2021/08/23更新0like1849view

著者:岩間光佐子

ひとり籠れるスペースにも。小屋裏・ロフトのプランニングの注意点・実例

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この記事を書いた人

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

広がりのあるスペースが実現できる、空間の有効利用が可能、収納スペースが確保できる、などの理由から人気の小屋裏やロフト。プランニングによっては、多様な用い方も可能な空間です。ここではプランニングのポイントや注意点、参考になる実例をご紹介します。

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▽ 目次 (クリックでスクロールします)

限られたスペースを有効活用する小屋裏・ロフト

有効利用できるプランニングのコツ

小屋裏の実例と注意点

ロフトの実例と注意点

住まい全体の間取りで検討を

限られたスペースを有効活用する小屋裏・ロフト

新築やリフォームで多くみられる小屋裏やロフトを設けたプラン。空間を有効に活用できる、収納スペースを確保できる、フレキシブルな使い方ができることなどから、取り入れたいと望む方も多いようです。

一般的に小屋裏とは、屋根のすぐ下の部屋の天井から屋根との間にできた空間のこと。2階建ての住宅であれば、2階の天井と屋根との間のどちらかと言うと閉鎖的な空間を指します。ロフトも小屋裏空間に含まれますが、すぐ下の部屋に開放された部分を持つスペースであり、部屋の一部が二層になっているプランの上部スペースのことを指す場合が多いでしょう。
小屋裏もロフトも建築基準法では「小屋裏物置等」となり、天井高や面積に制限(天井高は1.4mまで、広さは下の階の床面積の2分の1未満)が設けられています。昇降に関しても自治体によって、通常の階段のような「固定階段」が可能な場合と、「可動式のはしご」と指導する場合があります。また、窓の設置や大きさ、床に用いる素材、コンセントの数やエアコンの設置などに制限のある地域もあるので、プランニングの際には、設計担当者や施工会社に事前に相談、確認が必要です。

有効利用できるプランニングのコツ

目的に合わせた空間づくり

小屋裏やロフトをプランニングする際には、まず、使用目的に合わせてプランニングすること。収納スペースとするのか、子供の遊び場にするのか、ひとりで籠るようなスペースとするのかなど、いつ、誰が、どのように利用するのか、ある程度明確にしておくこと。その上で適する空間のつくりを検討するようにしましょう。
 
小屋裏やロフトは閉鎖的な空間となるケースが多いため、採光や通風のために、小窓を配したり、天窓(トップライト)などを考えておきたいもの。勉強や仕事をする場とするならば、設置数などに制限がある場合もありますが、照明やコンセントなどの計画も必要です。

また、収納以外で利用する場合は、床壁天井材なども配慮を。天井高が低いため床座スタイルで使用するケースも多いので、クッション性のある床材(使用素材に制限があることも)などもいいでしょう。

使い勝手を考慮して配置や昇降方法を

小屋裏やロフトの使い方に合わせて、間取りのどこに配置するのか、どこから昇降するのかも重要なポイントです。たとえば収納スペースとする場合、行き来しにくく上り下りしにくい場所では、利用頻度が低くなり有効活用できないケースもあります。特に昇降する場所、昇降方法については十分に検討するようにしましょう。「固定階段」にしろ「可動式のはしご」にしろ、ある程度のスペースが必要ですし、安全性などにも配慮が必要です。

換気や夏場の暑さに配慮して

住まいの上部に設けられる小屋裏やロフトは、夏の暑さ対策も重要なポイントです。屋根の断熱性はもとより、換気のための窓などを取り付けるなどして、熱気を排出する工夫を。窓には、夏の日差しを遮るシェードやブラインドを設けるなど考えておきたいものです。ロフトの場合には、すぐ下の部屋と合わせて冷暖房空調の計画を進めるようにしましょう。

小屋裏の実例と注意点

収納スペースとして

小屋裏は間取りによって異なりますが、かなりの容量を収納することが可能です。プランニングの際に重視したいのは出し入れのしやすさ。大きなものを持って昇降することができる昇降方法とすることもポイントです。

自治体によって、固定の階段を設けることができない場合は、大きく重い荷物の上げ下ろしが可能なはしごを選ぶことも大切です。

在宅ワークのスペースとして

仕事のスペースとして使用するのであれば、作業スペース、椅子や収納などを確保しておきたいものです。空調やコンセントなど地域の制限に準じて計画しておきましょう。

子供の遊び場として

子供の遊び場としては、まず、安全性の確保を。昇降のしやすさはもちろん階段まわりの柵や手すりなどにも注意が必要です。

ロフトの実例と注意点

子供部屋に設けて

ロフトを子供室に設けるプランも多くみられます。収納だけでなく寝室としたり遊び場とするケースも。いずれにしても、転落の危険性なども考えられるので安全性を最優先し、階段や手すりの形状は検討するようにしましょう。

はしごを設置する場合、ロフト下部の使い勝手に合わせ、机やベッドなど置家具の邪魔にならない位置に設けること。子供部屋は限られたスペースの場合が多いので注意が必要です。

リビングに設けて

リビングやダイニングなど家族がくつろぐ空間にロフトを設けるプランもみられます。2階リビングなどで高い天井高を確保し、その一部をロフトとするケースも多いようです。空間全体の快適さを確保するため、空調計画は下の階と合わせてトータルで検討するようにしましょう。

平屋にロフト

平屋のプランにもロフトは使い勝手のいいものです。一般的な2階建てに比べて床面積が狭くなるケースが多い平屋でも、ロフトを設けることで広がりが生まれ、スペースも確保できます。収納としてだけでなく、ベッドコーナーや個室のように用いてもいいでしょう。

住まい全体の間取りで検討を

小屋裏やロフトは、住まい全体の間取りによってそのプランは変わってくるものです。それらのスペースだけで考えるのではなく、その下の階や空間とのつながりを意識して検討するようにしましょう。特に階段やはしごの設置プランは動線にも大きく影響するので注意が必要です。
小屋裏やロフトのプランは多様に考えられます。漠然と小屋裏やロフトを設けたい、というのではなく、何のために必要なのか、どう利用したいのかを明確にしておくこと。モデルハウスやSUVACOの実例などを参考に、わが家の場合であれば、どう使うことができるのか、イメージすることが大切でしょう。

この記事を書いた人

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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