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設計、施工、監理、インテリア、土地・物件探しを担当
ほぼ仕切りのない大空間を、フローリングとタイルの床で緩やかにゾーニングしたワンルームプランのK邸。
リビングに鎮座する円柱は、間取り変更の際に動かせなかったパイプスペース。あえて意匠として魅せることで、まるで美術館にいるような非日常を感じさせます。色数を抑えたスッキリとした空間に、コンクリートや塗装のざっくりとした質感がバランス良いお部屋が完成しました。
世にリノベーションという言葉が出てきたころからずっと、自由に家づくりができるリノベーションが気になっていたというK夫妻。10年以上タイミングを見計らっていましたが、賃貸の契約更新を機に本格的に動き出すことを決意。年齢を重ねて余計な悩みがそぎ落とされたことも、住宅取得に踏み切るきっかけになったそうです。
奥様が望んだのは、とにかく風通しが良いワンルームの家。ベッドルームとワークスペースにはR型のレールを取り付けて、必要なときはカーテンでゆるやかに空間を仕切れるようにしました。この家のアイデンティティである白い円柱は、間取り変更の際に動かせなかったパイプスペースを曲線状の下組みで覆ったもので、美術館のような洗練された世界観を演出しています。躯体現しの無骨な雰囲気に、白とグレーと木をバランスよく掛け合わせた、インダストリアル過ぎないシンプルで無機質な空間を創り出しました。
お引越しの際にCDや本などを整理して、本当に思い入れのあるものだけをこの家に持ってきたというご主人。「眠らせておくだけではCDが可哀想」と言う奥様の言葉からCDプレーヤーとスピーカーを購入し、リノベ空間では振動を感じながら音楽を楽しんでいるんだとか。「このサブスク全盛の時代に、CDも喜んでいるかと(笑)」とご主人。どこまでも穏やかで、洗練されたモノを慈しむ暮らしが、この家で続いていきます。