終の住処とは言わずとも、家を建てるのであれば物理的にも経済的にも長期的な展望を考慮します。限られた土地を有効活用して、家族のため、自分のために、より良い住空間とは何かと常に模索すると思いますが、その答えは意外にも中庭の存在にあるものです。中庭が作る住み良い暮らしを実現しているいくつかの住宅をご紹介します。
SUVACOが専門家をご提案
家づくり・リノベーションはどこに頼むのがいい?SUVACOがご要望に合ったプロを提案します。
> 詳しく見る
▽ 目次 (クリックでスクロールします)
未確定を確定に
距離感のデザイン
共存するということ
思いっきり羽を伸ばしたい
未確定を確定に
家づくりおいて、建設時にはのどかな風景が広がる地域でも、近隣の道路計画や都市計画の施行で周辺環境が劇的に変化し、今までのように自然環境を享受することが難しくなることも多々有ります。
この住宅も近い将来を見据え、住宅の中に個性豊かな3つの中庭を配し、恒久的な開放感をデザインしました。それぞれの中庭からの風の流れをデザインし、家全体で呼吸する家を実現しています。最近の中庭には珍しい日本在来種の木々が植えられています。まるで、町屋の坪庭のような佇まいです。
距離感のデザイン
家族の将来像を見据えた住空間を可能するのは、やはり中庭の存在です。
中央に配した中庭がリビングなど家族でともに過ごす活動的な空間と、寝室や個を重んじる個室とを柔軟に分けています。見えるか見えないかという適宜な距離感や物理的にバッファーとしての中庭を介すことで、家族間での心意的な距離感を保ちます。
共存するということ
もともとこの敷地に植えてあった梅の木を残しつつデザインされた住宅です。
そこかしこに配されている梅の木がコンセプトという、設計するにはこの上なく面白く、予想外の効果を期待できる住宅だと思います。梅の木の(ための)中庭は、空間に回遊性を与え、視線の交差を多層化し、豊かな住空間を演出します。ここでの長い日常生活では、自然環境、家庭環境、あらゆるものが共存していく最良の方法を中庭が教えてくれるのでしょう。
梅の木のもつ、幻想的な枝ぶりもまた独特で詩的な味わいを与えてくれます。
思いっきり羽を伸ばしたい
昔の縁側のような空間、屋内のような屋外のような、そういった内外の境界から自由に解放されるのもまた中庭の醍醐味です。通常の庭先は、近隣の目もありパブリック性の高いものですが、その点においては中庭はプライベート感が際立つ庭です。
またセキュリティー観点からも外部を気にせずに窓を開放し、自然の恵みを享受できます。デッキに寝転んで自然とおもいっきり戯れることができるのも中庭の魅力です。
中庭の照返しも上手に屋内に取込み、十分な明るさを部屋に届けます。
中庭を囲むそれぞれの窓からは違った表情をみせてくれます。