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郊外住宅地にあり隣家と程よい距離感を持った敷地で、道路より一段上がった東南の角地、さらに南側にすり鉢状の控えている、という良好な立地です。
要望はプライバシーが保たれ、ゆったりとした時間が流れる家であること、美しい本棚があることと、いたってシンプルでした。
土地の起伏なりに一枚の大屋根を架け、自然光の必要な部屋から順に南から北へと部屋を配していき、それぞれを完全に仕切ることのない回遊プランとしました。プライバシーの問題から仕切った寝室も、ラワン天井によって視覚的につながっています。大空間ではありますが、窓から入る光量の差と小さな床の段差によって、部屋ごとに少しずつ違った雰囲気を持っています。
建物中央の玄関上や寝室にはトップライトを設け、建物の奥にも季節ごとに異なる鮮やかな光が落ちるようにしています。廊下一面に作られた本棚の両端の開口には、強い日差しで本が傷まないよう、経木簾戸を設えています。また、リビングダイニングの南側に面した大開口にも障子と経木簾戸を仕込み、自ら居心地の良い光量を設えることのできるようにしています。
光による企みは自然光のみならず照明による光でも検討しており、大谷石や漆喰、ラワン材の天井など、素材ごとに異なる質感で光を受け止めます。作業に必要な場所にだけ灯す照明器具の光は、大空間の中で互いの気配を感じながらも距離を保つことを可能としています。
このような昼夜様々な明暗が、大空間の中で家族それぞれの場をつくり出しています。