2018/03/08更新0like3015view

著者:SUVACO編集部

ファイナンシャルプランナー(FP)って、何をしてくれる人?

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家を買う、リフォーム・リノベーションすると言った時に、当然出てくるのがお金の話。いくら必要なのか、我が家はいくらなら払えるのかなど、相談する相手もいなくて悩んではいないでしょうか。そんな時に役に立つのが、お金のプロであるファイナンシャルプランナー(FP)。FPの実態や相談するメリットについて、現役FPに聞いてみました。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

そもそもファイナンシャルプランナーとは。何をしてくれるの?

できるFPを見分けるには?

住宅購入で考えるべきお金の話

住宅のお金に関する落とし穴

そもそもファイナンシャルプランナーとは。何をしてくれるの?

今回お話をお伺いしたのは、ブロードマインド株式会社の平原直樹さんと、株式会社ベイブの小林友香さん(取材当時)。

ブロードマインド株式会社マーケティング本部シニアマネジャー平原直樹さん、株式会社ベイブ 小林友香さん

編集部:そもそも、ファイナンシャルプランナー(以下、FP)とは何者なんでしょうか?

A:FPとは、いわゆる「お金の専門家」です。税理士や公認会計士のような国家資格が必要な訳ではなく、誰でも名乗ることができます。

ただし、一般的にFPとして業務をなさっている方の多くは、日本FP協会が定めるCFPやAFP、あるいはFP技能士の2級以上を持っています。

資格を取得するには保険、資産運用、相続、税金、金融、年金といった6分野を広く勉強する必要があります。試験合格後は、1つか2つの専門分野に絞って活動する方が多いです。なので保険に強いFPもいれば、年金に強いFPもいるなど、それぞれに得意分野を持つことになります。

編集部:FPそれぞれの専門分野は、どうやって知ることができるのでしょうか。

A:ウェブサイトなどに専門分野を記載しているFPもいますし、窓口などを利用してFPを紹介してもらう際に、目的に合った人を探してもらうこともできます。

編集部:各分野の割合はどのようになっていますか?

A:正確に測ることはできないですが、保険と資産運用を専門とするFPが多いと思います。

編集部:SUVACOのユーザーが相談するであろう、「住宅ローン」が専門のFPは少ないのでしょうか?

A:もちろん住宅ローンが専門のFPもいらっしゃいますが、割合としては少ないと思います。どちらかと言うと、住宅ローンだけを専門とするより、「住宅ローンと保険」「住宅ローンと資産運用」といったように複数を専門とするFPが多い印象です。

できるFPを見分けるには?

編集部:私たちがFPに相談するに当たって、そのFPが優秀であるか、安心して任せられるかはどうやって判断すれば良いのでしょうか?

A:資格を持っていることも一つの指標ですが、それだけでなく実務経験を確認するとよいと思います。FPの場合、資格は持っていても実務経験のほとんどない人もいますし、逆に資格はないけど実務経験のある方もいますので。

編集部:実務経験のほかに、良いFPを見分けるコツはありますか?

A:まずは自分の相談したい内容が、そのFPの専門分野と合っているかどうか。あとは、意外と相性は大事です。女性の場合、同じ女性のFPの方が安心だし話しやすいということもありますし、気さくに相談できる人がいいのか、先生っぽいFPの方が信頼できるのかなど、人によって相性はさまざまです。

編集部:そもそもどうやってFPを探せばいいのでしょうか。

A:知り合いからの紹介や、FPの公式サイトを見てというケース。あとはFPとお客さまとのマッチングサイトも多いですね。

編集部:お客さまはどのようなときにFPを探すのでしょうか?

A:大きなライフイベントが発生した時がほとんどですね。例えば、急に相続の話が出た時や、ご出産、住宅購入などです。

編集部:初回の相談時間はどのくらいでしょうか?

A:もちろん個人差がありますが、1時間半〜2時間程度をみておくといいと思います。例えば住宅購入に当たり住宅ローンを組む相談でも、家計の状況や将来どうしたいかなどをお聞きしていくと大体そのくらいの時間にはなります。

編集部:その際の費用はどのくらいかかるのでしょうか?

A:ここはFP事務所によって異なります。弊社、ブロードマインドやベイブの場合、何回でも無料でご相談いただけます。一方で、1時間当たり1万~1万5000円のところもあると聞きます。

住宅購入で考えるべきお金の話

編集部:住宅購入やリノベーションに関して、FPに相談した場合、どういった流れで話が進むのでしょうか。

A:まずは、何がどの程度固まっているかについての確認をします。例えば、すでに購入する物件が決まっているのか否かなどです。決まっているのなら、住宅ローンの選び方の話になりますし、まだ決まっていないのなら、いくらくらいの物件を購入できるのかについてヒアリングを進めていきます。具体的には、世帯収入を含む家計の収支、お子さまがいらっしゃる場合は今後の教育プランなどを聞いていきます。

特に家計収支に関しては、「今払える額」と「今後も払える額」は全く異なります。今の家計簿がどうかよりも、将来的にどのようなお金がかかっていくかを考えることが大切です。
編集部:「将来のお金」とは、具体的に何を考えればよいのでしょうか?

A:一番大きいのは、子どもの教育費です。例えば、いつから私立に入れるかによって教育プランは大きく変動します。東京だと半数近くが中学受験をする地区もありますが、地方になるといつから私立に入れるかをあまりイメージできていないご家庭も多いように見受けられます。実際、教育費に関して、「こんなにかかるのか!」とびっくりされる方も多いです。

編集部:どのくらいかかると考えておけばいいのでしょうか?

A:弊社が使っているオンラインツールでシミュレーションしてみましょう。

いつから私立に入るかで、おおよそ以下のような費用になります。

◇教育資金のシミュレーション金額
・中学から私立→1,900~2,000万円
・高校から私立→1,600~1,700万円
・大学から私立→1,400~1,500万円

※大学が文系・理系によって学費が変わるため「~」表記となっています。医学部など学部によってはプラス学費がかかります。自宅から通学した場合の試算です。

地方から都会の大学に出てくる、あるいは反対のパターンでもそうですが、大学の授業料に加えて、家賃や光熱費、食費や家具代もかかります。子どもがどのくらい生活費を自分でまかなえられるかによっても変わってきますので、そのあたりも具体的に考えていきます。

編集部:将来かかるお金が見えてくればくるほど、お客さまに現実を突きつけることになると思うのですが、それによって住宅購入を止めてしまうということはあるのでしょうか?

A:それはほぼないですね。ただ、予算設定が下がる場合はあります。例えば、物件に5,000万円出すと言っていた予算が4,000万円になるケースなどです。

住宅のお金に関する落とし穴

編集部:住宅ローンや住宅購入のお金で気をつけるべきことはありますか?

A:物件以外にかかる費用を加味して考えることです。家具・カーテン代や引越し代のほか、マンションの場合は毎月の管理費や修繕積立金なども必要となります。

さらに、今の収入や支払い額だけではなく、今後を見据えることが重要です。今は共働きでも、お子さんが生まれて夫婦どちらかが仕事をやめるかもしれないですし、40歳過ぎで35年ローンを組んだ場合、定年後はどうなるのか?退職金がもらえるとしても、それをローン返済に使っちゃっていいのかどうかなど。

実際によくある例としては、共働き夫婦がその時の世帯収入で住宅ローンを組み、初めは余裕があったのですが、その後お子さまが生まれて妻が産休・育休後に、時短勤務で復帰したところ、思っていた以上に収入がダウンしてしまった……。さらに保育園代もかかるので、急に生活費が厳しくなってしまうということが、わりとよくあります。

そうならないためにも、「今」だけでなく「これから先」を踏まえたマネープランが重要なんです。こういうところにこそ、FPの知見を活用していただきたいと思います。
【取材協力】
株式会社ブロードマインド
200名を超えるFPを擁し、保険、住宅ローン、資産運用など、お金に関する幅広いコンサルティング業務を行う。

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