2024/04/04更新1like1020view

著者:岩間光佐子

天井の種類と素材選びでわが家に個性を。バリエーション豊富な天井プランの基本をマスターしよう

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

家づくりの中で、天井は平らで床と平行にあるものが一般的。そこまで多くのバリエーションもなくデザインするイメージがしにくい部位かもしれません。しかし、床や壁と同様に、天井は空間を作り上げる重要な要素のひとつ。高さや形、用いる素材によって居心地はもちろん雰囲気にも大きく変わり、暮らす人の個性が出るものです。

天井の形や素材にこだわって、わが家らしさを演出してみませんか?ここでは、天井プランの基本と参考になる事例をみていきましょう。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

空間のイメージを決める高さ・形・素材

一般的な住宅の天井の高さは、2メートル40センチ~60センチ程度。吹き抜けなどであれば、さらに高い天井をプランニングする場合もあるでしょう。プランニングにもよりますが、高い天井は開放感を生み出し、低い天井は落ち着きを得ることができます。

また近年、戸建ての間取りでは2階にリビングを配置するプランも増え、屋根形状を活かした天井の形(デザイン)も多く見られるようになりました。その作りによって、広がりや空間の変化を楽しむことができるでしょう。
同時に用いる仕上げ材によっても、さまざまなインテリアが実現可能。プランニングの際には、高さと形、素材をトータルで検討することが大切です。

天井の形・デザインの種類と魅力

天井の形にはいくつかの種類があります。それぞれの特徴をみていきましょう。

平(ひら)天井

一般的な天井で床面と平行の平らな形状。和室でも洋室でも、どのような部屋でも取り入れることができるスタイルです。

勾配(こうばい)天井

屋根の形状に沿って傾きを持たせた天井のこと。最上階の部屋で用いるケースが多いスタイルです。開放感を得られること、高い位置に窓を設けることで明るい空間が生まれることがメリットでしょう。

折り上げ天井

天井の中央部分を凹ませ、周辺の天井部分より高くしたデザイン。リビングなどに取り入られるプランが多くみられ、照明を組み込むケースも。空間に広がりを与えるメリットがあるでしょう。

下がり天井

天井の一部が下がり階段状となっているデザイン。ひとつの空間の中に取り入れることで空間を区分する役割となることも。低くすることで落ち着きを得ることもできるでしょう。

船底(ふなぞこ)天井

舟を逆さにしたようなデザイン。日本の代表的な様式である数奇屋造りに取り入れられ、和室のイメージが当てはまります。中央部が周囲より高くなっているため、空間に広がりが生まれます。

掛け込み天井

低く水平の天井と傾いている形状の天井が組み合わされているスタイルです。茶室や廊下、玄関などこじんまりとした空間に用いられているケースが多いでしょう。

天井の仕上げ素材の種類と魅力

天井の仕上げ素材には多様な種類がありますが、大きく分けて乾式工法と湿式工法で仕上げるタイプがあります。

乾式工法

乾式工法は、クロス(ビニール・紙・織物)、木質系(無垢材・合板・繊維板)、無機質系(ロックウール板・繊維板)などを用いること。商品バリエーションが豊富で施工がしやすいのがメリットです。一般的な住宅で用い折られるケースが多いのがクロス。ビニールクロスが主流ですが、自然素材の紙なども人気です。ナチュラルな空間には木質系、調湿や吸音などの機能を備えた無機質系の商品も注目されています。

湿式工法

湿式工法には、漆喰(しっくい)壁、珪藻土(けいそうど)、プラスターなどを用いること。滑らかな表面が特徴の漆喰壁は、耐久性、調湿性、断熱性などに優れています。珪藻土は、海や湖などに生息する植物プランクトンの死骸が堆積してできた土層から採取されるもので吸放質性、保温性、断熱性に優れます。鉱物質の粉末と水を混ぜたプラスターは、純白の仕上がりが特徴です。

天井プランのポイント

天井をどのようなプランとするか、どの素材を用いるかは、その部屋やスペースの用途、過ごし方や日当たりや通気環境などに大きく関わってきます。個々の空間ごとに考えるのではなく、外観デザイン、屋根形状や間取りと同時に検討することが必要でしょう。また、空間とのつながりなどにも十分に配慮することが大切です。

仕上げ素材も居心地を左右するものです。選ぶ際には、そのスペースの床材や壁材とのコーディネートを意識すること。基本的に色味は、床から壁、天井へと明るくするとバランスがよく広がりが生まれ、逆に、濃めの色を用いると落ち着きを得られると言われています。具体的な仕上げ材を選ぶ場合は、必ずショールームや実物見本などで確認し、床材や壁材と一緒に検討することが大切です。
また注意したいのは、天井には多くの場合、照明器具がプランニングされます。天井の形や素材の用い方によって照明機器の設置位置、設置方法などに影響するケースも。高い位置に設置する場合は、掃除や電球交換なども考慮しておきましょう。照明計画は、空間の形状、家具の配置なども含めてトータルに検討することが重要です。
天井も含め、空間のつくりは構造や条件などによって変わってきますが、その空間でどのような暮らしがしたいのかは重要なポイント。わが家の優先順位を明確にして多面的に検討することが必要でしょう。

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