設計が進み、着工日などのスケジュールが明確になってくると「現場監督」や「現場代理人」「施工担当者」「現場担当」などと呼ばれる人を紹介されることになるでしょう。
仕事の内容を最もわかりやすく表しているのが、「現場監督」という呼び方で、その現場を動かす責任者になる人です。
現場監督が行う仕事は施工管理と呼ばれ、具体的には次のことを行います。
■工程の管理
工事の始まり~完成までの工事のスケジュール(工程)を組み、職人に工事の内容を伝達します。
また、工事が滞りなく行われるように、職人や材料などの手配を行い、日々変動する天気や近隣の状況にも臨機応変に対応し、工程どおりに工事が進むように管理します。
■品質の管理
建物が設計図や建築基準法、各種工業規定に適合した品質が保たれるように、使用する材料や工事の精度を管理します。
■コストの管理
設計段階で組まれた予算をオーバーせず、適正な利益を生み出せるように、工法や材料などの工夫を行いながら工事を行います。
■安全の管理
工事中にけが人を出さず、事故がなく工事を終えることができるように、危険を予測し、危険度の高い作業が行われる場合には周知や対策などを行います。
■近隣挨拶
安全の管理の一環でもありますが、工事の始まりや、騒音などの不快要素の恐れがある工事を行う場合、
上棟時、竣工時などに現場の近隣に挨拶を行い、工事の報告や、進捗などを周知します。
■建築主や近隣とのコミュニケーション
建築主や近隣住民から工事に関するマナーや不快要素などへの意見を聞き入れ、適切な対応を行い、トラブルの発生を防ぎます。
■追加工事の見積もりや対応
契約後の追加工事の見積もりや、追加工事の対応を行います。
例えば、現場に来た建築主に「ここに棚がほしい」と言われた場合、設計者に確認をとった上で棚作成分の見積もりを作成し、大工に棚の追加についての伝達を行い、工程に棚の製作を盛り込み、棚の取り付け工事を実行します。
大規模なビルや、公共施設などの工事現場でも活躍する現場監督ですが、注文住宅の現場では、特にコミュニケーション能力や、周囲への細やかな気配り、清潔感などが求められます。