梁について、ふだんから意識して暮らすことはほとんどないはずです。でも、その梁と真剣に向き合うことで、住まいがぐっとおしゃれになる……と聞けば、梁を見る目が変わりませんか?
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梁は建物の大事な骨組み
梁を見せると空間の開放感が豊かに
頭上空間を効果的に活用できる
インテリアがセンスアップする
クラシックな感性にも合う
梁を後からプラスする方法もスタイリッシュ
梁は建物の大事な骨組み
梁は、柱とともに建物を支える重要な構造体です。壁で支える壁式構造は別ですが、戸建住宅の在来工法や、マンションで一般的なラーメン構造は柱と梁で建物を支える構造なので、必ず梁があります。
戸建住宅にしろマンションにしろ、梁があるから屋根が落ちず、床が抜けることもありません。目立たないところで、大きな働きをしている部材なのです。
マンションの場合は建物の荷重が大きくなる分、太い梁が必要となるので、部屋に柱形が出っ張るのと同様、天井部分に角形の出っ張りが生じることがあります。
ただ、それでも壁紙を張って天井や壁との一体感を持たせるなど、できるだけ存在を感じさせないよう仕上げるのが一般的です。
梁を見せると空間の開放感が豊かに
そんな梁をむしろはっきり見せてしまおうとする考え方があります。「梁あらわし」「躯体あらわし」「梁見せ天井」などと呼ばれる手法です。
実は、梁を見せる仕上げ方のメリットはたくさん!
その一つは、天井が高くなる点。頭上空間が高くなって、開放感は段違い。丈夫に高窓を付ければ、部屋をいっそう明るくできます。
斜線制限の関係で天井の低い部屋ができてしまう場合、梁あらわしにしてみると圧迫感の解消にいいかもしれませんね。
頭上空間を効果的に活用できる
梁を見せる、つまり天井が高くなることでロフトを設けやすくなります。また、1階と2階をつなげる吹き抜けもつくりやすくなります。
インテリアがセンスアップする
もう一つの重要な効能は、インテリア全体がおしゃれに見せられることです。
モダンなカフェやレストランなどに入ったとき、お店が天井の梁や配管、ダクトの類をまる見えにした造りになっていて、素敵だと思ったことはありませんか?梁を見せるということは、空間の印象をがらりと変えるのです。
クラシックな感性にも合う
梁あらわしがフィットするインテリアはモダンだけではありません。クラシックスタイルにも合いますし、洋風・和風を選びません。
暮らし方や家づくりで、最近注目されているのがラスティックスタイル。rustigとは「田舎風の」「素朴な」「飾りのない」といった意味のある言葉。ナチュラルでつくり込みすぎない、懐かしくて温かみのあるデザイン感覚と覚えておけばいいでしょう。
ラスティックスタイルは、木材やレンガなど自然なテイストの素材が多用されますが、このようなインテリアと梁あらわしはとてもよく合います。
梁を後からプラスする方法もスタイリッシュ
黒子的な存在である梁はもともと見せるための部材ではないので、見栄えがいいとは限りません。
そのような場合には、「化粧梁」にするといいでしょう。
「化粧梁」とは、純粋にデザインの一部として梁を「後付け」する方法。
空間のイメージに合わせながら自分の設けたい部分に設けられる自由さがメリットです。何らかの理由で天井は高くしたくないけれど、梁は見せたい、というような場合にも役立ちます。
化粧梁の内部は一般的に空洞なので、配線を通して照明を付けることができて便利。リフォームやリノベーションの際に取り外すことも簡単にできます。
梁をインテリアの一部として活用すると、思っていた以上に空間づくりの可能性が広がりることを、おわかりいただけましたか?これから家を建てる、あるいはリノベーションをすることを検討中なら、「梁あわらし」を採り入れられないか検討してみてくださいね。