家づくりの学び舎

2023/11/15更新0like1694view

著者:SUVACO編集部

解体・木工事・設備・電気・断熱工事から中間検査まで|リノベの工事の流れ①

家づくりのプランニングが進み、いよいよ工事が開始に。慌ただしく進んでいく中で、「工事がどのような工程で進んでいくのか分からなくて不安…」といったお声をよく聞きます。

その不安を少しでも払拭するために、ここではリノベーション工事の流れについてご案内します。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

▼記事監修

竹村

竹村

SUVACOアドバイザー

SUVACO専任アドバイザーとして、戸建て・マンション問わず幅広く専門家紹介を担当しています。お客様と専門家をつなげるサポートの中で、お客様のニーズ、専門家の最新情報をアップデートし、「役立つ情報」をお届けしています。

養生(ようじょう)

「養生」とは、マンションのリノベーションでエレベーター内部や手すりなどに傷がつかないようにしたり、建物種別を問わずに既存を活かしながらのリノベーションを行う場合の床や家具、建具などの保護をする作業です。

また、新しい床材などを施工した際も傷がつかないように、養生を行います。

昨今は不要なものを売りに出すフリマサイトの普及に伴い、ダンボールやプチプチ(エアパッキン)を留めるのに養生テープが使用されるようになり認知も広がっていますが、本来、養生テープは上記のような作業の際の養生材の固定の用途で使用されます。
竹村

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一見地味な作業ですが、とても大事な作業です。

特に床の養生は薄い養生材だと、工具を落としてしまった際に傷がつきやすかったり、枠や家具などは強力すぎるテープを貼ると剥がす時に素材を傷めてしまったりするので、注意が必要なデリケートな作業です。

工事が終わって養生を剥がした時に「こんな傷あったかしら?」ならないように、工事前の荷物がなくなった状態で施工業者さんと一緒に傷の確認をしておくとリスクヘッジやトラブル回避にもつながります!

解体

建て替えの場合は、基礎や柱や梁など構造体も含めて全てを「解体」していきます。また、リノベーションの場合は必要な範囲に限定した解体と撤去作業を行います。

養生作業と同様に、再利用する部分を傷つけないよう、慎重かつ丁寧な作業が必要になります。

戸建てのスケルトンリノベーションでは、基礎部分や柱などの構造部分はそのままに、また、マンションの場合は躯体や共有部を壊さずに解体作業を進めていきます。
竹村

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リノベーションでは、解体をしてみないと分からなかった損傷や建築時の図面には載っていなかったイレギュラーな納まりが見つかる場合もあります。

プランに大きな変更が必要な時は施工業者から報告や相談がありますので、慌てずに詳細を聞いた上で、解決策を一緒に検討していきましょう。
解体物の保管時の様子

解体物の保管時の様子

竹村

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解体した廃材が、運搬・処理業者がすぐに回収に来られない場合、一時保管をする必要があります。上の写真のようにしっかり管理ができている現場は素晴らしいと思います!

工事期間中に発生する廃材もきちんと素材別にガラ袋などに入れることで産業廃棄物の運搬・分別・処分費も抑えることができるので、私が現場にいたころも職人さんにお願いして余分なコストが発生しないように気をつけていました。

墨出し

解体が広範囲になるリノベーションの場合、解体工事の次は「墨出し」を行います。

実寸法と新築時の詳細図面とでは寸法が異なることがほとんどです。
一見、まっすぐに見える壁や床も垂直に立っていなかったり、マンションの躯体でも微妙な段差や傾斜があったりとそのままプラン図面の寸法通りに納めようとすると最後に帳尻が合わなくなってしまいます。

現場の実寸法に合わせて置く家具や家電製品などの必要寸法を確保した上で、壁の位置や天井高などを赤外線レーザーや墨つぼという道具を使って墨出しをしていきます。
竹村

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建築業界では段取り八分と良く言いますが、解体後のタイミングでこの「墨出し」の作業をしっかりと行うことが、最終的にきれいに納められるコツになります。
料理で例えると美味しく仕上げるための下ごしらえと同じですね!

キッチンやユニットバスなどメーカー系の住宅設備機器を入れる場合は、本体の組立はそのメーカーが施工することもあります。その際は、解体時にメーカーの施工業者が立ち会いのもと、配管や電気配線の位置なども墨出しをしていきます。

木工事

墨出しで下準備ができたら、次に大工さんの「木工事」に入っていきます。

床組や壁、天井組など室内の間取りのベースとなる構成を組んでいく工事はもちろんのこと、ドア枠や棚、収納部材等を固定するための下地施工、フローリング張り、巾木の取り付けなど多岐にわたる工事を大工さんが担います。

壁紙や塗装、タイル、塗り壁など床・壁・天井の仕上げに入っていく前の大事な作業です。全体工事の中で一番長く現場に関わる工種です。
大工さんの施工風景

大工さんの施工風景

竹村

竹村

進行中の現場はなかなか見る機会がないので、見学するのもオススメです。
ただし、解体後の現場は危険も伴いやすいため、必ず施工業者さんに了承を取ってから現場を見るようにしてくださいね!

また、一日の工事の終わりに道具や資材などをしっかりと清掃・整理整頓をして帰る職人さんはとても配慮が伴っていると思います。

設備工事・電気工事

木工事の期間中には、大工さん以外にも設備屋さんや電気屋さんも現場に入ります。
場合によっては、先に設備配管を行うケースもあります。

設備屋さんは古い給排水管の交換工事であったり、住宅設備のメーカー施工があって事前に墨出しがされている場合は、その墨出し通りに配管する作業を行います。

電気屋さんも同様に、図面に記されている照明位置やスイッチ・コンセント類の配線、もしくは配線を通すための配管の設置などを木工事期間中に行います。

そうすることで床や壁を塞いでしまう前に配管・配線ができるのですっきりと納めることができます。
これらを建築用語で「隠蔽(いんぺい)配管・隠蔽配線」と呼びます。

断熱工事

壁や天井などの断熱工事が計画されている場合、大工さんの木工事で壁の骨組みができ、配管や配線工事が終わったら、内装下地の石膏ボードなどを貼る前に、「断熱工事」を行います。

こちらは家づくりの打ち合わせ中に断熱工事をするか否か、行う場合にはどのくらい性能を向上するかなど、しっかりと打ち合わせるようにしましょう。

キッチンやユニットバスの組み立て工事

一般住設メーカーのシステムキッチンやユニットバスの場合、墨出しをした位置に配管や配線が完了していれば木工事の期間中に、メーカー工事として組み立てが入ります。
ユニット化されているので、複雑な仕様以外は取り付け自体はそれぞれ1日で完成します。
竹村

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特にユニットバスの場合は、組み立てが終わってから洗面所側のドア周りの壁をドア枠の取り付けも含めて大工さんが仕上げることが多いため、木工事の期間中に工事に入ることがほとんどです!

中間検査をしてもらいましょう!

設備屋さんや電気屋さんの工事も含めて大工さんの木工事が完了した段階で、現地で「中間検査」を行ってもらいましょう。

図面どおりに仕上がっているかどうかの確認をすることが主な目的となります。図面どおりに仕上がっていても立体的に見たら棚の枚数を増やしたくなったり、コンセントの個数を増やしたくなったりと、当初のプランから変更したくなることがあるかもしれません。

前者の場合は手直し箇所があっても施工が最小限で済むため、工期遅延になりにくくなりますし、後者は追加費用が発生しますが、内装の仕上げを行う前の作業であれば、仕上げ工事後に変更するよりも工期や費用を抑えられるためオススメです。

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