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大開口から光があふれ、外へと突き出すようなモルタルの大きなテーブルの視覚効果と相まって空間の広がりが際立つ。気になる周囲の建物からの視線も、ルーフバルコニーを開閉可能な木製ルーバーで囲って解決した。 おのずとキッチンの配置も定まり、4階の奥がリビングに。3階の寝室と子ども室、2階のフリールームと下るにつれて薄暗くなる問題は、上下を貫く階段室に着目。各層の踊り場の床に153×63㎝のガラスをはめ込むことで屋上から光を落とし、ガラス壁(3、4階)を透過して各部屋へ行き渡らせることにした。
延床面積約80坪と親子3人の暮らしにはかなり余裕があり、プランはテナント誘致の可能性も視野に入れていた。そのため、1階中ほどにあった階段は上層の動線とつなぐ形で奥へ移動し、2階と3階を結ぶ南側の階段もそのままの形で残している。「私たちの美意識にかなうテナントさんが入ってくれるとは限らないので、結局はすべてを住居として使うことにしました。ただし、ゆくゆくは私たちのショップ兼事務所をこちらへ移してきてもいいし、いずれ子どもが独立すれば望ましい住まいの形も変わるはず。だから今の状態が完成形というわけではありません」と妻。仕事や暮らしは常に変わり続けていくもの。それに応じて柔軟に使い方を変えていける懐の深さも、中古ビルならではと夫妻は言う。
家族構成: 夫48歳 妻48歳 長女16歳
築年数: 49年
延床面積: 261.3㎡
工事費: 2500万円 (設計料別)
設計: 9株式会社
ガラスの壁を貫いてモルタルのテーブルがルーフバルコニーへ突き出すダイニング。 撮影/山田耕司
4F 「近くに私たちがよく行くお気に入りのカフェがあり、モルタルのカウンターが素敵だったので」(妻)と、対面式のキッチンカウンターはモルタルで造作。 撮影/山田耕司
縦に長い空間を生かしてダイニングとキッチンを向かい合う形でレイアウト。 撮影/山田耕司
ロッキングチェアは愛犬・ののちゃんのお昼寝場所に。 撮影/山田耕司
3F「やっぱり子どものためには明るい部屋がいい」(妻)と子ども室は南側に配置し、小さな廊下をはさんだ奥に夫妻の寝室を確保。 撮影/山田耕司
2F 友人を集めてヨガをしたり、壁をスクリーンにして映画を鑑賞したり、多目的に使うフリースペース。 撮影/山田耕司
フリースペースから階段室方向を望む。奥の壁一面に大きめの収納を設け、足元には間接照明を施した。 撮影/山田耕司
5F 2つの外部空間を持つ屋上の階段室は、一角に洗濯機置き場を確保。明るい光に満たされ、扉を開けて風を通すとまるで外にいるよう。 撮影/山田耕司
洗面室の奥に家族3人共用の大容量ウォークインクローゼットを設置。 撮影/山田耕司
医療機関・福祉施設用のシンプルな洗面台を採用し、壁のモザイクタイルや間接照明でエレガントに。 撮影/山田耕司
屋上へ出る扉を開放するとちょっとしたビューバス気分も。風通しがよく、湿気がこもる心配もない。 撮影/山田耕司
構造を現しにした内装が倉庫のようで味わい深い。腰掛けてひと休みできるソファを据えた。 撮影/山田耕司
1F いわゆる玄関ホールはなく、階段下で靴を脱いで2階へ。1階は外光が入らないものの「洞窟のようで落ち着く」と夫。 撮影/山田耕司
物件はいわゆるオーナー会社ビル。下層の事務所と上層のオーナーの自宅が内階段で結ばれているためフロア貸しが難しく、相場よりも割安な点も魅力だった。 撮影/山田耕司