中古物件を買ってリノベーションするときに、見落としがちな給湯器。室内設置と屋外設置の違いや、物件内覧時のチェックポイント、リノベーションする時の対応方法などについて、プロが解説します。
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給湯器の室内設置と屋外設置、その違いは?
リノベーションする時の対応策
こんにちは。東京・恵比寿にあるリノベーション会社のEcoDeco(エコデコ)です。この連載では、リノベーションを検討する方々へ向けて、「物件を読むコツ」について解説しています。
対応業務 注文住宅、リノベーション (戸建、マンション、部分)
所在地 東京都渋谷区 (ほか全2拠点)
主な対応エリア 埼玉県 / 千葉県 / 東京都 / 神奈川県 / 福岡県
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リノベーションにおける物件内見時のコツ、今回は「給湯器」です。
給湯器の室内設置と屋外設置、その違いは?
皆さんご存じのお湯をつくる「給湯器」ですが、中古マンションのリノベーションをする際、たまにネックになってくるのが室内に設置されている場合です。
今の給湯器の主流は屋外設置となっています。なぜかというと、室内でガスを燃焼させることは危険が伴うからなのです。もしガスを燃焼させる際に十分な空気が得られなかったら、ガスは不完全燃焼となってしまいます。そうすると室内には一酸化炭素が充満してしまい、人命に関わる事故が起こってしまうかもしれません。
という訳で、今は給湯器は屋外設置が基本です。
もちろん、今でも室内設置型の給湯器は販売されていますし、室内設置型は「特定保守製品」という扱いで定期点検を受けるようになっていますので、ちゃんとメンテナンスしていれば危険は回避できるような制度が整えられています。
では、何が問題なのか!?
それは「追い焚き」ができないかもしれない!ということなのです。「追い焚き」って生活リズムが違う家庭では必須だったりしますよね。
リノベーションで追い焚き機能付きの給湯器に交換したい、という要望は設計していてあまり聞きません。なぜなら、みなさん給湯器を交換したら当然追い焚きできるようになると思っているから!まさに盲点なのです。(だからコツなのです……)
物件を内見した際にこんな風に給湯器が室内に設置されている場合は、本体にシールが貼ってあるので、そこに書かれた品番をメモしてメーカーに確認することをオススメします。
給湯器から出ている管は「給気用」と「排気用」です。これが外壁まで伸びていて、外壁には「給排気口」が設置されています。
リノベーションする時の対応策
中古のマンション見ているとよくあるケースなので、「またかぁ〜」程度なのですが……。
一番良いのは、管理組合や管理会社に確認して、屋外設置に変更することです。その方が室内も有効活用できますし!
外壁に穴を空けることをNGにしているマンションがほとんどですが、排水勾配のようなコトは考えなくてよいので、既存の穴を上手く活用すれば割と簡単に屋外設置に変更できますよ!(工事申請でOKをもらう必要がありますが…)
過去の事例(M様邸)としては、洗面室に変更した部屋にある給気口を利用して屋外に設置
バルコニー側の壁にある給気口を利用して屋外に設置(U様邸)
いかがでしたか?
いろいろ解決策はありますが、給湯器の設置場所は内見時には要チェックです!