忙しい毎日、新しい家では、家事が少しでもラクになるようにしたいと願う方も多いのではないでしょうか。間取りプランや設備機器の選び方によって、家事の負担も大きく変わるものです。ここでは、ウォークインクローゼットやユーティリティなど、スムーズに家事をこなすことができる空間づくりをご紹介しましょう。
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毎日の家事を楽にするポイント
暮らしにあった収納を設ける
使い勝手のいい作業スペースを設ける
わが家に適したプランを上手に取り入れたい
毎日の家事を楽にするポイント
新しい住まいのプランニングを進める際には、ゾーニングや動線、採光・通風などさまざまな角度から検討することが大切ですが、家事のしやすさも重要なポイントのひとつです。忙しい毎日では、効率的に家事を進め、住まいを美しく保つのはなかなか難しいもの。しかし、間取りや設備機器の選び方によっては、家事の負担を軽くすることは可能です。
そのためには、まず、具体的なプランニングする前に、いつ、誰が、どのような家事を行うのか、家事の流れ(方法)を洗い出してみること。現状の使い勝手のいいところ、悪いところ、欲しい機能(機器)などを書き出して、設計担当者に伝えるようにしましょう。
ラフプランをチェックする段階では、間取りの中で一日の動きをイメージしながら確認を。家事作業の動きを線(家事動線)で記入してみるといいでしょう。家事動線は、できる限りシンプルに、短い動線となることが理想。無駄な動きがないか、家族の動きと重ならないかチェックすることも大切です。
暮らしにあった収納を設ける
より家事をスムーズに進めるためには、どのような収納スペースを設けるかが重要なポイントです。家族構成やライススタイルに合わせた収納を確保することで、家事の負担を減らすことができるでしょう。
ウォークインクローゼットは広さや動線がポイント
ウォークインクローゼットとは、着替えや作業ができるスペースを確保した主に衣類を収納する空間(部屋)のこと。衣類だけでなくカバンや季節用品など多様な物をまとめて収納できるため人気のスペースです。
ウォークインクローゼットが多くみられるのは、寝室や子供室などのプライベート空間の中や近くに設けたプラン。寝室と洗面脱衣室の間に設け、通り抜けられるような(ウォークスルー)プランもあります。身だしなみや洗濯などを行う洗面脱衣室からも、短い動線で行き来できることがメリットでしょう。また、家族全員のものを収納するファミリークローゼットも考えられます。幼いお子さんがいるご家庭などでは、衣類の管理や着替えなど、使い勝手がいいでしょう。
ウォークインクローゼットを有効活用するには、収納する物や量、収納方法に適した内部のつくり、ラックや棚、ハンガーパイプなどを設けることが重要です。プランニングによっては湿気がこもりがちなので、換気扇や窓を効果的な位置に設けることも忘れずに。調湿機能を持つ壁素材を選ぶのもひとつの方法です。
パントリーはキッチン収納の強い味方
パントリーとは、キッチンのスペース内、もしくはキッチンやダイニングに隣接させた収納スペースのこと。食料の貯蔵はもちろん、食器や調理道具などを収納する空間です。小さな部屋のようなプランもありますし、壁面を利用する場合もあります。食材や保存水などをまとめて購入することが多い場合、キッチンスペースはすっきりと保ちたいという場合に重宝する空間です。
プランニングのポイントは、調理中に必要なものをすぐに取りに行きやすい場所に配置すること、何がどこにあるかが分かりやすく取り出しやすいつくりとすること。そのために、収納するものに合わせた棚を設けるのがポイントです。
また、パントリー内に冷蔵庫やワインセラーを設置したり、家電製品の使用や充電などが必要な場合は、専用のコンセントを設置しておきたいもの。換気のための窓や換気扇なども検討しておくといいでしょう。
シューズクロークは玄関のごちゃごちゃを解決
家族が毎日利用し、お客様もお迎えする玄関。使い勝手がよくいつでも美しい空間とするために収納プランは重要です。玄関まわりに収納しておきたいのは、靴だけではありません。傘やコート、車の鍵や印鑑、ベビーカーやペット用品などもあるでしょう。
そのため、最近では、一般的なシューズボックス(靴箱・下駄箱)ではなく、シューズクロークやシューズインクローゼットなどと呼ばれるスペースが注目されています。納戸のようなスペースは、玄関三和土(たたき)の土間部分を広げるなど多様なプランがみられます。
プランニングのポイントは、玄関で必要なアイテム、収納しておくと便利なものを書き出し、その数やサイズ、優先順位を明確にしておくこと。主に収納することになる靴の数やサイズなどは必ずチェックを。将来的に家族が増えれば靴の数も増えますし、子どもが成長すればサイズも大きくなるので、将来をイメージしてプランニングすることも大切です。
使い勝手のいい作業スペースを設ける
家事作業をどこで行うか、作業するスペースのつくり方も重要です。家事の進め方に適した作業の場を設けることで、余計な手間も時間もかからなくなるでしょう。
ユーティリティで細かな家事をひとまとめに
ユーティリティ(家事室)とは、日々の暮らしの情報管理と衣食住の作業を行う場のこと。洗濯やアイロンかけ、住まいの補修、日々の事務的な作業などを効率的に行うためのスペースです。専用の部屋だけでなく、部屋の一角に家事コーナーとしてプランニングするケースもあります。
検討する際には、誰が、いつ、どのような作業を行うのかをイメージすること。料理をしながら洗濯をするのであればキッチンの近くに、子どもの様子を見ながら片付けるのであれば、リビングの近くの方がいいかもしれません。洗濯物干し場や駐車スペースなどとの動線も考慮して、検討するようにしましょう。作業の内容に合わせて、カウンターや棚などを設けたり、コンセントなど配線計画も検討したいものです。
室内干しスペース があれば帰宅が遅くなっても安心
共働きで夜遅くなることが多い、防犯上洗濯物を見られたくない、花粉症などの理由から、注目されているのが室内物干しスペースです。天候に左右されない使い勝手のよい室内物干し場があることで、家事の効率も高まるでしょう。
室内物干しスペースとして多くみられるのは、洗面脱衣室や廊下、リビングや寝室、ロフトなど。昼間あまり使用しない(家族のいない)空間やバックヤード的なスペースを利用するのがおすすめです。物干しバーを掛けられるようなフックをあらかじめ設置したり、天井に組み込まれるタイプの商品を利用してもいいでしょう。
プランニングの際には、洗濯機置き場や畳む場所との動線、日当たりや風通しのよさなどに配慮すること。湿気が溜まりやすいので、窓や換気扇なども検討したいものです。
その他、浴室換気暖房乾燥機を設けた浴室を室内物干し場とするケースもみられます。浴室の暖房や乾燥だけでなく、洗濯物を乾燥させることができるため、人気の機器となっています。入浴時間と重ならないように上手に利用すれば便利な機能でしょう。
裏方スペースには使い勝手のいい多目的なコーナーを
ウォークインクローゼット内や廊下など、裏方のスペースを活用して家事作業の場を設けるのもひとつの方法です。たとえば、多目的なカウンターと収納スペースを設置することで、洗濯物を畳んだり、アイロンをかけたりすることも可能。掃除用具を一括して収納してもいいでしょう。毎日家族が行き来する場に設けることで、家族みんなで家事作業を行うこともできるでしょう。
わが家に適したプランを上手に取り入れたい
家事を楽にするためには、室内だけでなく屋外や半屋外のスペースの活用も考えられます。たとえば、勝手口に多目的な土間スペースを設けたり、裏庭に屋根を設置した空間を確保して、分別ゴミなどの一時置き場としてもいいでしょう。エクステリアメーカーからは、家事作業や洗濯物を干すことができる機能を持たせたサンルームのような商品もみられます。
どのような家事室をプランニングするとしても、目的を明確にして、それに適した空間を確保することが基本。便利そうと、設けても結局使わず物置となってしまうこともあるものです。家族構成やライフスタイルに合わせたプランニングを検討することが大切です。