SUVACOの創業者・黒木が、これまでお会いした専門家たちの素顔を「完全主観」でお届けするシリーズ。
今回ご紹介するのは、建築家の廣部剛司さんです。
▽ 目次 (クリックでスクロールします)
ザ・住宅建築家
スケッチの魅力
日常も非日常も
豊かな空間を創るための見えない努力
ザ・住宅建築家
廣部さんは私が勝手に抱いている、ザ・住宅建築家というイメージの通りの人なのです。
非日常空間の別荘と、日常を豊かに過ごすための住宅の設計をバランスよく手かけている。大学での教育と、実務での建築設計に、どちらも本気で取り組む。
そして、音楽を愛し(フュージョンバンドを率いてギターを演奏し)、車を愛し(アルファロメオ・スパイダーを乗り回し)、デザインを愛し、旅を愛する(独立前に建築巡礼の旅に)。
自分にはできないことばかり...。
そんなカッコいい姿は、憧れを通り越して敷居が高いと理解されかねない。
でも実際には、自分の提供するものの価値・品格を維持しながらも、お客様が素のままで相談できるように、適度に敷居を下げたいと悩んでいるのではないかな、と感じることもあります。
廣部さんの素顔には、多くの建築家や(そしてSUVACOも!)悩みながら試行錯誤していることが投影されているようにも思います。
スケッチの魅力
ホームページにはあまり掲載されていないようですが、廣部さんとの家づくりで重要な役割を果たしているのがスケッチではないかと思います。実際、廣部さんに設計をお願いすると、ファーストプレゼンテーションで、考え抜かれたプランが一つだけスケッチで提示されることが多いようです。
設計イメージを廣部さんの手書きスケッチでみせられたら、廣部ワールドの虜です。SUVACOの社内にも廣部ファンはとても多い。
廣部さんの最新刊
『世界の美しい住宅』では、その場で描いた家のスケッチが数多く掲載されています。ぜひ、読んでみてください。
日常も非日常も
事例紹介ではどうしても別荘の事例が目立ってしまうのですが、都内で手がける小さめの住宅も工夫があって魅力的なものが多いのです。
都内の小さめの住宅の内覧会に、何度も伺わせてもらっています。先日内覧会に伺った賃貸長屋物件の事例は、賃貸とは思えないほど居心地がよく、ゆったり流れる時間が想像できるような豊かな空間でした。
「実際に設計をご依頼いただくことになった建て主さんから、しばらくしてから『ハイグレードの案件しか受けてくれないと思っていました』と冗談めかして言われることが時折あります。そのコメントを半分うれしく、半分は難しいものだなぁ…という気持ちで受け止めています。」
(SUVACOに寄稿してもらった記事より。
住宅建築における「品格」と「金額」との関係【建築家・廣部剛司さん】)
短いエッセイですが、廣部さんの考え方がよくわかるので、ぜひ読んでみてください。
格調の高い設計事例が多いので、予算に余裕のある案件が多いのかと思っていたのですが、内覧会に伺うと、予算の制約があって苦心したという話を聞くことが結構多いように思います。できあがった事例は文句なく素敵なのですが、その裏では予算とのバランスをとる努力をしていることがわかり、ますますファンになります。
豊かな空間を創るための見えない努力
飄々とした風貌からなんでも要領良くこなしているようにみえる廣部さんですが、見えないところで努力している。お客様には見せない姿かもしれませんが...。
『世界の美しい住宅』の出版記念展に、自身が手がけた事例のスケッチも展示されていました。ファーストプレゼンとして顧客に提示された美しいスケッチにたどり着くまでの、似たような、でも、微妙に異なる構図のデッサンの数々...。自身が納得するデザインにたどり着くまで、行きつ戻りつ、検討をしている様子が伺われました。
多くのケースでファーストプレゼン通りのデザインで決まるとのことですが、そこにたどり着くまで、悩みながら、数え切れないくらいの可能性を検討しているのですね。
このスケッチで描かれている別荘の、実際に完成した様子が動画でアップされています。ご覧いただくと、空間の広がりや空気感も伝わってくると思います。
ちなみに、この動画のBGMは廣部さんご自身が演奏なさっているそうです。
内覧会に伺った時のこと。
予算に収めるのが難しかったが、どうしても使いたい材料を諦めたくなくて、自分であちこち探しまわった結果安く仕入れることができ、思い通りのデザインが実現できて、施主さんにも喜んでもらえたという話をうれしそうに聞かせてもらいました。そんな地道な努力をしてまでお客さまに自分のデザインを届けたいという姿勢に、住宅建築家魂を感じます。こだわりが廣部さんらしいのですが、話の内容の必死さが、飄々としたいつもの姿とギャップが大きくて、人間的魅力を感じます。
予算が少し足りなくても「廣部さんに頼みたいなあ...」と思って悩んでいる方は、SUVACOのアドバイザーに相談してみてください。
<こんな人にオススメ>
□音楽が好きな人。音楽室を作る場合はもちろん、そうでなくても「音楽を作るように設計する」という廣部さんの思いに共感できる人は家づくりのプロセスが楽しいはず。
□家を作るというプロセスを楽しみたい人。
□「廣部さんにお願いしたい!」人。
<こんな人にはおススメしない>
□気持ちや時間に余裕のない人。
□プロセスを楽しめない人。
対応業務 注文住宅、リノベーション (戸建、マンション、部分)
所在地 神奈川県川崎市高津区
主な対応エリア 埼玉県 / 千葉県 / 東京都 / 神奈川県
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