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敷地は駅に近く外部に対して閉じたい環境でしたが、風致地区としての緑化基準が課され、防犯上の塀よりも生垣を誘導される悩ましさがありました。幸いにも西南角の隣地境界上にあった大きなシラカシがあり、緑化基準に大いに役立つこととなりました。工事の関係で枝葉を大分切り落としましたが、2,3年先、以前のような枝ぶりに戻って、通りのシンボルとなることを期待しています。
内部においては、開放感を大事にした住宅です。家の真ん中に3階まで至る階段を設け、2階のLDKとは仕切りを設けていません。さらには3階の子供室が2つともリビングの吹抜に面しており、引戸の室内窓を開放すれば、リビングとも一体化、子供室同士も一体化する仕組みとなっています。
海外での生活が数年間あり、ワンルームで大きな空間に慣れてしまったとのことで、以下の3つを要望されました。
・最優先事項として吹き抜けのある広々としたリビングダイニング
・全体の解放感のためスキップフロアであること
・冬場が寒くないこと
家の中心にある階段は、自然光が降り注ぎその日の天気がダイレクトに感じる空間です。そこをいわば街路に見立て、階段を巡っていく際に立ち現れる集成材のパネルや箱によってスキップフロアの景色が楽しく見え隠れすることを意図しました。
以下、奥様のコメント
「素人の我々では予測のできない地盤の相談、予算から考えられる土地と建物のコストバランスの相談から乗って頂き、我々の要望するイメージを丁寧にヒアリング頂きました。
住むようになり1年弱経ちますが、冬場は吹き抜けやスキップフロアにより寒いことは全くなく2階リビングの床暖房のみで過ごすことができます。おかげで冬場はエアコンによる空気乾燥もなく快適でした。
子供たちも回遊式にして頂いた設計により室内で追いかけっこやかくれんぼを楽しんでいます。
我々の要望するニーズの具現化のみならず、機能性やデザインも諦めることなく最後まで付き合って頂きました。」
土地を買うところから相談に乗り、土地と建物のコストバランスのことを伝えました。敷地が決まってからは、大きくは2案を提案し、そのうちの1案をブラッシュアップしていきました。
ガルバリウム鋼板の鎧(よろい)窓から漏れる灯りが、家人を温かく迎えてくれ、その在り様はこの家のアイデンティティとなっています。
手前のダイニングと奥で吹き抜けているリビングとの間に、領域を分ける格子棚があります。それぞれに落ち着きを持たせながらも視線は抜けていきます。家族の一体感とほどよい空間の区切り方をイメージしました。
ガルバリウム鋼板の鎧(よろい)張りによる外観デザイン。
玄関ポーチは半外部で通りから見えにくくしています。玄関脇に置きっぱなしになる自転車・遊ぶ道具など隠すことができるので、家族構成や留守かどうかなど判りにくく、それでいて開放感のあるポーチとなっています。
玄関脇に1段上がった和室があり、そこの式台はベンチ替わりになっています。
玄関ホールの脇にある手洗いボウルは、コロナ対策。 ですが、少しかっこよく。玄関に入って目の留まる位置にあるので、少しかっこよく、を意識しました。
玄関脇の和室は、客間として使えるほか、ランドリーにも近く一時的な家事室になることもあります。
玄関脇の多目的に使う和室。障子の入れ方をモダンにして、かしこまった和室ではない印象にしました。
2本の引込み戸を開け放つと和室は玄関と一体化し、玄関ホールの中の小上がりのような位置付けになります。
壁と見間違えするような幅広の引戸1枚を使って、2wayのウォークインクロゼットをつくっています。廊下からの目隠しとクロゼットの入り口を兼ねています。
収納たっぷりのオリジナルカウンター。フローティングしたデザインにして床を広く見せています。
階段の構造にはスチールを使い、肌が触れるところは木にしています。
ダイニングとオープンな関係のキッチン。キッチン右奥にはパントリーがあり、そのパントリーを介してセカンドリビングにも行けるようになっています。
L型のキッチンをLDの方向に向けて置いているので、料理しながら家族の会話に参加できるようになっています。
2段下がったセカンドリビングは落ち着きのある空間となります。読書するイメージで本棚を設けました。 階段の周りがぐるりと回遊できるようになっていて、キッチンからの行き来が楽になっています。
リビングは天井を高く取り右上部には連窓の高窓を設け、左上部は子供室の窓があります。
2つの子供室と階段は吹抜と一体となり、おおらかな空間を形成しています。
集成板パネルのすき間から垣間見える家の風景は、スキップしながら様々な顔を見せてくれます。
3階の天井は北側斜線の影響で急勾配。そこから入るトップライトの光は天気に影響を受けない明るさがあります。
触れるところは木にしてありますが、構造上のスチールがデザインのアクセントになっています。
2つ子供室の間は踊り場をはさんで2段の段差があります。2階と3階の間に踊り場が二つあるので上りやすくするための高低差です。
吹抜を介して子供室とリビングの間に一体感が生まれます。
子供室1は他の3階床より2段低いのでリビングに近く感じられます。