「長く暮らしてきたマイホームだが、家族構成の変化などでライフスタイルに合わなくなってきた」「そろそろ買い替えたいので、いまの住まいを売りに出したいのだが」そんな検討を考え始めている人にとって気になるのは、「リフォームやリノベーションはすべきなの?」という点でしょう。
できれば住まいの資産価値を上げたいみなさまに、リフォーム、リノベーションの意義についてご説明します。
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住まいがきれいに生まれ変わるという付加価値
これからは中古住宅がおもしろい時代
価値を高めるためのこんなリノベーションはいかが?
住まいがきれいに生まれ変わるという付加価値
住宅は新築時から年数が経つにつれてどんどん価格が落ちていきますが、建物の価値がほとんどゼロになる築20年目程度を過ぎると、価格があまり下落しなくなります。
価格に占める土地の割合が大きくなるので、地価が値下がりしない限り、価格は安定するのです。
そのような住宅をリノベーションすると、どうなると思いますか?
「間取りやインテリア、設備が新しくなる」という付加価値がプラスされる分、価格を上げることが可能になるのです。
つまりこれが、冒頭の疑問に対する答え。
資産価値を上げるためには、リノベーションがおすすめ!
適切なリノベーションを施して市場にアピールできる魅力をつくることができれば、価値は上がります。
<リビングのリノベーション前>
これからは中古住宅がおもしろい時代
日本では長らく「新築信仰」が根強く、マイホームは新築住宅を買うものと考えられてきました。
財務省令で木造住宅の耐用年数が22年とされた影響もあり、中古住宅の価値は見過ごされていたのです。
<築42年の団地リノベーション前>
しかし、現在は住宅を建てる技術が進化し、耐久性・耐震性・断熱気密性などが飛躍的に向上。
住宅性能表示制度や長期優良住宅認定制度などの法律も整備され、質のいい住宅を社会資産としてストックし、長く継承していこうという流れが本格化しています。
<築42年の団地リノベーション後>
「築20年以上だから上物の価値はゼロ」と慣習的に決めるのではなく、中古住宅の状態を1棟ごとに診断し、適正な価格で評価できるような仕組みもつくられています。
これからは、いわば「中古住宅がおもしろい時代」なのです。
価値を高めるためのこんなリノベーションはいかが?
<空間のゆとりを活かす>
古い住宅は、細かく区切られた間取りになっている場合があります。心地よく暮らすには、部屋数より空間の広がりや多様性が大事。
たとえば、南側の洋室2部屋を隔てている間仕切り壁を取り払い、リビングを南面いっぱいに開口部の広がる大空間にする方法があります。居住性が高まるのでいつも家族が集まっている、そんなリビングにすることも可能。引き戸やウォールドアを設けておき、必要に応じて開閉すれば、空間をフレキシブルに使えます。
<設備の先進性を追求する>
キッチンや浴室のユニットバスは清潔感が大切なだけに、ぜひとも新しくしたい部分。
また、インターホンをテレビモニターつきにする、トイレを洗浄便座にする、といった配慮もしておきましょう。
<エコロジーな暮らしに取り組む>
「ZEH(ゼッチ)」をご存知ですか?
Net Zero Energy Houseのことで、高断熱や高効率設備などによる省エネルギーと、太陽光発電などの創エネルギーを組み合わせ、年間のエネルギー収支をおおむねゼロにしようという新しい基準です。
2020年にはZEH基準が新築住宅の標準仕様になるとされています。
既存住宅の場合も、ZEH仕様にリフォームすることは可能。一定の条件を満たせばリフォームにかかる費用を補助してもらえる制度もあります。
今は売却や賃貸に出す予定がなくても、将来に備えて資産価値を高く維持する視点は重要です。リフォームやリノベーションは、古い住宅の価値を上げるための有効な手段。
時代のトレンドに合わせながら暮らしやすさを保つためにも、ぜひ前向きにお考えください。