みなさんもご存じのように、照明にはさまざまな色があります。
代表的な表現でいうと電球色(オレンジ色っぽい光)・昼白色(緑色っぽい光)・昼光色(青白っぽい光)。家電販売店などでよく見かける、蛍光灯の陳列棚がこの表現で並べられているの目にされることが多いのではないでしょうか。
このように人の目で見える光の色もまさに色々ですが、いったい色温度とはどのようなものなのか、そしてどんな活用方法があるのかを見てみたいと思います。
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色温度とはなんでしょう?
具体的な色温度【K(ケルビン)】値
さまざまなシーンに合わせた光の色温度の使い方
色温度とはなんでしょう?
色温度とは、一般的には光の色を表現する尺度で単位はK(ケルビン)という単位で表されます。赤っぽい色が色温度は低く→白っぽく→青っぽくなるにつれてK(ケルビン)の値は高くなっていきます。
暖色系の光の方が色温度(K・ケルビン)でいうと低く、寒色系の光の方が高くなり、人の感覚で表現される、暖色・寒色といった気温の概念と逆になるので勘違いしがちです。
もう一点間違いやすいのが、色温度は実際の光源の温度とは全く関係ありません。
解りやすい例えで言いますと、オレンジ色っぽい電球色の白熱球と青白っぽいLED球とでは、白熱球はやけどするほど熱いですが、LED球は触ってもなんともないといったように、実際に発熱している温度とは全く別物です。また光の量や明るさとも無関係です。
具体的に単位で考えると
温度【℃(ドシー)】
照度【Lux(ルクス)】
光束【Lumen(ルーメン)】
の上記3種類の単位と、色温度【K(ケルビン)】とでは、別々の概念でできた尺度なので
直接の関係はありません。
具体的な色温度【K(ケルビン)】値
前に記したように、色温度K(ケルビン)は暖色系が低く・寒色系になるにつれて高くなりますが、一般的な蛍光灯の色で具体的な数値をみてみましょう。
※色温度:K(ケルビン)
電球色:約3,000K
昼白色:約5,000K
昼光色:約6,500K
この他で言うと、
日中の太陽光:約5,500K
朝日・夕日:約2,000K
ロウソクの炎:約2,000K
といった感じになります。
さまざまなシーンに合わせた光の色温度の使い方
色温度とはどういったものか見てきましたが、今度は実際の生活シーンで、どのように活かすか具体的に見ていきたいと思います。
読み書きや勉強する空間からクセのない空間づくりには、昼白色(約4,000~5,000K)。
違和感のない、快適な明かりでストレスなく読み書きがはかどります。クセのないちょうど良い空間にするには、これぐらいの色温度がおすすめです。洋服の色の見え方にあまり影響を与えないので、コーディネート用にも適しているので、ウォークインクローゼットにも良いでしょう。
集中力を高めたりアクティブに活動したい時は、昼白色~昼光色(約5,500K)。
日中の青空に近い光は集中力を高めたり、活発に活動したい時になどにおすすめ。色温度を高めて青みがかった白色にすることで、緊張感のある空間が出来上がります。日中の太陽光と同じように、できるだけ高い位置から全体を照らすとより効果的です。
リラックスしたい部屋や食事の時は、電球色(約3,000K)がおすすめ。
色温度の低いオレンジ色の光は、リラックスできる落ち着いた空間を演出してくれます。また、温かい光は食べ物をおいしく見せてくれる効果もあるので、ダイニングにもおすすめです。最初の昼光色の緊張感のある空間とは逆で、照明は低めに設定すると、より落ち着いた空間が演出できます。
リビングに、3.8mの作り付けのソファのある住まい。
ソファの天井をあえて低くすることにより、ソファに座った時の落ち着きが出るようにしています。天井材料は、木目自体をデザインとして取り入れた、通常下地材として使用するラワンべニアを採用しました。
色温度のほかに、照度といった明るさの強弱、間接照明やスタンドなどの照らし方や光の方向性、LEDや蛍光灯、電球といった光の種類など、ほかにも足し引きする要素がたくさんあります。
同じ空間でも組み合わせによって、演出される空間の可能性は無限にあると思います。ぜひ、色々な組み合わせを検討して素敵な空間を演出してみてください。