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外観・室内ともに、気に入っている元々の雰囲気を活かしてリノベ。階段や天井見切りの新旧の取り合いや金物選びも万全です。
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設計、施工、監理を担当
丘の一番高いところ建つ趣のある2階建ての木造戸建てをリノベーションしました。
敷地にはモミジや木蓮、柿の木などが立っており、窓からは多くの植栽が見えるのに加え、2階に上るとは東にはスカイツリーが、西には富士山が見えるという、まるで高木の樹冠の上のような住宅です。
元の住宅は1階2階共に段差と仕切りが多めで少々使いにくい造りになっていたので、段差解消と家全体の見通しを良くしつつ、断熱性能と耐震性能を向上させました。
意匠的には元の雰囲気が気に入って購入したとのことでしたので、活かせるところを活かしつつ左官の壁をベースに全体をまとめました。
二人の男の子がこれから家の中でのびのびと過ごせるようにと古い戸建てを購入してリノベーションを弊社に依頼していただきました。
かなりの築年数ながら、とても凝ったつくりになっていて、全体的な雰囲気がお好みとのことで、元の印象を活かしつつ性能面では現代化を図りたいとのことでした。
1フロア内での段差が多く、構造的にもかなり複雑な作りだったために解体前の段階でできる限り想定をしながら計画しました。
間取り的にはそれほど大きな変更はしていませんが、眺望を活かしきれていない間取りであったため、窓の位置や大きさ、バルコニーなどを少しずつ改善し、外とのつながりを持たせてゆったりと過ごせるような住宅になるよう計画しました。
断熱性能はHEAT20のG1相当とし、耐震改修は評点1以上となるようにした上で瓦屋根を金属瓦に葺き直しています。
コロナ禍においてお子様が外出しにくい時期でも大きなウッドデッキでストレス発散ができるなどのびのびと過ごせています。
物件購入後にご相談をいただき、基本設計、実施設計で4ヶ月程度、見積もりと調整で3ヶ月程度、工事に5ヶ月程度とほぼ1年がかりの計画となりました。
着工してからわかりましたが、既存の構造が思った以上に歪んでいて大工工事に非常に時間がかかりました。
工期も想定以上にかかりましたが、丁寧な仕事する大工に対して理解を示していただきじっくりと現場を進めることができました。
玄関とリビングを同時に見たところです。 玄関は白い左官壁に光が反射して静かな雰囲気に、リビングはウッドデッキや木天井に反射して温かい雰囲気になっています。 リビングとウッドデッキは同じ高さでつながっているため一体感のある使い方ができます。
キッチンはL型の既製品を背面のカウンター収納とつなげています。 南面の窓はキッチン作業中に木が綺麗に見える位置で開口を取り直し、西窓は4枚建ての引違いを2枚建てに変更してよりすっきりと見えるようにしています。 キッチン本体での収納量があるので、高い位置の収納は設けず、背面はオープン棚のみでコストを抑えています。
当面の間家族全員で寝る予定の寝室の壁は塗装下地用のクロスになっていて、落書きできるようになっています。
リビングからすぐ出られるウッドデッキ。 デッキ内には柿の木と木蓮があり、取り込むような形でデッキを造作しています。 敷地が南に向かって傾斜しているので1階のデッキですが隣地の2階以上の高さがあり、プライバシーと日照が確保できています。 デッキは杉を高温処理してメンテナンス(ほぼ)フリーになったエステックウッドを使用しています。
意匠的には元の雰囲気が気に入って購入したとのことでしたので、外観は必要最小限の変更にとどめています。 玄関周りは元々木製のドアにシングルガラスのカーテンウォールとなっており、断熱的には厳しい仕様でしたので、全面をペアガラスに変え、木製ドアは断熱仕様で作り直しました。
玄関は吹き抜けとなっています。 元の玄関は土間が狭かったので、柱を抜いて梁補強をした上で全体的に広げ、アーチ開口の奥に靴のまま入れる収納を設けました。 玄関収納の奥には元の和室の床の間にあった小さな地窓に加えてFIX窓を追加し、日中は照明を点けなくても利用できるようになっています。
吹き抜けの玄関土間と玄関収納。 北向きの玄関は2層分のガラス面になっていて柔らかい光が入ります。
玄関収納内のハンガーパイプですが、玄関から見えるということもあり左官のテクスチャーに合う亜鉛メッキ仕上げで製作しています。 明るい玄関から入る光を左官とメッキが鈍く反射し、収納内でも落ち着いた雰囲気が感じられます。
玄関から屋内方向の木の壁は元からのもので、左官の壁と対比させて少し印象を軽くしています。
リビングにはもともと小さなバルコニーが付いていましたが、広いウッドデッキに造り変えリビングの続きとして使えるようにしました。 手前に見えるの柱は移動すると大掛かりな補強が必要になるような梁のかかり方をしていて、ちょうどダイニングテーブルが入るスペースが確保できることもありそのまま残しています。 テレビのある面が南で、元は掃き出しの引違い窓がついていましたが、東のウッドデッキに出る窓で十分な明るさが確保できるので高さ方向を縮めて柿の木の枝がちょうど見えるくらいにしています。 リビングの木の天井は元からのものです。
杉の梁を片持ちで施工したテレビ台
キッチンから見たリビングと小上がりです
リビングと廊下の間仕切りは大きな引戸となっており、空調のいらない季節は開けていると玄関からの一体感が感じられます。
リビングに続く小上がりは柱や障子、天井は元のままで壁と畳とサッシだけ刷新しています。
ダイニングとキッチンです。 キッチンはL字型でレンジフード以外の吊戸類を付けないことで天井が伸び、広々と感じるようにしています。
建具枠と天井の素材切り替えの取り合いです。 ダイニング側の天井は廊下と高さを合わせ、リビングの既存天井との段差を真鍮のフラットバーで吸収しています。
ダイニングテーブルの奥の部分は収納となっています。 ツマミ等の金物はFORMANIのFERROVIAシリーズで統一しています。
2階フロア内の段差を吸収するために階段の上りきりの床高さを高くしたため、階段の段数を増やす必要があり途中から新設しています。
階段の新旧切替部分。新しい段板は無垢のホワイトオークです。
2階に上がったスペースはセカンドリビング的なファミリースペースとしています。 眺望がよく富士山が見えるので、ベランダを設けて外に出れるようにしています。 将来的に柱の位置で壁を作って個室にもできるようにコンセントやスイッチを露出配管で柱に添わせています。
元々は下屋でしたが、南側傾斜のため視界を遮るものが何もなく、外に出られないのはもったいないのでバルコニーを設けています。
玄関の吹き抜けからセカンドリビングにつながります。 セカンドリビングからは南北の窓に加え、寝室越しにモミジが見えます。
2階の奥の、屋根裏でデッドスペースだった部分をウォークインクローゼットとして活用しています。 とても味のある丸太梁があったのでそのまま現しています。
洗面はハイサイドに窓を設け、プライバシーを確保しつつ明るい空間となっています。
古い木造のリノベーションならではの、数十年前の新築時の名残が感じられる柱です。
リビングとウッドデッキの床レベルを合わせることで、ウッドデッキに出る心理的ハードルはかなり下がり、どんどん使うようになります。 コロナ禍で外出が難しい時期でも気軽に外で過ごせるスペースがあることで息抜きができます。