近年、化学物質を含んだ建材が原因とされる「シックハウス症候群」や「化学物質過敏症」が問題視されています。このような背景を受け、日本古来の木や土などの自然素材で作られた家の価値が見直されるようになりました。今回は、人に優しい自然素材の機能と住宅に使用した事例をご紹介します。
漆喰
主に壁材として用いられ、「呼吸する壁」といわれるほど湿度調整に優れる漆喰。石灰や麻の繊維などを練り上げて作られます。事例は真っ白な漆喰壁に、スペイン風のタイルとコバルトブルーのドアが映えるダイニング。地中海のホテルのような異国情緒漂う空間です。
1975年築のヴィンテージマンションのリノベーション事例。オリーブグリーンに色をつけた漆喰の壁が優しい表情のリビングダイニングです。
珪藻土
珪藻土とは、藻の一種である珪藻が海底や湖底に積もり、長年を経て化石になったもの。主に壁材として用いられ、調湿や脱臭、耐火に優れています。事例は壁を珪藻土塗りで仕上げたリビング。天井と床の無垢材とあいまって、ナチュラルで心地良さを感じさせます。
珪藻土の壁は表面に凹凸のある豊かな表情が特長。和はもちろん、モダンな空間にもしっくりなじみます。
無垢材
見た目の美しさに加え、湿気を吸収したり放出したりすることで快適な湿度に保つ調湿機能にも優れる天然の木材。写真は床材にメープル、扉や腰パネルにパイン無垢材を使用したリビングダイニング。 自然素材とともに暮らす北欧スタイルを作り上げています。
限られた空間を広く感じられるようリビングの天井を開けて梁を見せ、吹抜けにしたリノベーション事例。オークの床をはじめ、ダークブラウンの無垢材がナチュラルかつ重厚な雰囲気を醸し出しています。
桧の床フローリングを用いたリビングダイニング。壁面、家具、キッチン、オリジナルのテーブルまで木目で統一された森林浴ができそうな空間です。