MORTEX(モールテックス)とはベルギーのBEAL社で開発された鉱物性のモルタルで、左官業界に革命をおこしたと言われています。それはモルタルには不可能とされていた施工が、モールテックスによって可能になったから。リノベーション業界でも大注目の新材料「モールテックス」の魅力を探ります。
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モールテックスの性質
さまざまな表情を楽しむことができる
リノベーション向き
カラーが豊富
工期はどれくらい?
だれでも塗れるの?
モールテックスの家具
モールテックスの性質
モールテックスは、膜厚1~3mmの薄さでもコンクリートの5倍ほどの強度があると言われています。
耐久性に優れ、キッチンや洗面台の角も割れにくくなります。また、モルタルはセメントと水でできているのに対し、モールテックスはセメントに樹脂を含んでいるため柔軟性があり、ヒビが入りにくいメリットがあります。
さらに防水性に富んでいるので、床、壁だけでなく、水回り、家具、屋外などさまざまな場所に施工できます。
さまざまな表情を楽しむことができる
モールテックスは意匠性が高く、別名「デザインコンクリート」と呼ばれています。理由は、塗りムラや表面加工によって、さまざまな表情を出すことが可能だから。
その分、イメージに合わせるのは熟練した職人さんの腕にかかってきますが、ユーズド感を出せばビンテージ、インダストリアル調に、均一に塗ればモダンスタイルにと、スタイルに合わせてデザインすることができるのです。
リノベーション向き
モールテックスは接着性能が高いので、塗る下地を選びません。
木材やスタイロフォームといった吸水性のあるものや、タイルやメラミンといった表面が滑りやすいものでも施工することができます。
既存の壁や床を撤去せず、その上から塗れるので、リノベーション向きと言えます。
カラーが豊富
モールテックスというとグレーを想像しますが、実はカラーバリエーションが豊富で、茶系、黒系だけでなく、顔料で微妙な色合いも出すこともできるのでグリーンや白系の色も!
またゴールド、シルバーを使い、錆、金属、石などの質感もつくり出せるので、多様なニーズに対応することが可能です。
工期はどれくらい?
モールテックスの工程をおおまかに説明すると、下地(乾燥:半日弱)→上塗り1層目(乾燥:1日)→上塗り2層目(乾燥:1-2日)→研磨→ワックスといったように、乾燥時間が必要で工期がかかります。
工期がかかるということは、手間がかかるということ。よって工事費も高くなります。
モールテックスを考えている方は、頭にいれておくとよいでしょう。
だれでも塗れるの?
材料は誰でも購入はできますが、施工は誰でもできるわけではありません。
モールテックスで難しいのは、色の調合や仕上げの技。工事を依頼する際は、経験豊富な施工業者に依頼することをおすすめします。
また、近年人気に伴い、全国各地で講習会が行われています。誰でも受けられるので、興味のある方は参加してみるのもよいでしょう。
モールテックスの家具
耐久性、防水性、柔軟性といった性質を利用して、最近はモールテックスの家具が人気です。
モールテックスの天板に木材の脚など異なる材料を組み合わせるなど、モダンでありながらあたたかみがある、今までにはない家具が制作可能になり話題をよんでいます。
継ぎ目がないシームレス加工が可能なので、小口加工もなく、大き目の家具にも対応できます。また、細かい場所の施工も可能なので、テーブルの中に穴をあけてグリーンを飾るなど新しい家具の楽しみ方ができます。
モールテックスは新材料とは言え、モルタルの常識を破り、意匠性と機能性を兼ね備えた最強材料といえます。今後もますます人気が高まっていくでしょう。
一見冷たい印象ですが、味わいがあり、木材とも相性がよいモールテックスをぜひあなたの家にも取り入れてみませんか?