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歯科医院に併設された住宅です。
多くの患者さんやスタッフによって日々ハードに使用される医院部分と、化学物質アレルギーのご家族への対応した住宅部分との両立がテーマとなりました。
これまで全ての素材を等価に考え、その最適解を常に探求してきた私たちにとっても、初めて素材そのものについて深く考える機会となりました。
街のにぎわいから離れた穏やかさと、やさしい空気や手ざわりに包まれた住宅になりました。
京都北山という地域で、クリーンで質の高い歯科医療を行なう医院のイメージを鮮やかなブルーとホワイトの二色で構成し、箱型のボリュームを積み上げるような外観とすることで医院の特徴でもある二階の歯科サロンを際立たせています。 医院と住宅は二階で分けられています。
夜になると二階の窓が行灯のように街路を照らし、患者さんを迎え入れます。 正面に植えられたのは北向き敷地でも葉を茂らせるソヨゴの樹。医院と住宅をおだやかに分けています。
一階は医院との兼ね合いから玄関と上階への階段、エレベータホール。 ポーチ床は高温焼成テラコッタ、床材はパイン、壁は漆喰塗です。
玄関から住居に至る階段。床はコンクリートに水性塗装、壁はノンホルム合板にリボス塗装。手の触れるところは全て金属製で、樹脂コーティングされていない材料。
各寝室には船舶窓を付けました。 床、建具はパイン無垢材を加工、床下には樹脂系断熱材ではなく竹炭を敷き込んでいます。
階段材もパイン無垢材を挽いて製作。手すりやスイッチ等は合成樹脂を含まない金属製品を使用。
階段上には窓を付け、穏やかな空気の流れを呼び込みます。
家族が過ごすLDKの床はパイン無垢材、壁・天井は漆喰塗。 木材は全てアレルギーテストを行ない、漆喰はこの建物のために左官屋さんに合成樹脂を含まないものを作成してもらいました。
リビングの一角にはスタディコーナー、家具も全てパイン無垢材で製作しています。 漆喰の壁と天井は部分的に微妙に色を変えています。
キッチンは樹脂部品が露出しないほうろう製システムキッチン。浴室や洗面、トイレなどの水周りも可能な限り陶器やほうろう、金属製にこだわり、合成樹脂パーツが手に触れないようにしています。
この場所は建物最上階なので、広いテラスを設けました。 リビングは一面このテラスに面して大きく開いています。
屋上テラス。北山地区は京都市街でも高い位置にあるので夏も涼しく快適です。 テラスからは五山送り火を楽しむことも。