家づくりの学び舎

2019/08/20更新0like1820view佐藤ゆうか

ハウスメーカー・工務店・建築設計事務所の違い、それぞれのメリット・デメリット

家づくりをする際に、住宅会社選びで迷われる方は多いと思います。家づくりのパートナーとなる住宅会社で、選択肢として代表的なのはハウスメーカー、工務店、建築設計事務所です。今回は、この3つの選択肢の違いについてメリット、デメリットを中心に確認します。自分に合った家づくりのパートナー選びに失敗しないためにも、この3つの企業形態の違いや特徴についてよく理解しておきたいですね。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

ハウスメーカーとは?

現在の日本で、ハウスメーカーと言われる企業のは数多く存在し、その企業形態は実に様々ですが、あえてひとまとめにすると、ハウスメーカーとは規格化された住宅を主に取り扱う住宅会社のことを言います。

そのほとんどが大企業で、住宅展示場にモデルハウスがあったり、全国的にCMを放映することで、知名度が高いことも特徴です。ハウスメーカーのメリット、デメリットについて確認してみましょう。

■メリット
・規格内におさめればコストが安くなる
もともとハウスメーカーは、大きな企業の規模を活かし、資材や工法を規格化して大量生産することで、低コスト化を目指した企業形態を取っています。そのため、ハウスメーカーで定められた規格の中で仕上げや間取りを決めれば、理想的なコストで工事を行うことができます。

・規格化されているので仕上げ等が選びやすい
ハウスメーカーの取り扱う住宅は、規格化されているため、あらかじめ選択肢が限られた中で仕様を選択する必要があります。限られた範囲と言うと、デメリットに感じられることもありますが、最近は規格内であってもその選択肢はとても豊富なため、強いこだわりが無い場合は規格内で十分満足することができます。

・住宅の特徴や売りが明確
企業内で開発された独自の技術力や工法を活かした家づくりを行っている場合が多く、ハウスメーカーごとに取り扱う住宅の特徴や売りとなるポイントが明確なため、どのような家づくりをしているか、目指しているかがわかりやすいです。

・一定以上の品質が明確に保証されている
住宅の規格化と統一化を可能な限り行っているハウスメーカーの住宅は、品質のばらつきが最も少ないことも特徴のひとつです。また、住宅の工事は下請け業者が行うことになるのですが、ハウスメーカーの工事を行うためには、一定の基準を満たす必要があるため、下請け業者も安心できる技術力を持っていると言えます。徹底的に規格化されているからこそ、管理が行き届きやすく、住宅の品質も明確に保証することができるのです。

・ブランド力で資産価値が高まる場合も
ハウスメーカーの住宅は、その知名度の高さと保障された品質から、ブランド化され、住宅の資産価値が高まることもあります。中古販売する場合も、比較的売れやすい傾向にあります。

■デメリット
・規格からはみ出るほどコストが掛かる
先ほど、規格化されているために仕上げが選びやすいというメリットをお伝えしましたが、ハウスメーカーの住宅は、逆にその規格からはみ出せばはみ出すほどにコストが上がる場合が多いです。

規格外の選択肢を選べない場合もあるため、結果的に理想の家づくりとほど遠くなってしまったという失敗例もあります。あらかじめハウスメーカーの規格を十分に理解し、イメージと合った住宅商品を選んでおくことが大切ですね。

・工事費に広告費等も上乗せされている
ハウスメーカーの多くは大企業のため、多額の宣伝広告費と経営費が必要になります。ハウスメーカーで家づくりをする場合は、建築費にそれらの諸費用が上乗せされていることを把握しておきましょう。

・設計士が現場に行く頻度が少ない
ハウスメーカーの設計士は、1年に何棟もの住宅を担当しなくてはならないため、実際に現場に行ける回数は必然的に少なくなってしまいます。場合によっては、営業担当の写真と採寸データや測量図のみで設計を行い、現場に足を運ばないこともあります。そのため、本当にその土地に合った住宅を設計できるかと言うと、疑問が残る部分ではあります。

・難しい土地だと工事ができないこともある
急斜面の土地や、狭小地、全面道路が狭い等の複雑な条件を抱えた土地の場合、見積金額が高額になり、工事ができない場合があります。土地の条件によって気に入ったハウスメーカーで工事ができないことを防ぐためには、土地探しから相談に乗ってもらうことが大切です。

工務店とは?

工務店とは、一般的に建築工事に関わる業者を総括する立場の会社のことを言います。中小規模の企業が多く、新築工事以外にもリフォームから公共工事まで幅広い建築工事を手がけていることもあります。

工務店のメリット、デメリットについて確認してみましょう。

■メリット
・コストが限りなく原価に近い
多くの工務店は、企業の規模が小さいことから、経営のための諸経費が少なく済んでいるため、原価に限りなく近い工事費で住宅を建てることができます。

・比較的安心で安全な住宅設計
工務店に家づくりを依頼した場合、その設計については瑕疵を出さないことが重視される傾向があります。地域に根付いた経営を行う工務店は、口コミが命取りの部分があるため、雨漏り等の瑕疵には細心の注意を払います。

基本的に使用する資材はメーカーの保証がある既製品で、工務店が扱い慣れていて、安全性の実績があるものを使用する場合が多いです。

・難しい土地でも対応できる
工務店は、ハウスメーカーから断られた難しい土地の家づくりを担うことが多いため、複雑な条件を持つ土地の家づくりも原価に近い価格で対応することができます。

・地元の風土をよく知っている
地域に根付いた経営を行っていることも多い工務店は、その地元の特徴や、起きやすい経年変化を熟知しています。その土地に適した提案を行ってくれることが期待できます。

・あらゆる工事の経験を新築に活かしてくれる
公共工事やリフォームも手がけている工務店は、その工事で培った経験を新築に活かすことができます。豊富なリフォームの経験から、先々のリフォームを見越して、施主に寄り添った設計の提案を行ってくれることがあります。

■デメリット
・得意、不得意がはっきり分かれる
工務店によっては、工法の得意・不得意等がはっきり分かれます。不得意な場合には工事費が高くなったり、工期が遅れるなどのトラブルに見舞われることもあります。依頼しようとする工務店の得意な工法と、自分たちの要望が一致するかどうかをよく確認しておくことが大切です。

・設計の自由度は担当者次第
工務店の設計は安心、安全を心がける傾向があることをお伝えしましたが、そのためにデザインが保守的になる傾向があります。また、要望としてデザイン性を求めても、瑕疵の恐れから無難なデザインを勧められることも多いです。

ハウスメーカーのように、設計の自由度に制限はありませんが、企業の方針によっては、安心できる設計しか行わない場合もありますので、デザイン性の高い住宅を求める場合は、あらかじめ工務店の施工例からデザイン性を確認しておきましょう。

・会社の経営状況が不明確
中小規模の企業が多い工務店は、その経営状況を明確に把握しにくいです。現在は、大半の住宅において竣工後10年間の瑕疵保証がありますが、依頼先の倒産というのは、避けたい事態です。心配な場合は、経営状況について調べた上で依頼をしましょう。

建築設計事務所とは?

建築設計事務所とは、その形態は様々ですが、建築物の立案、設計、作図、工事監理などの設計業務を行う事務所のことを言います。建築士が一人で事務所を経営している場合や、建築士が何人かで事務所を運営している場合や、
企業として多くの建築士によって設計業務が行われている場合もあります。建築設計の専門家として、施主の望む住宅を、高いデザイン性とセンスで実現してくれます。

■メリット
・自由で個性的なデザイン住宅
設計事務所との家づくりは、設計の自由度が限りなく高いことです。企業側や施工側の都合である規格化や、使いやすい部材というのとは関係なく、限りなく自由に設計を行うことができます。その上で、他にはない独自のセンスから個性的でデザイン性の高い住宅を設計してもらえることが期待できます。

・土地の条件を最大限に活かす設計
地元に根付いた設計事務所は、その環境を熟知した上で提案をしてくれることがあります。他の住宅会社に比べて、設計に時間をかけることができるため、何度も土地を訪れてその土地についてよく把握した上で設計を行ってくれることが多いです。そのため、土地のいい部分を最大限に活かして、デメリットとなる部分は設計力でカバーするような住宅を作ることが期待できます。

・作品に住むというステータス感
多くの設計事務所は、完成した住宅を作品とみなします。場合によっては雑誌に掲載されることや、建築士の試験問題にされることもあります。その作品に住むという、他にはないステータス感もメリットとして挙げられます。

・難しい土地の場合コストを抑えられることがある
狭小地や傾斜地等の複雑な条件の土地の場合、ハウスメーカーや工務店では実現できないような住みやすい住宅をその設計力で提案してくれることが期待できます。複雑な条件を抱えた土地は、相場が安い傾向があるため、結果的にコストが安く抑えられることがあります。

・細やかな設計監理
設計事務所の建築士は、設計監理についても時間をかけて行うことができます。設計監理とは、図面と工事が適合しているかを確認することを言います。設計事務所の工事は、工務店等の施工会社に依頼されますので、厳しい目線で細やかな設計監理を期待することができます。

■デメリット
・設計料が比較的高い
設計事務所の報酬は、設計監理費として支払うことになります。一般的には工事総額全の10%が目安です。予算に限りがある場合、工事費も含めて早い段階から打ち合わせをしておくことが大切です。

・個人に頼むという不安感
建築設計事務所に依頼するきっかけとなるのは、所属する建築士の作品の雰囲気が気に入ったり、人柄が好きになることや、知人に紹介されることが多いです。そのため、会社に依頼するというよりも、個人に依頼するというスタンスが強くなります。

その建築士のセンスが好きになって依頼するので、仮に担当者が不在になってしまった場合は、他の人に引き継がれたとしても、根本的な要望が叶えられなくなることになります。人間、日々その身に何が起きるかわかりませんので仕方がないことですが、個人の作品に惚れ込んで依頼する場合は、その建築士の健康を祈るほかありません。

・着工までに時間がかかる
設計事務所の家づくりは、ハウスメーカーや工務店の設計と比べて時間がかかります。
作成する図面の枚数についても、ハウスメーカーや工務店の倍以上になることもあります。着工までに十分な期間が取れることを確認した上で依頼した方が無難です。

・竣工後の維持管理
デザインにこだわったあまり、ハウスメーカーや工務店の手がける住宅に比べて、竣工後の維持管理が大変になることがあります。家の日々の手入れが苦にならない場合は問題ありませんが、なるべくメンテナンスを少なく済ませたい場合は、その点についても要望として伝えてくことが大切です。
注文住宅の場合、立案から竣工までの期間は一般的に半年~数年かかります。住宅は住んでからのメンテナンスも大切なので、その後の付き合いも考慮すると、その家に住み続ける限り、家づくりを依頼した会社とは付き合うことになります。

今回の内容は、一般論としての説明ですので、必ずしも当てはまらない場合もあります。家づくり中はもちろんですが、住んだ後もいい付き合いをして行くために、担当者との相性を見極めながら、本当に自分に合った家づくりのパートナー探しができるといいですね。
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この記事を書いた人

佐藤ゆうかさん

2級建築士。
工業高校卒業後、中小規模の建設会社に勤務。
木造住宅を中心に新築やリフォームの設計に携る。
現在は3児の育児を中心に在宅ワークに励み、いつか現役復帰を夢見ながら建設業界にしがみつく日々。

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