どんなに洋風のインテリアが定着しても、また純和風の畳の部屋では暮らせなくなってしまっても、私たちの感性から「和テイスト」と言われるものが無くなることはありません。もちろん座敷を利用する機会は減りましたし、和室自体も少なくなってきていますが、「畳=和風」というわけではありません。フローリング床だけれど、室内建具を和風造作にするだけでも、和のインテリアをつくることは可能です。
ここでは、さまざまな家に散りばめられている和風インテリアにするポイントを紹介しています。実際の打ち合わせにも使えるものが見つかるかもしれませんよ。
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こちらの家は「趣味を充実させた家(タイトル)」とあるように、おもにご主人の趣味を楽しめる工夫がなされています。ただ、趣味とは関係なく家の外観は和風。メインのお部屋のインテリアも品の良い和テイストでまとめています。
収納に吊押入れを選択するあたり(上の写真)、洋風のリビングに溶け込ませるセンスの良さを感じます。また外部の広縁ですが、軒天はリビングの天井材とほぼ合わせており、全体の統一感を演出しています。
オーディオルームのほかにも、ご主人はバイクがいじれるガレージがあり、奥様にも作業に没頭できるアトリエが用意されています。和テイストの家ですが、趣味のお部屋はちゃんと洋風テイストと言うのが、今の住宅らしさがでているところですね。
古民家再生的なリノベーション事例。『大改造!!劇的ビフォーアフター』でも紹介された和風の現場です。ダイニングテーブルはキッチン側の作業カウンターとしても使え、リビング側からは掘りごたつ感覚で着座できます。また、ほとんどの建具は再生して使っています。
キッチンの床はグラウンドラインから階段ふたつ分下げて作られていますが、土間下はきちんと断熱処理されており、もちろん冬場も冷たくありません。勝手口の窓が通常より倍近く広く取れているのが嬉しいですね。
京町屋を旅館にリノベーションした例ですが、自宅のリノベーションにも十分活用できます。旅館らしく玄関にも含みを持たせていますが、和テイストの家ほどこうしたアイデアを取り入れたいもの。地窓により、訪問者に宅内への直接の視線を遮らせています。
和テイストの家では土間床のスペースを有効活用させたいもの。ここでは、土間スペースにも床暖房が設置されています。シンプルな飾り棚ですが照明がユニークです。
和風寝室でもベッドを導入するのが当たり前になっています。こちらのようにベッドスペースが決まっているなら、そこだけ板の間敷きにしておくと良いでしょう。
こちらは戸建て平屋の住宅を和風リノベーションしました。インテリアのポイントは建具のデザインにあります。
縦柄が印象的な格子のデザインは、なんとなく大正ロマンめいた時代を彷彿とさせます。足がない床置きのソファもこのリビングに合っていますね。
リビングとつながる大壁の和室。シンプルな間取りですがセンスの良さを感じます。
現場はRC造3階建の住宅ですが、1階部分を茶事懐石教室として使えるようにリフォームしました。
予算を抑える目的で、よりシンプルな茶室を設計提案しています。庭の借景を楽しめるのは、お金のかからない和テイストへの一歩です。
こちらの茶室も天井を落天井した以外は非常にシンプルなつくり。しかし今の時代、天井を二段造りにしただけでも格式を感じさせるものは十分あります。和テイストにするポイントは天井のデザインにヒントがあるようです。なお、天井にこだわるのなら照明器具選びにも十分注意してください。
これは「掛込天井(かけこみてんじょう)」を使って、室内に高さをつくり出す視覚的効果を狙ったもの。洋室で言えば「勾配天井」のようなもので、茶室などにも用いられることの多い天井です。インテリアとしては、ここでは丸窓も効果的に使われていています。
ここも特に和室らしき部屋はありませんが、お店のような長いカウンターそして無垢一枚板のテーブルがあるだけのシンプルなインテリアが際立つ、これぞ「和テイスト」を感じさせる住宅です。事例画像の左側は6間ほどの掃き出しサッシが連なっていて、外部には庭がつくられています。この横に長いLDKの両脇、後ろ側にそれぞれの居室があります。とにかく夜お酒が飲みたくなるキッチンカウンターですね。