2020/03/11更新1like3065view

著者:SUVACO編集部

中古マンションの耐震性を購入前に確かめるには?

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日本は地震大国です。1995年の阪神・淡路大震災、2004年の新潟県中越地震、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震と、5~10年ほどの周期で甚大な被害を出す大地震が全国で起こっています。住まい選びにおいて「耐震性」の視点は欠かせませんが、特に中古マンションは、新築と比べて情報量が限られます。では、購入前にどこに着目すべきなのでしょうか?

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

中古マンションの信頼性を確かめる方法

【1】新耐震か旧耐震かが大きな分かれ目

【2】中古マンションは管理を買え

【3】地盤の安全性を確かめる

高品質な中古住宅の証「安心R住宅」

耐震性能の高い中古マンションを選ぶ目を持とう

中古マンションの信頼性を確かめる方法

自分の住まいの耐震性が、確実に追求されているかどうか。

これは、「安心できる住まい」という視点から見ると、とても重要な疑問です。でも、素人にはその答えを得るのはなかなか大変。

なぜなら多くの場合、答えは外から見えない構造部分に関わっているからです。

販売センターのモデルルームを見学に行けば、パンフレットや図面集などたくさんの資料をくれる新築マンションと比べると、中古マンションはどうしても集まる情報量に限りがあります。

耐震診断を受けているマンションなら安心感が高まるのですが、莫大な費用が掛かるので、耐震診断済みのマンションはなかなかないのが実情です。

では、中古マンションは耐震性不明のまま購入することになるのかといえば、そんなことはありません。判断の手掛かりにできる基準がきちんとあります。
では、中古マンションの耐震性能を知りたいとき、何をチェックすればいいのかというと、大きなポイントが3つあります。

【1】新耐震か旧耐震かが大きな分かれ目

まず1つ目は、そのマンションが竣工した時期。

住まい探しをする過程で、「新耐震」とか「旧耐震」といった用語を聞く機会は多いと思います。

新耐震基準とは、1981年に改正された建築基準法に準拠した建物ということ。それまでは「震度5で倒壊しない」耐震性が要求値でしたが、このときの改正で、「震度6強~7の大地震でも倒壊しないこと」という巨大地震に対する基準が初めて盛り込まれました。

この基準に則して建てられたマンションなら、最低限安心できる耐震性を備えていると考えていいでしょう。
中古マンションの耐震性を見る際、新耐震基準で建てられているか、そうでないかという点は、必ずチェックすべきポイントでしょう。

なお、新耐震基準は、1981年の6月以降に「建築確認許可を受けた建物」に適用されています。1981年以降の「完成」ではない点に気をつけてください。
ただし、1981年以前に建てられたマンションはすべて地震に弱い、というわけではありません。

旧耐震基準の時期に竣工したマンションでも、新耐震基準をクリアするレベルで頑強につくられているケースは数多くあります。そのことを知っていれば、中古マンション購入の選択肢が広がりますね。

【2】中古マンションは管理を買え

マンションがコンクリートを使って建てられていることは、いまさら説明の必要はないでしょう。ほとんどが鉄筋コンクリート(RC)造や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の、とても頑丈な構造をもっています。

しかし、どんな素材も年月が経つうちに当初の性能が失われていくものですが、コンクリートも同様で、経年劣化は避けられません。コンクリートは健康な状態ならアルカリ性ですが、ヒビなどを放置したままだと空気の影響で中性化し、中の鉄筋が錆びやすくなってしまいます。
だからこそ、中古マンションは管理をチェックすることが重要になるのです。

管理組合が機能し、長期修繕計画に則ってきちんと積み立てが行われ、定期的に大修繕されているならば安心。仲介不動産会社に頼めば、管理の情報を集めてくれるはずです。

また、自分でも現地に足を運び、建物外観の劣化が放置されていないかどうか、確かめることも大切。たとえば植栽の手入れ具合を見るだけでも、管理の品質がある程度は推察できるでしょう。

リノベーション向き中古マンション見学。部屋に入る前にここだけはチェック!

【3】地盤の安全性を確かめる

大地震の後、液状化した住宅地の映像などをニュースで見たことがあると思います。

これから家を買おうとしている場所の地盤についても、できるなら調べておいたほうがいいかもしれません。

ただ、一般的にマンションを建てる前には地盤調査をするもの。必要に応じて地盤改良工事をしたり、固い支持地盤まで杭を打って建物を支えたりしています。

とはいえ、やはり後顧の憂いを払うために、地盤のチェックはしておきたいですね。国土交通省が公開しているハザードマップで、過去に土砂崩れや浸水などの自然災害に襲われていないかどうかなどを調べておきましょう。

高品質な中古住宅の証「安心R住宅」

ほかにもチェックしたいのは、「安心R住宅」のマークが付いているかどうかです。

安心R住宅」とは、2018年4月に始まった国土交通省の制度です。このマークが付いている中古マンションは、建築基準法の耐震基準に達した性能を持っていると公的に認められています。

定義としては、「耐震性があり、インスペクション(建物状況調査など)が行われた、既存住宅売買瑕疵保険の検査基準に適合している住宅」となります。
「インスペクション」とは耳慣れない言葉ですが、「既存住宅状況調査技術者」の認定を受けた建築士など住宅のプロが、耐震性や建物の劣化の有無、修繕の必要性などについて診断するものです。

2018年4月から、中古住宅の購入者にはホームインスペクションについての説明が行われるようになりましたので、これから中古マンションを買おうとしているなら、覚えておくといい用語です。

住宅診断(ホームインスペクション)に対応できるリノベーションの依頼先一覧
また、リノベーション・リフォームが済んでいるならその内容説明があり、まだの場合はその提案書が提示されるのも「安心R住宅」の特徴。安心して、きれいな中古住宅を選べるというわけです。

さらに、水道やガスなどの配管検査と保証が付き、メンテナンスの履歴などが確認できる「適合リノベーション住宅」マークがあれば、より安心して中古マンションが選べます。

耐震性能の高い中古マンションを選ぶ目を持とう

中古マンションを購入する前にチェックすべきポイントは、

【1】新耐震か旧耐震かをみる
【2】管理状況を確かめる
【3】地盤の安全性を確かめる

の3点です。加えて、
安心R住宅
適合リノベーション住宅
といった制度が適用されているかもチェックすると良いでしょう。
国の予測では、南海トラフ地震や首都直下型地震などの巨大地震がこの30年以内に70~80%の確率で起こる可能性があるといわれています。

中古マンションの耐震性をチェックして、万一の際にも安心できるようにしておく、これが地震大国・日本に住むうえで必須のポイントかもしれませんね。

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