丈夫で燃えづらく、間取りの自由度が高くて将来のリフォームやリノベーションもしやすい。そんな住まいがあったらいいなと思いませんか?あるのです!
それが「ラーメン構造」という方式の住宅なのです。ラーメン構造は鉄筋コンクリートか鉄骨で建てるのがもっとも一般的ですが、近年は木造で建てることも可能になり、普及しはじめました。
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ラーメン構造ってなに?
ラーメン構造の魅力とは
燃えにくく静かな鉄筋コンクリートのラーメン構造
燃えにくくスマートな鉄骨のラーメン構造
低コストの頼もしい味方、木造ラーメン構造
ラーメン構造の注意点
ラーメン構造ってなに?
まず、ラーメン構造とは何なのでしょうか?
ラーメンという名前は、ドイツ語で「枠」を意味する「rahmen」という単語から来ています。
ラーメン構造の仕組みは、一般的なマンションやビルを思い出していただければすぐにわかります。柱と梁とでジャングルジムのような骨組みを作り、そこに床や壁を設けてできています。
特に工事現場を見ると、ジャングルジムそのままの形なのでわかりやすいと思います。これがラーメン構造です。
従来の木造住宅(在来構法)も柱と梁でできていますが、骨組み同士がわざと緩く接合されて、地震のときに少し揺れて力を逃がせるように作られています。
これに対してラーメン構造は骨組み同士が非常にガッチリと接合されています。地震が来てもピクリとも動かずに踏ん張って耐えるという骨組みなのです。
ラーメン構造の魅力とは
木造在来構法では骨組みをたくさん設けねばならず、壁や窓の位置が制約を受けます。
これに対してラーメン構造は、柱と梁以外にほとんど骨組みが必要ありません。そして柱と柱の間隔は、7〜9メートルは軽く離すことができます。つまり骨組みが少なくて済むわけです。
したがってその最大の魅力は、間取りの制約が少なく、壁や窓を好きな位置に設けられるという点です。つまり造形や住まい方の自由度が、ラーメン構造は非常に高いのです。
下の写真は鉄骨ラーメン構造の戸建て住宅の例です。壁がなく全面が窓になっています。
また下の写真は鉄筋コンクリートラーメン構造の戸建て住宅をリノベーションした例です。壁を設けなくて済むので、このように屋内と屋外が一体となった作りにも向いています。
ラーメン構造ならこのようなリノベーションやリフォームもやりやすそうですね。内装をすべて取り去って柱と梁だけの状態にして、そこから今までとまったく違う間取りで作り直すことが簡単にできてしまいます。
燃えにくく静かな鉄筋コンクリートのラーメン構造
ラーメン構造は鉄筋コンクリートか鉄骨で作るのが一般的です。また近年では木造のラーメン構造もあります。
ではさっそくそれぞれの特徴を見てみましょう。
まず鉄筋コンクリートのラーメン構造は、耐火性能がずば抜けて優れているのがいちばんの特徴です。また遮音性能も大変優れています。
一方デメリットは、柱と梁が他に比べて太めになってしまうことです。マンションでも柱形や梁形が出っ張ってしまっている例が多いですよね。
また鉄筋コンクリートは他に比べてコストがかかり、工期も長めなのが辛いところです。
燃えにくくスマートな鉄骨のラーメン構造
鉄骨のラーメン構造は、鉄筋コンクリートほどではありませんが耐火性能が優れています。
また鉄筋コンクリートに比べて柱・梁をかなり細くすることができます。
骨組みを細くでき、また高精度に施工することができるので、下の写真のように骨組みむき出しにすると、とてもカッコいいインテリアができあがります!
また、下の写真も鉄骨ラーメン構造の例です。骨組みを極限まで細くして、大変美しいインテリアに仕上がっています。
一方、駅前繁華街の敷地などで高い耐火性能が必要な場合は、鉄骨の耐火性能でもまだ足りません。
そこで骨組みを耐火パネルで包んで作るのですが、その結果太さはコンクリートとあまり変わらくなってしまいます。
また鉄筋コンクリートに比べて音が響きやすいという短所もあります。コストも鉄筋コンクリートとだいたい同じ程度かかります。
しかし一方で、鉄筋コンクリートに比べて工期がうんと短くて済むという利点があります。住宅の場合、仮住まいが短くて済むのは助かりますよね。
低コストの頼もしい味方、木造ラーメン構造
近年、木造のラーメン構造が法的に認められました。これは「SE構法」と呼ばれ、どんどん普及しています。
SE構法は鉄筋コンクリートや鉄骨に比べて、コストがかなり安く済むのがいちばんの強みです。
では従来の木造に比べてSE構法はどのような利点を持つのでしょうか。
いちばんの利点は柱を離せることです。SE構法では、柱同士をなんと最大9メートルまで離すことができるのです!
間取りの自由さ、リフォーム・リノベの便利さも在来構法の比ではなく、鉄筋コンクリートや鉄骨とほぼ同じと言えます。
下の写真はSE構法で建てられた戸建て住宅の例です。40畳(!)という巨大なLDKを柱なしで作っています。
が一方で、コストは鉄筋コンクリートや鉄骨より安価とは言え、木造在来構法に比べるとまだまだ高価です。
普及し始めてまだ間もないので、資材の単価や工事の手間賃が割高なのですね。請け負える工務店も、まだ限られています。
ラーメン構造の注意点
このようにラーメン構造は大変優れものの構造方式ですが、注意すべき点としては、小規模の住宅には向いていないということがあります。
特に鉄筋コンクリートラーメン構造は柱梁がある程度太くなるので、小住宅ですとかなり邪魔になってしまいます。
そこでその場合は、同じ鉄筋コンクリートの「壁式構造」のほうがコンパクトな住まいには向いていると言えるでしょう。
ラーメン構造の住宅は木造在来構法に比べてコストがかかりますが、注目すべきメリットが目白押しでもあります。
構造的により丈夫で、耐火性能を格段に良くできます。また将来のリフォームやリノベーションに対するフレキシビリティも豊富です。
そう考えますと、ワングレード上の丈夫で長持ちな住宅にはぴったりの構造方式と言うこともできそうです。コストも、数世代の長いスパンで考えると、必ずしも割高とは限らないと言えそうですね。
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