家づくりの学び舎

2023/06/10更新4like10160view

著者:SUVACO編集部

建売・ハウスメーカー・建築家。注文住宅(新築一戸建て)にかかる費用のまとめ

「注文住宅で家を建てたい」と考えたとき、まず突き当たるのが「いくらで建てられるのか」というお金の問題ではないでしょうか。木造一戸建ての家を建てるのにいくらぐらいかかるのか、代表的な3つのタイプを例に考えてみましょう。


※なお、この記事でとりあげる価格はあくまでも目安となりますので、詳しくは依頼先となる専門家に確認してください。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

仕様が標準的で価格が抑えられる建売住宅

新築一戸建て住宅の建て方(買い方)として今回は、
①建売住宅
②ハウスメーカー住宅
③建築家住宅

の3タイプを取り上げ、費用について解説していきます。

このうち建売住宅は土地と建物がセットで販売されるタイプで、建物はすでに完成しているか仕様が決まっているので、買う人の希望が反映される余地はほとんどありません。これに対し、ハウスメーカー住宅と建築住宅は建物の間取りや仕様に買う人の注文を反映できる、いわゆる「注文住宅」に分類されるタイプです。

まず建売住宅の費用は、坪単価(床面積約3.3平米当たりの工事費用)で45万円程度からが目安となります。延床面積が30坪(約100平米)の場合で1,350万円程度~です。実際に販売されるときには、この金額に土地代金や外構費(門扉、カーポート代など)、諸経費などが加えられた総額で価格表示されることになります。

建売住宅の特徴としては、工事費用が安めになっている点が挙げられます。建物の仕様や設備などは標準的なものが多く、建設会社が同じ材料や設備を複数まとめてメーカーなどに発注することでコストを抑えているためです。

また販売価格には土地・建物がセットで含まれており、設計料や経費などが別途かかることはありません。ただし、仲介会社を通じて購入する場合は仲介手数料(住宅価格×3万円+6万円+消費税が上限)が別途必要となります。

ハウスメーカー住宅は人件費や販売経費がコストに上乗せされる

②のハウスメーカー住宅は、TVコマーシャルなどでもおなじみの大手ハウスメーカーに依頼して家を建ててもらうタイプ。木造一戸建てを建てる費用は、坪単価75万円程度からが目安です。30坪の住宅の場合は2,250万円程度からとなり、建売住宅に比べて1,000万円近い差となります。

ハウスメーカー住宅の特徴としては、木材などの建築材料を自社工場で加工するケースが多いことが挙げられます。そのため施工精度が比較的高く、複数の住宅の材料をまとめて調達・加工することで原価コストが抑えられます。さらに水回りなどの住宅設備もメーカーにまとめて発注できるため、それらのコストも低めにできるのです。

ただし、大手企業だけあって営業担当者だけでなく総務担当者など社員・スタッフの数が多く、広告・宣伝などにも多くのコストがかかります。こうした人件費や販売経費なども最終的には建築費に上乗せされることになります。

また注文住宅を建てる顧客のニーズに応えるために住宅の仕様グレードを高めたり、最新技術を研究・開発する必要があるため、結果的に建売住宅と比べると建築費が割高になりがちなのです。

こだわりが建築コストに反映される建築家住宅

建築家・設計事務所に建物を設計してもらい、工務店などに家を建ててもらうのが③の建築家住宅です。建てる費用は坪単価75万円程度からとなり、ハウスメーカー住宅とほぼ同水準と言えます。ただしエリアによって差があり、例えば狭小地や変形敷地が多い東京都心部では坪単価85万~90万円程度が最低ラインとなります。

建築家住宅は建物の間取りや仕様などが1邸1邸フルオーダーとなるため、建築材料や設備などの原価コストは割高になる傾向が強いです。こだわりの材料や輸入物の設備などを採用しようと思うと、材料費が青天井で高くなりがちです。

また材料の加工なども一つずつ手作りになるため、時間もかかります。プランの打ち合わせから建物の完成まで、ハウスメーカー住宅では1年程度が目安なのに対し、建築家住宅は1年半程度かかるケースも多く、それだけ人件費などのコストもかかります。

ただし建築家住宅では建築家が施主と工務店の間に立ち、施工やコストをチェックしてくれるので、原価管理の透明性が高いと言えます。最初に総額の予算を伝えればその範囲内で施工できるプランを提案してくれるのが一般的なので、必ずしも割高とは言えないでしょう。

建物本体の工事以外にもいくつかの費用がかかる

ここまで説明してきた「家を建てる費用」は、あくまで建物本体を建てるのに必要な費用です。具体的には本体工事費に、住宅に固定されている住宅設備や照明(後付け可能なシーリングライトなどは除く)の設置工事費をプラスした費用を指します。門扉などの外構費やカーテン・ブラインドなどの窓装飾品、後付けする照明器具、家具・家電などは含まれません。

家を建てるためには上記の工事費のほかにもいくつかの費用がかかります。例えば家を建てる前には地盤調査をするのが通常で、一般的なスウェーデンサウンディング式と呼ばれる調査方法の場合は5万円前後。また敷地に古家が建っている場合は、その解体費として200万円前後かかることが多いです。

建築家住宅の場合は設計料(設計監理費と呼ぶケースもある)として工事費の10~15%が別途かかります。この設計料は建売住宅やハウスメーカー住宅ではかからないケースが一般的ですが、ハウスメーカー住宅の場合は諸経費の名目でやはり工事費の10~15%が計上される場合が多いです。

このほか、ハウスメーカー住宅と建築家住宅ではガス・水道・電気のライフラインを引き込む場合の費用が100万円前後、地鎮祭と上棟式を行う場合の費用が10万円前後、建築確認申請費用が20~30万円必要です。

前述した外構費も、建売住宅以外では本体の工事費とは別途支払う費用となります。門や塀はなくても生活できますが、やはりあるに越したことはないです。費用としては門・塀・玄関までのアプローチのセットで300万円前後が目安。これに家の回りにフェンスを建てる場合は100万円前後、カーポートを設置する場合は標準タイプで80 万円前後がプラスとなります。

注文住宅にかかるお金のまとめ

ここまでご紹介してきた内容を表にまとめたものが下図になります。注文住宅について検討を始められたら、ぜひ参考にしてください。
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