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[前編]はこちらからご覧いただけます。
Aさん:
今まで何度も、インターネットなどで検索してみたのですが、条件に合う魅力的な物件を見つけられないんですよね。築年数は経っていても、耐震や修繕状況に問題がなければOKですし、フルリノベーション前提なので、内装や間取りにもあまりこだわっていないのですが…。
中目黒で50平米以上だと、予算3,500万円は無理なのでしょうか。
菅本:
物件にもよりますが、決して無理な金額ではないですね。築年数にこだわらないなら、だいたい3,000万円台後半が相場と考えてよいと思います。面積はなぜ50平米以上なんですか?
Aさん:
住宅ローン減税を使いたいなと思っているんです。やはり10年の控除、しかも今後さらに3年伸びるかもしれない、というのは魅力的で。(2018年12月時点)
菅本:
なるほど。住宅ローン減税の適用をご希望であれば、面積の他にも満たすべき要素が出てきます。
主な適用要件は
・年収3,000万円以下。前後2年に他の減税特例を受けていないこと。
・床面積が「登記簿で*」50平米以上
*パンフレットなどでは、内壁の厚みの中心を基準に計測する「壁芯」で書かれていることが多いです。一方、登記上の数字は壁の厚みの内側(部屋側)を基準とする「内のり=実際に住んで使えるスペース」になります。壁芯の数字が50平米ぎりぎりに近いと、内のりはそこから平均3~4平米少なくなるので、必ず登記上の数値を確認しましょう
・耐火建築物(マンション等)の場合、築25年以下、もしくは耐震基準に適合し証明書が出せること。
が必要になります。
Aさん:
なるほど、面積だけではだめなんですね。“築25年以下もしくは耐震基準に適合”が、場合によってネックになりそうですね。
菅本:
都心部で4,000万円以下の価格だと、築年数25年以上の物件がほとんどですからね…。でも、耐震基準に適合して、適合証明を受けられる物件は多々あるので、あきらめることはありません!
住宅ローン減税の適用条件を満たすと、同じ要件で、諸経費が少なくなる登録免許税軽減措置や、両親・祖父母などの直系尊属から700万円まで無税で資金援助を受けられる住宅取得金資金援助(贈与税の特例)も受けられるんです。
耐震基準を満たす物件を見つけるために、逆転の発想でNGとなりやすい物件の特徴も知っておきたいですね。耐震基準の適合証明を受けられる可能性が低い物件の外観的特徴の目安ですが、
・1階が駐車場やピロティ(壁がなく柱だけで2階部分を支える1階の空間。エントランスホールや駐車場に利用されることが多い。)になっている場合は揺れに弱い構造のため、ほぼアウト。
・建物を支える柱が壁から離れている独立柱も耐震性に欠けます。
・建物のフォルムは横長や正方形がベターです。カクカクと建物同士がジョイントしている形のものは、つなぎ目部分の接続が甘い場合があり、耐震基準に満たない可能性があるからです。
Aさん:
なるほど。耐震基準も確認するようにします!