家づくりの段取りは大きく分けて「物件探しと購入」「融資の手続き」「リノベーション計画と工事」の3つに集約されます。
まずはそれぞれの段階で具体的にどんなことを行うのか、詳しく説明しましょう。
■物件検索・購入(&建築の専門家探し)
まずは、物件紹介が得意な不動産売買・仲介を本業とする会社や、不動産探しからリノベーションまでワンストップで行っているリノベ会社に問い合わせをしてみましょう。
不動産検索のポータルサイトなどから、自分のイメージに近い物件を取り扱っている会社に問い合わせを行うパターンがスタンダードですが、自分の理想の家がまだ見えていない場合や、プロの意見を聞いてみたい時は、リノベ会社や
専門家紹介サービスの利用がおすすめです。
そして、どの会社に問い合わせを行ったとしても、実際に対面(オンライン含む)して相談することが大切です。
希望する立地、周辺環境、予算などを共有することで共通認識を高めることができますし、対面して話すうち、自覚がなかった希望・要望に気がつくこともあります。
売買物件であっても、人気の物件はすぐに買い付けが入ってしまいます。相談前の下準備として、予算、要望(さらに優先順位)や、譲れないポイント、現在の住居で困っていることなどをリストアップしておくとスムーズです。
購入したい物件が見つかったら、必ず売買契約前に、建築の専門家に物件をチェックしてもらってください。物件の建築条件などによってはやりたい工事ができないこともあります。土地自体に問題がなくても、建物の劣化が激しくリノベーションに向かないこともありますし、特にマンションの場合は、排水管などを自由に移動できず、希望するレイアウトができない可能性も考えられます。買ってから後悔しないためにも必ず専門家にチェックを入れてもらうことが大切です。
……ということは、気になる物件が見つかったらすぐにチェックしてもらえるよう、物件探しと並行して建築の専門家を探しておく必要があるということです。早めに施工を行う専門家を決めることは、このあと説明する融資の面においても、大きなメリットとなります。
■融資を受ける準備をする
物件購入費、リノベーション費用を決めるために、金融機関を訪問して資金計画の相談をしておくことはとても大切です。住宅ローンの事前審査は早めに行いましょう。リノベーション費用も含めた費用を住宅ローンとして借り入れたい場合は、住宅ローンの本審査の時点で工事請負契約書または、内容が確定した見積書が必要となります。
金融機関に提出する書類はこのほかにもあります。不動産売買契約書や源泉徴収票、住民票などが必要になるでしょう。提出時に不足書類があると受理されませんので、何が必要か確認しておきましょう。
また、住宅ローン控除を使いたいと考えている人は法定耐用年数が耐火建物は25年、非耐火建物は20年を超えてしまうと制度を使えないケースがあります。「フラット35」の場合は、「建築確認日が昭和56年6月1日以降の住宅」または「それ以前の確認日である住宅は耐震評価基準を満たしているもの」が住宅ローンを組める原則となっています。
リノベーションを考えている人は、予算の関係から古い物件を選びがちなので、控除の適用が受けられるかどうかは確認しておくべきです。
■リノベーションの手配をする
不動産会社の中にはリノベーションの知識や工事実績が豊富でないところもたくさんあり、リノベーションのアドバイスすらできない企業は少なくありません。そんなときは、建築会社に相談に行くことをおすすめします。
完成後の生活のイメージや希望の間取り、使用などの希望を建築会社に伝え、プランと費用の相談をおこないます。設計図や見積をもとに、仕様や設備などを検討しましょう。
一戸建ての場合、リフォームの予算を立てるのが難しいので、概算費用がすぐに分からない場合が多くあります。そんなときは「ホームインスペクション(住宅診断)」というサービスを利用してはいかがでしょうか。
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