上階や内装を木造で建てたものが「RC+木造」の混構造の住まいです。
傾斜地などの立地条件やコスト調整の観点から混構造が検討されることも多いですが、柱のない大空間を可能にするRC、温かみがあり小回りが効く木造、どちらの特性も捨て難く、それぞれの建材がもつ強みを生かしたハイブリッド構造は、住まいの自由度を広げる有力な選択肢になっています。
街の光景に目を移せば、何かと話題が多かった新国立競技場も、木材と鉄骨のメリットを生かしたハイブリッド構造。ユニークなフォルムを描く鉄骨と、日本らしさをうたった建築に不可欠な木材との調和が印象的です。
木質系ハイブリット構造は、国産・地域産木材資源の循環利用の促進、持続可能な社会づくりへの貢献という側面でも関心が集まる議題です。今後さらに技術革新が進み、ホテルやマンション、学校などの大規模建築の現場のスタンダードになれば、無機質な街の光景も少しずつ変わっていくのではないでしょうか。
古き良き味わい+下ろしたての気持ち良さ
SUVACOの数々のリノベーション事例が証明しているように、古いものを生かすことと新しいものを取り入れることを両立させることで、唯一無二のハイブリッドな価値を生み出すことができます。
既存建物には新しいものには出せない経年変化による味わいや、その時代にしかなかった素材そのものの価値があります。一方、新しいものには現代の技術を生かした機能性や快適性が備わり、新旧どちらもなくてはならない住まいの構成要素になっているのです。
ユニットバスの安心+在来工法の自由
ハーフユニットバスは、浴室の床と浴槽、浴槽までの壁下部がユニット化された商品で、その他の壁や天井、窓や出入りドアなどは自由に選択できる点が特徴です。床と浴槽部分の防水性や工期が短いユニットバスのメリットと、在来工法のデザイン性が叶ういいとこ取り。ハーフというより、むしろダブルバスやハイブリッドバスと呼べそうなアイテムだと思いませんか?
確かな強度+柔軟な施工性
モールテックスは、厚さ数ミリでもコンクリート以上の強度があり、樹脂を含ませることで生まれる柔軟性によって、これまで難しかった施工上の不可能を可能にしたハイブリッド建材。デザインコンクリートとも呼ばれているように、高い意匠性をもちながら、機能性に優れた画期的な建材として感度の高いユーザーに多く選ばれ続けています。
こちらもモールテックスと同様に、強靭性+柔軟性をもつフランス生まれの左官材、セニベトンハイブリッド。天然の顔料が生み出す自然な風合いが特徴です。
火力のガスコンロ+安全のIH
高効率なエネルギー+エコなエネルギー
高効率のガス給湯器エコジョーズと少ない電気量でお湯を沸かすヒートポンプを組み合わせたハイブリッド給湯器は、最適なエネルギーの配分によって省エネが可能に。災害時などでライフラインが止まった時でも、単一エネルギーに頼らない生活は心強い備えになります。
本格派の薪+手軽派のペレット
本格的な薪ストーブと、電力を使った扱いやすさが特徴のペレットストーブとを両立させたハイブリッドストーブは「手間をかけた丁寧な生活が理想だけど、毎日のこととなるとちょっと面倒だし自信がない。都合よく使い分けられればいいのに……。」そんな多くの人のわがままな要求に応えてくれるいいとこ取りのアイテムです。
下の事例のように、薪ストーブと漆喰壁は好相性。ストーブからの遠赤外線を反射する漆喰の壁と組み合わせると、体のしんからあったまる極上空間が生まれますよ。
耐久性のアルミ+断熱性の樹脂
屋外側には高い耐久性が強みのアルミサッシを、室内側には断熱性に優れた樹脂サッシを組み合わせた複合サッシは、それぞれの素材の長所を生かしたハイブリッドサッシとして、選ばれています。いいとこ取りのハイブリッドですが、アルミと樹脂のメリットがそれぞれ半減してしまうという、というデメリットも。
住まいの温熱環境は、住み心地に直結する重要な要素です。お住まいの環境に合わせ、必要な性能とコストのバランスを考えたサッシ選びが大切になってきます。