2017/12/28更新1like3325view

著者:RoomClip mag

リノベで思い通りにカスタマイズ。本物素材を厳選した家

この記事を書いた人

RoomClip magさん

暮らしとインテリアにまつわる「ノウハウ」をお届けするウェブマガジン。日本最大級のインテリアSNS「RoomClip」に集まった写真を元に、誰にでも役立つ情報をお届けしています。

中古住宅を購入し、住まい手のライフスタイルにあった形にガラリと変える「リノベーション」。この連載では「施主目線」に立ち、リノベーションでなければならなかった理由やパートナーを選んだ基準、そしてこだわりポイントを掘り下げます。

今回はリノベーションを選んだことで、住み慣れた都心の土地で、自分たちらしく暮らしも住まいもカスタマイズできる家を実現されたjocobuさんにお話を伺いました。ヨーロッパで、リノベーションという文化を身近に感じていたjocobuさんならではの、こだわりや住まいづくりの楽しみ方にも注目です。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

今回教えてくれたユーザーさん♪

jocobuさん(RoomClip)
ヨーロッパ在住の国際線キャビンアテンダントです。IT会社を経営する主人と時々、東京で暮らしています。

そもそも家探しをしようと思ったきっかけは何ですか?

「もともとは、港区にある分譲の賃貸マンションに住んでいました。とても気に入っていたのですが、賃貸であったことと、販売されている他の部屋は間取りが狭かったり、同じ間取りでも眺めが劣っていたりと、条件がうまく合わず同じマンションに住み続けることは断念。主人の仕事の関係もあり、これまでと同じ都心のエリアに絞った物件を探すこととなりました。 」

どうして、リノベーションじゃなければダメだったんですか?

「どうしても住み慣れた都心で、自分達らしく暮らしたかったからです。私はヨーロッパに住んでいるのですが、向こうではリノベーションは当たり前の習慣です。そのため、キッチンがない部屋に、自分で買ってきた好きなキッチンを取り付けたり、壁を好みのカラーにペンキで塗り替えたり……ということに抵抗もなく、むしろ興味があったので、ウェブサイトなどでよく、素敵なリノベーション事例をチェックしたりもしていました。よって、新しい物件を探すにあたっても、自分の好きなようにリノベーションでカスタマイズしたいと思っておりました。一方、主人はその時々のライフスタイルに合った暮らしがしたいと、賃貸派でした。

物件探しの過程で、新築マンションも、リノベーションされている中古マンションもいくつか内見しましたが、主人は『こういうのだったら賃貸でも良いのでは?』と思ってしまったり、立地が良くてもどこかしらお部屋に気に入らない箇所があったりなど、購入するにはどこか決め手に欠けていると言っていました。

そんな折、施主によるこだわりのリノベーション物件の内覧会があり、主人を誘い行ってみることにしました。実はその内覧会、私は急遽仕事の都合で行けなかったのですが、一人で見に行った主人が、『これだ!』と思ったそうです。そうした空間に私と一緒に住むイメージが沸いたとのことで、『住む人のために作られた家、こういう家にできるなら賃貸ではなく、マンションを買いたい!』と思ってくれるようになったようでした。 さらに、主人の友人宅へ遊びに行くと、彼らの家もリノベーション物件だったりして、だんだんとリノベーションが身近になっていき、当たり前のようにリノベーションを前提としたマンション探しが始まりました。」

どんなお部屋にするかのイメージやアイデア、リノベーションの依頼先は、どうやって探しましたか?

「どんな部屋にしたいかのアイデアは、雑誌やインターネットなどいろいろなところから集めましたが、東京や国内外の旅先で出会った魅力的な建物やカフェ、レストランの内装・インテリアからもたくさんのヒントをいただきました。特に私たちの家のテーマとなった「インダストリアル」は、イギリス・マンチェスターへの旅行での体験が元になっています。「産業革命はここで起きたのだなぁ……」というような歴史的な建造物が気に入り、作り込まれたものではなく、元祖インダストリアルデザインのかっこよさと、時間の流れとともにあり続ける「本物」に魅せられたんです。

リノベーションの依頼先の探し方や決め方としては、マンションの検索からリノベーション会社を知る場合もありましたし、リノベーションの事例を検索し情報を得たりもしました。(もちろんRoomClipさんも参考にさせていただきました。)

その後過去の事例が気に入ったところや、センスの良い友人から紹介のあった3社ほどに絞り、それぞれとお話をしてみました。最終的に『howzlife』さんを選んだ最大の決め手は、リノベーションの経験値が高く、多くの選択肢をお持ちだったことです。

もちろん、センスの良さは大前提。

リノベーションでは短時間でたくさんのことを決めなければなりません。メールでのやり取りもございますが、仕事帰りや週末に数回ですが対面での打ち合わせもごさいます。ですのでリノベーション会社のオフィスがどこにあるかも重要です。恵比寿にある『howzlife』さんは、購入した代官山の物件からも、当時住んでいた港区のマンションからも近い場所にあったので行きやすかったです。」

実際にできあがった家を見たときは、どう思いましたか?

「建築中も見学して良いとのことだったので、行程の邪魔にならない夜などの時間帯に訪ねてみては、できあがりを少しずつ確認していました。

実際のできあがりを拝見した時には大きな驚きは無かったのですが、日々出来上がっていく過程でのワクワク感がありました。最終的に願った通りの好みの空間になっていて、言葉にし難い喜びを感じました。

その後、実際に住んでみてもその点は変わらず、『模様のように眺められるあらわしの天井は、趣があって楽しいな』『無垢アカシアのフローリングは、寝そべっても気持ちが良いな~』とつくづく、住まいの良さを実感できる日々です。」

特に気に入っている場所はどこですか? 5つ教えてください

①見た目も、使い勝手も欲張ったステンレスキッチン
「ステンレスのクールな質感が好きだったのもありますが、実際の使用での耐久性や衛生面を考慮した上で、総ステンレスを選択しました。 私がヨーロッパで使用しているMiele(ミーレ)の食洗機を採用したのですが、日本の既製品のキッチンではサイズが対応していなかったので、施工会社さんにオーダーメイドしていただいています。水栓も、ヨーロッパで使っているものと同じGROHE(グローエ)を取り付けてもらいました。」
②厳選して使用した、本物素材
「タイルならば陶器を、室内のドアや窓には鉄を、板床なら無垢材……と質感を重視し、本物の素材を厳選し採用しました。

インダストリアル風のデザインにしたのですが、今流行りのエイジング加工はあえてせず、日々自分達で使い込んでいく中で味が出てくるのを楽しみたいと考えています。」
③配置やディテールにまでこだわったドアたち
「天井まであるリビングのアイアンドアは『howzlife特製』です。寝室のドアや室内窓も、アイアンで統一しました。同じドアをパラレルに置くことにもこだわりました。ちなみに、アイアン仕様は、我が家のリノベーションのテーマのひとつでもあります。 湿気の気になるトイレや洗面室のドアは、輸入ドア屋さんに自ら足を運んで選ばせていただきました。 また、鍵や取手といったディテールも、実際に手に取って選んだアイテムです。」
④イタリア製の「四角い」洗面台とモザイクタイル
「ドアの取っ手もですが、洗面台も自分の好きなアイテムが選べるのがリノベーションです!

『四角いもの』と主人はかねてより(?)決めていて、ショールームで見つけたスタイリッシュなものを採用しました。

洗面台の下のテーブルは、見た目と衛生面を考慮してヨーロッパのホテルによくあるような大理石にしています。

都心のマンションの空間を最大限有効に活用しつつ、見た目の美しさにもこだわりたかったため、棚などの建具も全てオーダーメイドです。全て、howzlifeさんの手による物たちです。

モザイクタイルは、夫婦で名古屋モザイクのショールームへ行き手に取り、リフレクション(※光の反射での見え方具合)も確認して選んだものを使っていただいています。」
⑤モルタルのクールな空間
「モルタルもリノベーションで使いたかった要素の一つでした。建具や金具も、モルタルの雰囲気に合うものを探したり、作っていただいたり。例えばこちらの玄関にある大きな鏡は、シューズクローゼットの扉になっています。私たちの希望で、howzlifeさんを通しオーダーメイドしたものです。また、別の場所にある大きなクローゼットの扉もモルタルの雰囲気にあわせ、輸入扉屋さんにオーダーしました。取っ手はhowzlifeのデザイナーの黒田さんが、私たちのイメージに合うものを、探してきてくださいました。ちなみに、howzlifeさんは家具も得意としているのが魅力。リノベーション会社には得意・不得意分野というのもがあるみたいなので、その辺りは決定前に確認した方が良いのかもしれませんね……。」

リノベーションを振り返ってみて、いかがでしたか?

「気に入った空間に帰るのが、いつもとても楽しみです。 振り返って大変だったと思うことは、デザイナー(黒田さん)や現場で作業されている方々とのイメージの共有です。

事前にたくさん話し合ったつもりでも、マンションの内装の解体後、作業していくと予定とは異なる部分が出てきます。工事期間が限られている中、再度こちらの意向を説明することもありました。施工会社のhowzlifeさんは、私たちの理想に寄り添い、尽力してくださいました。

新築マンションや素敵なリノベーション済みの物件を購入する選択肢もあると思いますが、東京の好きな場所に自分たちのための空間を思い通りに完成させることが出来るのがリノベーションの最大の魅力かもしれません。

心残りや悔いは、特にございません。強いて言うのであれば……リノベーションをした後に、マンションの修繕で玄関ドアや窓の交換があり、ベランダに面した箇所のタイルや窓枠の手直しが必要になってしまいました。しかし、窓のサッシや玄関ドアといった共有部で、自分たちで勝手に変えることのできなかった部分が、思いがけず新しくなり、とてもありがたかったですね。幸運なことに、最新の窓と玄関も手に入ってしまったのですから。」

お話をお伺いして

住み慣れた利便性の良い土地で、妥協なくこだわりの家を手に入れるには、リノベーションが最高の選択肢だったとjocobuさんは語ります。住まいをカスタマイズするのが「当たり前」のヨーロッパで生活をしているjocobuさんだからこそ、住まいへのこだわりは並々ならないものがあったのではないでしょうか?間取り、素材、ディテール、あらゆる要素を自分らしく楽しみながら、丁寧に作り上げていくことのできるリノベーションの醍醐味が、今回伺ったお話からは溢れんばかりに伝わってきます。自分らしいこだわりだけでなく、ご主人の考え、物件選び、解体後の予期せぬ変更……そうした様々な困難を乗り越えながら手に入れた家だからこそ生まれる、特別な感情もきっとあるはず。

また、jocobuさんはインダストリアルをひとつのテーマとして掲げていますが、あえてエイジング加工は施されていません。それは、それぞれの素材の持つ質感を大切に、ご夫婦の時間と一緒に宿っていくであろう、そこにしかない「味」を楽しむためだと話してくれました。自分たちのために、自分たちで作り上げた家で、自分たちの時を重ねていく……そんな贅沢な暮らしを満喫できるのも、リノベーションの醍醐味なのかもしれません。

jocobuさんのお住まいについて

・所在地: 東京都渋谷区
・物件種別: マンション
・建築面積: 66.6m2
・間取り: 2LDK+WIC
・この家に住む人: 2人
・施工期間: 3ヶ月
・総費用: 約1200万円
・設計: howzlife
写真と間取り:jocobuさん
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