近年、大家族が減り核家族化がすすむなかで、以前よりも比較的コンパクトな住宅が多く建つようになりました。それに伴い、限られた空間を有効に活用できるスキップフロアが注目されています。今回は、スキップフロアのメリット、デメリットについて考えていきたいと思います。
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▽ 目次 (クリックでスクロールします)
メリット1:空間が有効に使える
メリット2:家族のコミュニケーションがとりやすい
メリット3:明るく開放感がある
デメリット1:コストがかかる
デメリット2:高齢者・障害者のいる家族には不向き
デメリット3:音が響きやすい
メリット1:空間が有効に使える
狭小住宅にスキップフロアがよく使われるのは、廊下などのスペースをとらずにフロアを縦に配置することで、より有効に空間を活用できるからです。
たとえば、リビングにスキップフロアをつくり空間を上下に分けた場合。
書斎やキッズペース、収納など、さまざまな用途の空間を一つの空間につくることができます。通常ならばとりづらいスペースを確保でき、暮らしに広がりが生まれます。
メリット2:家族のコミュニケーションがとりやすい
スキップフロアが通常の住宅と違うのは、極力空間を仕切らず、壁やドアをなくしたつくりであるということ。
たとえば思春期の子供が個室を持っている場合、部屋にこもってしまい、少しずつ家族の会話が減ってきた…そんな経験を持っている親御さんは多いと思います。
しかし、勉強スペースをスキップフロアに設けることで、同じフロアにいなくとも、お互いの気配や会話を感じることができ、コミュニケーションがとりやすくなります。
メリット3:明るく開放感がある
スキップフロアは、フロアが通常より多くあることで窓を多くとることができます。
さまざまな高さに窓を配置することで、日の当たりにくい場所でも比較的明るさを確保することが可能になります。
デメリット1:コストがかかる
やはり通常の住宅を建てるより手間がかかるため、コストがかかります。スキップフロアが自分の家族にとって有効であるか、しっかり話し合う必要があります。
また、できるだけスキップフロアの施工例が多い専門家を選ぶことも重要。
理由としては、通常建築基準法では、1.4m以下の天井は延床面積に含まれず固定資産税も緩和されますが、建てる場所などによって延床面積に含まれる場合があるので、建築前には必ず確認が必要です。
建ててからのコストとしては、開放感がある分、冷暖房が効きにくく光熱費が通常の住宅より割高になることも。
デメリット2:高齢者・障害者のいる家族には不向き
将来その家に年配者、もしくは障害をもった家族が住む場合、スキップフロアはおすすめできません。
子供も小さいしバリアフリーはいらないと思っていても、両親が病気をしたり、けがをした場合、突然同居になる可能性もあります。
デメリット3:音が響きやすい
スキップフロアは縦に空間が構成されるため、音が上下に響き、遮音性が低くなります。そのためプライバシーを確保することが難しくなります。
リビングから聞こえる声で眠れない、テレビの音がうるさくて音楽が聞こえないなど、音に関する問題はさまざまです。
たとえば、寝室などプライバシーが必要な部屋はドアを用いて遮音性を確保するなど、設計段階での工夫が必要です。
メリット・デメリットはありますが、住まい方はその家族によって違います。
両方をふまえながら設計・建築時には十分話し合ったうえで、スキップフロアを取り入れることが大切です。通常の住宅では味わえない、わくわくするような空間、家族が住みやすい空間が実現できるといいですね。