私は、池袋で小さなカフェを営んでいます。木造築50年以上。腕のいい大工さんが一人で建てたという物件の1階を借りて、自分なりにリノベーションをしてオープンしました。それから早12年。お客様や友達、そして家族を始めとする周りの人たちに助けられ、ここまで来られたなという実感があります。
大晦日生まれの息子は今年で3歳。音楽をこよなく愛する主人と、やんちゃなミックス犬の3人+1匹家族。嵐の吹き荒れる日ももちろんありますが、基本的には穏やか。そんな日々の暮らしを大切に思っています。
カフェでの毎日、家での毎日。私が感じた様々なことをお伝えしていきたいと思います。
第一回は、「こんなカフェをやっています」です。
▽ 目次 (クリックでスクロールします)
場所は、閑静でカジュアルな住宅地
カフェとはどんな場所でしょう
くつろぎタイムに欠かせないものは……
「おうちのようなカフェ」なのか、「カフェのようなおうち」なのか
場所は、閑静でカジュアルな住宅地
画家のアトリエや美術学校がひっそりと立ち並ぶ西池袋の地。朝はご近所さん同士のご挨拶から始まり、美術学校に通う生徒さんがわいわいと集う。そんな、JR山手線の池袋と目白の中間くらいの場所に、カフェ「lamp」はあります。もともとこの辺りは「池袋モンパルナス」と呼ばれるアーティスティックな場所だということを知ったのは、開店して数ヶ月が経った頃。
表現する人、ものづくりをする人に対する強い憧れを抱き続けた青春時代。私が選んだ表現の手段は「カフェを営む」ことでした。
カフェとはどんな場所でしょう
無数にある「カフェの使い方」の中で、どれにも共通している事項があります。
「チャージする場所」だということ。
ご飯やデザートを食べて文字通りのエネルギーチャージをするという意味ではもちろん、精神的にリラックスをして、気力のチャージをする場所でもあると思っています。
心と身体を満たして、さあ次のステップへ。
今日という1日にほんの少しの句読点を加えること。
カフェは小さな存在ですが、まわりまわって、今日のあなたの大きな力になることができれば、とても嬉しく思います。
くつろぎタイムに欠かせないものは……
カフェといえば、どんなお店を思い浮かべますか。いろいろなカラーのカフェがたくさんありますが、現在主流になっているのは、気取らず、どちらかというとアットホームでナチュラルなイメージのお店が多いような気がします。
カフェは時代を反映します。今、人々に求められているものは、癒し、安らぎ、そしてほんのちょっとエッジィな非日常なのかもしれません。
「おうちでくつろぐ」ということだけでは補えない、癒しの時間。カフェに関するちょっとしたスパイスが加わるだけで、おうちにいるのとはまた違う、新しい発見に心をくすぐられる経験ができることでしょう。
「出かける」ということは気分転換にもなります。
家にこもっていては出会えない生身の人とのコミュニケーション。
街の喧騒すらもBGMにしてしまうようなカフェミュージックの数々との出会い。
マイルドに刺激的なことは、身の回りにたくさんあります。
こういうことの数々が、「ちょっとだけエッジィ」な非日常。これがあると、毎日の暮らしはとっても鮮やかになります。
「おうちのようなカフェ」なのか、「カフェのようなおうち」なのか
お客様をお迎えするとき、一杯のコーヒーを淹れてお客様にお持ちするとき、お会計の後でお見送りをするとき。全て、心を込めて行います。そしてお客様に「今日このお店に来て良かったな」と思っていただければ最高。お客様がlampにいらっしゃるその間は、一度お家に帰って休んでもらっているイメージだからです。
外出先で、ちょっと一休みしたい、いったん家に戻りたい!と思ってもなかなかそうできないのが現実。カフェはお客様の第二の部屋となって、自分をチャージして取り戻すお手伝いができる場所です。
だからこそ、居心地がいいなと思っていただけるようなインテリアは大切。
「カフェ風インテリア」というカテゴリーはいまや不動の人気を誇ります。
lampの場合は、まさに気の置けない友人の家に遊びに行ってくつろぐイメージ。もともとのコンセプトは特に決めていませんでしたが、出来上がってみると、そして時を経て、次第にそのイメージが強くなっていきました。不思議なことですが、店って育つものなんですね。
SUVACOをご覧になっている方々は、「カフェのようなおうち」に憧れている方も多くいらっしゃると思います。lampの場合は、「おうちのようなカフェ」なのですが、参考にして頂けそうな部分をうまく抜き出して、色々とご紹介していければと思っております。
これからよろしくお願い致します!