震災を教訓に耐震性や地盤の問題など、住宅の基礎の重要性が見直されるようになった昨今。新築でもリノベーションでも基礎に着目するオーナーが急増しています。安心して長く住める住宅の基礎のポイントとはどんなことなのでしょうか?
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基礎のポイント1 <耐震性>
基礎のポイント2 <断熱性>
基礎のポイント3 <湿気対策>
基礎のポイント4 <地盤補強>
基礎のポイント1 <耐震性>
住宅を長持ちさせる最大のポイントは耐震性。その一助を担う工夫は床下にもありました。写真は昭和45年に建てられた住宅のバリアフリー化と耐震補強のリノベーション。耐震強度が0.4以下と診断されたため、建物は基礎も含めてすべてが現在の基準を満たすよう耐震補強されました。内装は昭和の香りを残した歴史を感じさせる仕上がりに。
阪神大震災を経験した築45年ほどの木造住宅のリノベーション。基礎が大きく割れていたため、補強として建物内部から新たに鉄筋コンクリートのベタ基礎を施工。これにより、現在の基準の1.3倍の強度が確保できました。
基礎のポイント2 <断熱性>
冬場は床から寒気を感じるという人も多いはず。省エネやエコ生活に欠かせない断熱性を確保するには、「基礎断熱」がおすすめです。
こちらのお宅は周辺でも一番古く、歴史ある築27年の家。そんな住宅をフルリノベーションしました。独特の存在感を放つ外観を極力残し、既存壁面の上に断熱材と外装材を貼るとともに床下にも基礎断熱を施しました。
新興住宅地に建つ専用住宅の事例。基礎断熱を施すことにより、1階の19帖の広々としたLDKは冬も暖かく、居心地のいい場所になります。
基礎のポイント3 <湿気対策>
湿気は地面からやって来ることが多いため、基礎の湿気対策は大変有効です。写真は細かく区切られた部屋割りが温度差や湿気を生んでいた住宅をスケルトンからリノベーション。深さ1.7mの地下ピットの防水と換気を施し、湿気の不安を解消するとともに地下ピットもリビングの一部として利用することにより広がりのある空間を実現しています。
基礎のポイント4 <地盤補強>
地震などを原因とした地盤沈下は、古い家屋にとっていつ被害に遭うとも知れない深刻な問題です。写真は地盤が均等に沈下せず、建物が傾斜している状態の「不等沈下」に見舞われた木造住宅のリノベーション。基礎の下に潜り込み、短い鉄パイプを何本も打ち込んでレベル調整する「アンダーピニング工法」により、地盤の補強を行いました。
完成後のリビングダイニング。家族が安心して過ごせる憩いの空間のできあがりです。