2024/10/15更新0like335view

著者:SUVACO編集部

人気は「ストーン調」「アースカラー」。注目建材「タイル」の最新トレンド

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家づくりを検討するにあたって、楽しみのひとつでもある住宅設備や建材選び。
SUVACOに掲載されている住宅事例からも、タイルは床や壁の広範囲に使用したり、洗面台やキッチンの一部にアクセントとして使用したりと、さまざまな場所に採用されています。

今回は、ミラタップ(旧:サンワカンパニー) 名古屋ショールームの藤谷さんに、見た目も機能性も備えた最新のタイルの特徴やトレンド、選び方などを聞いてみました。[PR]

※「株式会社サンワカンパニー」は、2024年10月1日より商号が「株式会社ミラタップ」(英文表記:miratap inc.)に変わりました。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

タイルを使用するメリット・デメリットは?

タイルの種類と特徴を知っておこう

今、どんなタイルが人気?タイルのトレンドは?

室内の印象に影響する、タイル加工の種類と選び方

施工やお手入れでの注意点について

ご担当者に聞いてみました「わたしだったらこれを選ぶ」

今回、教えてくれた人

株式会社ミラタップ 藤谷さん

名古屋ショールーム

名古屋ショールームにて、主に、設計事務所や工務店、デベロッパーなどプロユーザーに対応する法人営業窓口として、商品の提案、大口の納入調整などを担当されています。

同社は、キッチンや洗面化粧台、水回りの住宅設備から、タイルやフローリングなどの建築資材まで幅広い商品の企画開発・インターネット販売『ミラタップオンラインストア』を展開している住宅設備・建材メーカーです。
一般的な日本家屋の床は、畳やフローリングがこれまで主流となっていましたが、多様なライフスタイルやデザイン性を重視し、室内の床にもタイルを取り入れる住まいが多く見受けられるようになりました。

そんな人気の高い「タイル」は、屋内用・屋外用、床用・壁用とさまざまな種類のものがあります。どちらも兼用で使えるものもありますが、選ぶ際には特性を理解することが大切です。

タイルを使用するメリット・デメリットは?

——まずは、タイルを取り入れる上でのメリット・デメリットを教えてください。

タイルのメリット

藤谷さん

タイルのメリットとして一番にあげられるのは、意匠性の高さです。タイルで仕上げることで空間に表情が生まれ、ワンポイントとして取り入れるだけでも視覚的な効果が得られます。

例えば、室内外使用可能なタイルを室内床から庭のデッキまで同じもので仕上げることで、一体感のある空間に仕上がります。また、洗面台上の壁や寝室の壁を一面のみタイル仕上げにするなど、空間にアクセントを加えることもできます。
その他メリットには、以下のような点が挙げられます。

・天然石や木材のように経年劣化しにくい
・適切なメンテナンスを行うことで、シミや汚れが残りにくい
・水回りで使いやすい
・物が落ちても床の凹みを気にしなくてもいい
・ひんやりとした素材特有の温度感を楽しめる

タイルのデメリット

藤谷さん

夏はひんやりとした涼しさを感じやすい一方で、冬は冷たい、タイル自体は傷がつきにくいけれど、落としたものが壊れやすいなど、メリットとデメリットがつながっている部分がありますね。
デメリットには、主に以下のような点が挙げられます。

・タイルの上に食器やスマートフォンなどを落としてしまうと、割れたり欠けたりしやすい
・​​目地に汚れが溜まりやすく、水回りだと目地にカビがはえやすい
・​冬は寒い(床暖房適用商品もあり)
・施工費が(フローリングと比較して)上がる
・施工や乾燥に時間がかかり、工期が長くなる場合がある
・キッチンでの長時間の立ち仕事などでは、足腰に負担がかかる

タイルの種類と特徴を知っておこう

——タイルにはどのような特性があるのでしょうか?

藤谷さん

タイルは、素地の吸水率や用途、成形方法や釉薬の有無などによって分類されます。
主要な分類である吸水率の違いでは、以下の3種類に分かれ、それぞれの特徴に適した場所での使用が推奨されます。

◆磁器質(Ⅰ類) 吸水率3%以下、焼成温度は約1200度前後
 ー使用場所:主に屋内外の床・壁など
 ー特徴:緻密で水を吸わないので用途範囲が広く、水回りにも向いている

◆せっ器質(Ⅱ類) 吸水率10%以下、焼成温度は約1200度前後
 ー使用場所:主に屋内の床・壁など

◆陶器質(Ⅲ類) 吸水率50%以下、焼成温度は約1000度前後
 ー使用場所:主に屋内の壁など。屋外・水場は使用できないものが多い
 ー特徴:多孔質で素地が柔らかく、吸水性が高い

(2008年のJIS改正によって、磁器質、せっ器質、陶器質などの呼び名からⅠ~Ⅲ類という呼び名に変わっています)
——ミラタップで扱っているタイルには、どのような特徴がありますか?

藤谷さん

吸水率の分類という点ですと、当社での扱いのほとんどが、磁器質(Ⅰ類)タイルになります。主にヨーロッパで当社のバイヤーが買い付けた輸入品がメインで、最近ではアジアで買い付けた商品のラインナップもございます。

今、どんなタイルが人気?タイルのトレンドは?

——最近のタイルのトレンドを教えてください。

藤谷さん

当社では毎年バイヤーが世界最大規模を誇るセラミックタイルの見本市「チェルサイエ」に訪問しており、そこからヒントを得て、最新トレンドを反映した商品の買い付けを行なっています。

実際に、2023年9月に開催された見本市では、自然の豊かさを感じるストーン調のモルタルっぽいものや、石目が大きく現れた表情豊かなタイルが、海外のトレンドになっています。

また一方で、空間の雰囲気を柔らかく演出するアースカラーのタイルも注目されているトレンドの一つです。実際に当社が展開する商品にもこれらの傾向が大きく反映されていますので、トレンドを押さえたタイル選びのポイントになるかと思います。
——トレンドを反映したタイルとして、現在展開されている商品をぜひ見せてください。

藤谷さん

淡いグレーから濃いグレーの3トーンの色味をそろえた『ピエトラセメンデュオ』のシリーズは、常にお問い合わせが多い商品です。

ひかえめな石目とグレーの色調が空間になじみやすい『ピエトラセメンデュオ』

やはり日本では、あまり奇抜なものや大きな柄のものはまだメジャーではなくて、特に戸建て住宅では、こちらのようなグレー調のタイルをご検討いただくことの方が多いかと思います。金額的には、中間〜少し高めのグレードの商品になっています。

ナチュラルな石の表情を再現。自然な色合いの『ポーラーアルデ』

続いて、『ピエトラセメンデュオ』と同様に多くのお問い合わせをいただくのが、『ポーラーアルデ』というシリーズで、やはりベーシックなグレー系の色味のスレート調タイルです。

藤谷さん

さらにトレンドでもある石目の柄がはっきり出るタイプの商品として、大理石調のタイルをご紹介します。

光沢を抑えたマットな大理石調デザインタイル『ステラポルベ 』

大理石調のシリーズ『ステラポルベ』は、タイルらしい存在感や高級感を出したい空間におすすめしたい商品です。金額的にもかなりハイグレードなクラスになっています。

ホテルライクな空間演出に『プレシャス』

『プレシャス』は、『ステラポルベ』よりさらに大理石調の雰囲気が強い商品です。マットタイプとツヤ感のある鏡面タイプの2パターンで、いずれのタイプも人気があり、お好みに応じてお使いいただいています。

藤谷さん

最近の家づくりでは「ホテルライク」がキーワードになっていますよね。そうした空間に仕上げたい時には、このような大理石調のもので、特にツヤ感のあるものをお使いいただくと、贅沢でホテルライクな雰囲気にグッと近づくと思います。
——アクセントとして使うタイルでは、どのようなものが人気ですか?

藤谷さん

アクセント使いとしては、洗面台とミラーの間の壁の部分をタイルで仕上げたいというご要望がとても多いですね。そのようなスペースで使いやすい、小さめのシンプルなタイルや、色味を加えてオリジナリティが出せるタイルをご紹介します。

水まわりにも使える壁用タイル『ウォルノット』

『ウォルノット』は、本当にシンプルなタイルですが、サイズと仕上げそれぞれ2タイプと、色味は白と黒のベーシックカラー2色の組み合わせによる豊富なバリエーション展開が特徴です。

アクセントを効かせた色使いに『ブリックグロッシー』『ビセル』

色味が欲しい場合ですと『ブリックグロッシー』や、『ビセル』は、ポイント使いとしておすすめしているタイルです。単色使いでも、組み合わせ使いでも、タイル仕上げならではの表情が生まれると思います。

藤谷さん

『エボル』は、長方形のシンプルなタイプなので、貼り方や目地をかえることで、さまざまな組み合わせをご検討いただける商品です。

使いやすいホワイトとブラックで、パターン貼りも可能『エボル』

同じ白いタイルでも、目地を白からグレーや黒にするだけで全く印象が変わります。黒いタイルを黒い目地で仕上げても、すごくかっこいい雰囲気に仕上がると思います。

目地の色を変えるだけで、印象が変わる(写真提供:ミラタップ)

タイルと言えば白!永遠のロングセラー『マジスカホワイト』

『マジスカホワイト』は、名前にもあるとおり「マジすか⁉︎」っていうぐらい、白くて安い!(笑)という商品で、ずっと定番商品として人気があるタイルです。

正方形と長方形の2パターンと、表面に光沢のある鏡面タイプとマットタイプの2タイプがあります。シンプルでどこにでも使いやすく、お求めやすいアイテムですね。

室内の印象に影響する、タイル加工の種類と選び方

——タイルのバリエーションとして、色味の他に、表面仕上げに「鏡面」と「マット」の違いがありますが、それぞれ空間の仕上がりにどのような特徴がでるのでしょうか?

藤谷さん

ツヤ感があるタイプでは、「ホテルライク」や「高級感」「ラグジュアリー」というところが、仕上がりイメージのキーワードになってくると思います。
ツヤ感のあるものを選ばれる方は、完全に海外の住宅のような雰囲気をイメージして選ばれているかと思います。

反対に、マットなタイプだと「カジュアル」で、落ち着いた空間になってくると思います。柱は木材で見せて床はマットな暗めのタイルで仕上げるとか、漆喰仕上げの壁に合わせるなど、和風なお住まいでも取り入れやすいのがマットなタイプになる印象です。
——タイルの大きさの違いによって、どのような使い分けが効果的でしょうか?

藤谷さん

アクセントタイルでご紹介した小さめのタイルですと、目地の色や幅、タイルの張り方によってもかなり印象が変わるので、そういう遊び方ができる点が小さいタイル使いのポイントになってくると思います。

一方で、水回りでは、目地の汚れが気になるけれどどうしてもクロスにしたくない、という場合などに、目地をなるべく少なくできるような大判のタイルをご提案するケースもございます。

大判のタイルの使い方として効果的なのは、石目がはっきり出るタイプなど主張が強いものを広い空間で使うことですね。そうすることでタイルの個性がより引き立つと思います。

施工やお手入れでの注意点について

——購入から納品、施工での注意すべき点はどのようなことでしょうか?

藤谷さん

タイルは製造の特性上、色ムラがあるということをまずご理解いただくことが大切です。サンプルと全く同じものをイメージしていると、選んだものと納品されたものが違う!と感じられることがあるかもしれません。タイルに同じものはない、ということをご理解のうえ、購入をご検討ください。

また、焼き物ですので、どうしても欠けや割れがあったり、現場での加工の際の欠けなども生じやすいので、そうしたことを見込んで余分にご購入いただくようにお見積もりもさせていただいています。

発注量が多くなると1回で運べないことがあったり、重量もかなり重くなるので、納品時の段取りには注意が必要です。また、時期(乾燥具合など)による施工のコンディションの違いなども見込んだ工期の調整や発注の確認も必要になるかと思います。
——日頃のメンテナンスでの注意点はありますか?

藤谷さん

基本的には、水拭きでお手入れができる素材ですが、例えば油や色シミになりやすいものをこぼしてしまうと、時間が経つにつれて染み込んで定着してしまうことがあるので、汚れがついたらすぐに落とすことを心がけていただきたいです。強い薬剤を使用すると、変色したりタイルがもろくなってしまう場合もあるので、薄めた中性洗剤を使用して布で拭き取るというお手入れが安心です。
——大きな傷をつけてしまったときなどは、どのように対応したらよいですか?

藤谷さん

一つのタイルに大きな傷がついてしまった場合などでも、部分的な張り替えなどは難しいため、補修での対応がメインとなります。
——タイルには、欠けや劣化が生じてもその都度メンテナンスをしながら、愛着をもって長く付き合っていく楽しみがあるのかもしれませんね。

藤谷さん

そうですね。タイルは一枚として同じものがないので、タイルで仕上げた空間の雰囲気というのも、世界に一つしかないですよね。そういった意味では、本当に一つひとつのタイルの表情を味わいながら、自分だけの空間に愛着をもって、暮らしていただけるのではないかと思います。

ご担当者に聞いてみました「わたしだったらこれを選ぶ」

——藤谷さんが自宅に採用するならこれ!という商品を教えてください

藤谷さん

新商品のマレーシアのタイル『フォンダーラ』のうち、特に「コット」という色味が一押しです。

テラコッタの柔らかな雰囲気とヴィンテージな趣『フォンダーラ』

名古屋ショールームでも実際に展示をしていますが、クラシックなヴィンテージっぽい雰囲気で、かっこよさが際立っている印象です。トレンドでもあるアースカラーを取り入れられるアイテムです。
深みのある色味と模様がとても珍しく、海外の雰囲気が強く感じられます。床にも壁にも使えるので、写真にあるようにベッドルームの壁に使うのも素敵ですし、屋外に敷いて、椅子を置くようなちょっとしたコーナーをつくってもすごくかっこよく決まると思います。

特別な釉薬で、時を経た素焼きの美しさを表現(写真提供:ミラタップ)

個人的には木(もく)が好きなのですが、このタイルのようにくすんだ、暖かみがある雰囲気のタイルだと、自分が好きな木目調の空間にもすごく合わせやすいかなと思います。室内のアクセントとしては、非常にかっこいい空間に仕上がるんじゃないかなと思って、注目しています!

タイルのお話を聞いてみて

SUVACO編集部

水回りや玄関ホールなど、これまではやや限定された場所での使用イメージが強かったタイルでしたが、居室の床や壁に使える内装材として、存在感を増している印象を受けました。色味や質感次第で、和風の建材や住宅との相性が良いことにも深く納得!タイルを活かした家づくりの可能性を強く感じました。

ミラタップ(旧:サンワカンパニー) 名古屋ショールームについて

今回、お話を聞いた藤谷さんがいらっしゃる名古屋ショールームは、名古屋の中心地というアクセスの良い立地で、近隣県から北陸までをカバーする大規模なショールームです。2フロア約290坪のゆとりあるスペースに豊富な商品を展示。「SALONE(サローネ)」をコンセプトとした空間も特徴的で、照明を落としたシックな雰囲気のなかで、商品選びを楽しむことができます。

ミラタップ 名古屋ショールーム内の様子(写真提供:ミラタップ)

所在地 〒461-0001 愛知県 名古屋市東区 泉1-21-27 泉ファーストスクエア 1F・2F
電話番号 052-955-5560 (受付時間:9:30~17:00 ※土日祝10:00~ ※休館日除く)
※ショールームに関する問合せ専用番号です。
※一部展示の無い商品、準備中の商品もございますので、ご来場前にお問い合わせください。
FAX番号 052-955-5561
営業時間 10:00 ~ 17:00
休館日 年末年始、夏期休業期間
ご案内 ※ビルの規定により、ペットを連れてのご来場をお断りしております。

>>ミラタップ(旧:サンワカンパニー) 名古屋ショールームのページはこちら
>>名古屋ショールームのご見学は完全予約制となります。ご予約はこちら

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