SUVACOの創業者・黒木が、これまでお会いした専門家たちの素顔を「完全主観」でお届けするシリーズ。
SUVACOの専任アドバイザーが、お客様の相談やご要望、条件などをヒアリングさせていただく「専門家紹介サービス」においても、成約率が高い建築家の1人。こだわりの強いところと、飄々(ひょうひょう)とした表情が共存していて、ちょっと掴みどころがない人(笑)なのですが、お客様の相談に乗っているうちに「あぁ、このお客様は須藤さんとマッチするだろうなぁ」と、彼の顔が勝手に降りてくることがあるのです(笑)。そして、実際に紹介すると、お客様の心を掴んでしまう。
これは、私だけでなく、アドバイザーの竹村からも同じような話を聞く。うむ……。
▽ 目次 (クリックでスクロールします)
入り込んでくるデザイン
お客様との共同作業
プロフェッショナルのプロセス
画一的にならないように常に進化を目指す
人が集う(ツドウ)設計
入り込んでくるデザイン
須藤さんの設計した住宅の特徴や得意領域をひと言で表現するのは難しい。新築も、リノベーションも、戸建ても、マンションも分け隔てなく手掛けるし、住宅以外にもオフィス、飲食店やサウナなどの店舗設計までとにかく幅広く実績を持つ。事例のデザインをひとつ見ても「これは須藤さんだね!」と言えるような決まったパターンもない。
手掛けた事例には、多分にお客様の要望や好みが反映されてはいるものの、どことなく「須藤さんらしさ」も感じられる。それが何なのか……。
残念ながら私の言葉では一言で表現できない。施主さんの要望に、何個所か冒険や遊び心を加えて全体を引き締めている感じ。
お客様からのヒアリングにも決まった型はなく、自然に会話しながら心底のニーズを探り当てるという。その際に、お客様が「xx風にしたい」という表現には惑わされないようにするのが、真のニーズを探り当てるコツだという。お客様が過去に「見た」ものに影響されて「xx風」と表現されるイメージと、お客様が本当に実現したいものにギャップがある可能性があるから。
お客様との共同作業
須藤さんの設計プロセスは、まさにお客様との共同作業。どうやったらお客様自身がしたい暮らしを実現できるのか、手をかけながら一緒にイメージを作り上げていく。
自分のデザインを押し付けるよりも、お客様の個性がデザインに入り込むことで、完成したものがより豊かになるという。
例えば、SUVACOでご紹介した埼玉県のお客様の事例。
当初の概算見積もりから約半額減の見積もり作業となったようですが、耐震補強はしっかり行い、デザインアイデアなどのコンセプトは保ちながら、施工しやすい部分を一部お客様にDIYで仕上げてもらうなど、お客様と共同でメリハリをつけ、デザイン的にも、プロセス的にも、大変価値の高いリノベーションになっていました。
また、もう1つSUVACOでご紹介したお客様の事例では、
お客様は購入した物件の2階から見下ろす階段の雰囲気がお気に入り。そこで、2階の居室部分や階段はほとんど手をつけずに残す一方で、1階のLDKは大胆にリノベーション。さらに、地下駐車場の天井を吹き抜けにして1階とつなげ、趣味空間へ転用。各フロアの個性がつながるとともに、須藤さんのデザインに、お客様のエッセンスが加えられることで、住みながら深みが増していくような空間になっていました。
プロフェッショナルのプロセス
「お客様との共同作業」とは言っても、そこはプロフェッショナル。お客様へ提案する前に、あらゆる可能性を徹底的に検討する。
例えば、ある相談では、お客様に最初の提案をする前に、これだけの模型を作ったという。事前にあらゆるパターンを想定して向き合うことで、「こうしたらどうなりますか」というお客様の質問に、自信を持って答えられるという。
家の形が変われば、ふさわしい間取りも変わる。考えて出てきた形に良い間取りがはまるか、間取りに対して形が納得いくものになるか、などをものすごいスピードで、模型と間取り図をひたすら行ったり来たりするらしい。
大まかな形が決まったら、CGを使っていろいろなパターンを検討。
飄々(ひょうひょう)とした須藤さんの風貌からは気がつきませんが、最初の案が提案される前に、ここまで検討しているとは。
画一的にならないように常に進化を目指す
常に進化を求める須藤さんは、新しい取り組みにも積極的に対応し、フィードバックしてくれる私たちSUVACOや業界においても頼もしいビジネスパートナー。
住宅リノベーションでも実績が多く、「リノベりす」でも人気の建築家なのでリノベーション推しでも良さそうなのですが、その枠にとらわれないのが須藤さん。むしろ、本来は暮らしをよくするために再構築するものであるべき「リノベーション」が、天井現しや打ちっぱなしという画一的なデザインの意味合いを帯びることに危機感を覚えるという。
だからこそ、須藤さんの活動は、既存の枠にとらわれない。東京・西池袋の「ニシイケバレイ」や「サウナラボ神田」人気WEBメディア「ほぼ日刊イトイ新聞」の撮影スタジオで知られる「ほぼ日の學校」など、境界をヒョイと超えて活動する須藤さんだからこそ、引き続き住宅設計を手掛けて欲しいです。
人が集う(ツドウ)設計
事務所名は「須藤剛建築設計事務所」ですが、英文では”TSUDOU DESIGN STUDIO”。名前のイニシャルをとったT.SUDOUをつなげるとTSUDOU=ツドウ。確かに、須藤さんの周りには、さまざまな人たちが集っている。
「できあがって完成ではなく、人を招き入れたくなるような、また自然と人が集まってくるような、人と人とをつなぎ、人が集うことで完成する」という考えこそが、須藤さんの特徴かな。
須藤さんは、以前に私の記事でもご紹介した
ジャムズさん出身なのに、ジャムズの二人の設計とは全く違うな、と最初は思っていました。でも、よく考えると、ジャムセッションのようにお客様と住まいを作り上げていく、ジャムズの考え方が染み付いているのかもしれません。
<こんな人にオススメ>
□ちょっと厳しめの条件でも、自分にあった住まいを追求したい人
□全部お任せではなく、一緒に考えたい人
□東京都、埼玉県の戸建てリノベ
<こんな人にはススメない>
□絶対にこのデザインじゃなきゃダメなど、イメージが固定化してしまってる人
□やることが決まっていて、安く早く仕上げたい人
対応業務 注文住宅、リノベーション (戸建、マンション)
所在地 東京都新宿区
主な対応エリア 埼玉県 / 千葉県 / 東京都 / 神奈川県
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